ABBAは、音響エンジニアとしてグループを支え続けたマイケル・B・トレトウ氏(享年90)に、心のこもった追悼の言葉を捧げました。
■ 訃報の確認と背景
トレトウ氏の訃報は、ABBAのマネージャーであるゴーレル・ハンザ―(Görrel Hanser)により確認され、スウェーデンの新聞アフトンブラーデット(Aftonbladet)にて、妻と息子によって最初に公表されました。
彼はABBAのレコードレーベルであるポーラー・ミュージック(Polar Music)の共同経営者であり、1970年代にABBAのサウンドエンジニアに就任。
2021年のカムバックアルバム『Voyage』を除くすべてのABBAアルバムの音響を手がけた人物です。
ABBAが捧げた“愛と感謝”の言葉
ABBAの4人全員が、長年共に音を作り続けた故マイケル・B・トレトウ氏へ追悼の言葉を寄せました。
■ ベニー・アンダーソン(Benny Andersson)の言葉
「ABBAの4人にとって、あなたほど大きな存在はいませんでした。
スタジオで一緒に働き、絶え間なく笑って過ごしたあの年月の中で、
あなたもそのことを感じていてくれたと、私は信じています。私たちの音楽は今も生き続けています。そしてそれを時を超える音楽”にしてくれたのはあなたです。
あなたはインスピレーションの源であり、喜びを生む存在でした。
そして、世界最高のサウンドエンジニアだった。寂しいです。そして…あなたのココナッツは全部取ってありますよ!」。
(※「ココナッツ」はスタジオ内での内輪ネタ・ジョーク)
■ アンニ=フリード・リングスタッド(Anni-Frid Lyngstad)の言葉
「あなたの尽きることのない創造力、温かさ、喜びが、
スタジオに安心感をもたらしてくれていました。あなたほど完璧に“その役割”を果たせる人はいません。
私たちにとって、あなたは永遠に“ABBAサウンド”の一部であり、
決して忘れることはありません」。
■ ビヨルン・ウルヴァース(Björn Ulvaeus)の言葉
ビヨルンはベニーと共に、トレトウ氏をABBAのサウンドエンジニアとして起用した人物です。
「ABBAにとっての彼の影響力は計り知れません。
彼は温かく、寛大な人柄で、素晴らしい友人でもありました。
たくさんの笑いをありがとう、マイケ」。
■ アグネタ・フォルツコグ(Agnetha Fältskog)の言葉
「数週間前にあなたと少し時間を過ごせて本当に良かったです…。
あなたはとても具合が悪かったけれど、笑い声とユーモアは変わらずそこにありました。たくさんの思い出が今も心に残っています。
レコーディング中にかけてくれた励ましの言葉は、本当に力になりました。今、私たちは深い悲しみに包まれています。才能にあふれ、唯一無二の人が旅立ってしまいました。
安らかに眠ってください、マイケ。あなたは永遠に私たちの心の中にいます」。
■ “ABBAの5人目のメンバー”
マイケル・B・トレトウ氏は、“ABBAの5人目のメンバー”とも呼ばれる存在でした。
妻マリン・ヘルツマン氏と息子ラスムス・トレトウ氏がその遺族です。