ABBA VOYAGE:音楽の未来へと続く時を超えた旅

ロンドン発 — 『ABBAヴォヤージ(ABBA Voyage)』は、まさに音楽界における革命と言っても過言ではありません。
ABBAの楽曲とともに育ち、その象徴的なヒット曲の持つエネルギーをずっと感じてきた者として、クイーン・エリザベス・オリンピック・パーク内にあるABBAアリーナに足を踏み入れた瞬間、それはまるで「夢の中に入り込んだ」ような体験でした。

*Credit: Johan Persson。

このコンサートは、私がこれまで見てきたどんな公演とも違っていました。ABBAの時代を超えた名曲と、最先端のデジタル技術が融合し、懐かしくも驚くほど新鮮なパフォーマンスを生み出していたのです。

照明が暗くなったその瞬間から、会場には特別な空気が漂っていました。
「これは今から何か本当に革新的なものが始まるぞ」という期待に満ちた、静かな高揚感が走っていました。

登場したABBAのABBAターたちは、インダストリアル・ライト&マジック(ILM)との協力により、革新的なモーションキャプチャー技術で制作されたもので、その存在感には心を奪われました。
アグネタ、ビヨルン、ベニー、フリーダの4人が“デジタル上で”目の前でパフォーマンスをする姿は、まさに魔法のようでした。

報道発表にもある通り、これは単なる映像投影やホログラムではありません。
まるで実体を持ったかのようなアニメーション化された彼ら自身がそこにいて、動きも表情もあまりにもリアルで、「過去」が見事に「現在」とつながったような不思議な感覚に包まれました。

そして音楽に飲み込まれないようにするのは、ほぼ不可能でした。
セットリストは、ABBAの代表曲と、40年ぶりの新アルバム『Voyage』からの新曲とが見事に組み合わされており、まさに“記憶の旅”そのものでした。

「ダンシング・クイーン」「マンマ・ミーア」「テイク・ア・チャンス」——
どれも初めて聴いた時と同じくらい、いや、それ以上に胸に響きました。

しかし、何より心を動かされたのは、新曲「I Still Have Faith in You」や「Don’t Shut Me Down」といった楽曲でした。
彼らの音楽が持つ力と、現代における存在感の強さをはっきりと感じさせられました。
これは単なる懐古ではなく、ABBAが“今”に新しいものを届けてくれているという確かな実感です。

テクニカル面の凄さも特筆すべき点です。
3,000人収容のABBAアリーナはこの公演のためだけに設計・建設された特別な会場で、完全に没入型の体験ができるように設計されています。

音響も完璧で、291台のスピーカーから870,000ワットの音が放たれ、まるですぐ隣で演奏されているかのような臨場感がありました。
さらに、30,000のポイントに対応した500以上のムービングライトによる照明演出が加わり、コンサート全体が生きているかのような光のショーに。
音と映像の融合によって、五感が幸せな意味で圧倒される体験でした。

もう一つ、個人的に心に残ったのは生演奏のバンドでした。
ABBAターが主役ではあるものの、10人編成のライブバンドがステージに生のエネルギーを与えており、その存在感は圧倒的。
まさにこのショーの心臓部であり、デジタルの世界の中に“本物の命”を吹き込んでいました。

しかし何よりも胸を打ったのは、驚異的な技術や視覚効果以上に、ABBAの音楽から今もなお溢れ出る純粋な愛とエネルギーでした。
メンバー自身は物理的にステージにはいませんが、彼らの魂は間違いなくそこにありました。

アグネタ、ビヨルン、ベニー、フリーダのABBAターたちは、単に「演じている」のではなく、まさに音楽そのものを“生きている”と感じさせてくれました。
これは、ABBAの影響力がいかに長く続いているか、彼らの音楽がいかに時代を超えているかの証明でもあります。

『ABBA VOYAGE』は、単なるコンサートではありません。
それは音楽の未来を垣間見る旅であり、ABBAという奇跡のレガシーを祝う体験です。
報道発表の通り、これは世界で唯一ロンドンでしか体験できない一度きりのイベントです。

もし行ける機会があるなら、私は全力でおすすめします。
それは時間・音楽・テクノロジーを駆け抜ける本当に忘れられない旅であり、
ABBAの魔法が今もなお生き続けていることを、改めて証明してくれるものでした。

◆ チケット予約はこちら:https://abbavoyage.com/

ABBA Voyage: A Timeless Journey into the Future of Music

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