トリビュート・フェスティバルが地方NSWを甦らせる方法
『Abba & Elvis in the Outback(アバ&エルヴィス・イン・ジ・アウトバック)』は、音楽フェスティバルの力を経済的な生き残りと地域の誇りのために活用しようとするトランドル(Trundle)の大胆な挑戦を追った新作ドキュメンタリーです。
この作品は、今週木曜日にSBSオンデマンドで初公開されます。舞台はニューサウスウェールズ州の地方町・トランドル。この町が、近隣の町**パークス(Parkes)で成功を収めた「エルヴィス・フェスティバル」に続けとばかりに、ABBAトリビュート・フェスティバルを立ち上げようとする姿にスポットを当てています。
この映画『Abba & Elvis in the Outback』は、スウェーデンのポップアイコンABBAへの賛辞を通じて、トランドルが地域経済の強化と持続可能性を目指す様子を描いています。これは、毎年開催されるエルヴィス・プレスリーを讃えるイベントによって有名になったパークスの事例を模倣する形です。
いずれの町も、海外の伝説的な音楽スターを受け入れ、地域経済の活性化と住民の一体感の醸成に役立てているのです。
*「Abba & Elvis in the Outback」は、音楽フェスティバルの力を活用して経済的な生き残りと地域の誇りを実現しようとするトランドルの大胆な挑戦を追った作品です。
(画像提供:Railway Adventures)。
制作と演出について
このドキュメンタリーの監督は、タヒーナ・トッツィ・マクマナス(Tahyna Tozzi MacManus)。彼女自身の家族は、かつてパークスに移住しています。
作品では、エルヴィスへの継続的なオマージュ(壁画や記念碑、そして年に一度のフェスティバル)についても深く掘り下げており、そのフェスティバルは地域経済に約1500万豪ドル(約15億円)の効果をもたらしているとも言われています。
本作は、女性主導の制作会社「Neon Jane」によって制作され、干ばつや洪水、イナゴの大群といった度重なる苦難に直面する地方コミュニティの「決して折れない姿勢」を描くことを目的としています。
監督からのメッセージ
マクマナス監督は、本作について次のように語っています:
「これはただの祝祭ではなく、『生き抜く力』の物語でもあります。
喜びとポップアイコンを“生きる術”として選び取った町の人々の姿には、驚くほどの美しさと感動がありました。
トランドルがABBAを称える様子には、誇りと前向きなエネルギーがあふれています。一方でパークスは、“エルヴィスの聖地”とも言える場所のように感じました。
私が心を打たれたのは、こうした地域がユーモアと温かさを持って、苦難に立ち向かいながら自らを再定義していく姿です。このドキュメンタリーは、私たちから地方オーストラリアへのラブレターです。
観る人が、この壮大なスペクタクルを楽しむと同時に、そこにある“強さ”にも気づいてほしい。
それは、これらのコミュニティが私たちの文化にとっていかに大切な存在であるか、そしてABBAとエルヴィスがその魂をどのように生かし続けているかを描いた作品です」。
クレジット情報
- 監督・製作:ケリー・トマシッチ(Kelly Tomasich)& タヒーナ・トッツィ・マクマナス
- エグゼクティブ・プロデューサー:キース・ロジャー(Keith Rodger)& ジョシュ・ポメランツ(Josh Pomeranz)
- 編集:マクマナス監督 & ケリー・キャメロン(Kelly Cameron)
- 撮影:トマズ・ラバンカ(Thomaz Labanca)
配信情報
『Abba & Elvis in the Outback』は、SBS On Demand にて2025年7月3日(木)より配信開始予定です。