「MANIA: The ABBA Tribute」フェニックス公演前に聴くべきABBAの名曲5選

トリビュートバンド「MANIA: The ABBA Tribute」フェニックス公演前に聴くべきABBAの名曲5選!

*ABBA、1974年頃。AVRO/CC BY-SA 3.0/Wikimedia Commons。

なぜって? ABBAの魔法を語るのに理由なんていらないでしょう?

トリビュートバンドは、音楽ファンにとって当たり外れのある存在です。
本物のバンドと同じくらいエネルギッシュで圧倒的なパフォーマンスを見せるグループもあれば、単なる「ものまね」感が強すぎるグループもあります。しかし、「Mania: The ABBA Tribute」に関して言えば、彼らはスウェーデンが生んだ偉大なバンドの壮大さを見事に再現しています。

そんな彼らのフェニックス公演を前に、ABBAの名曲を改めて振り返る絶好の機会!
とはいえ、これは決定版ランキングではありません。ABBAの圧倒的なディスコグラフィーを本当に網羅しようとすれば、8~10本の記事が必要になるでしょう。
それでも、この選曲は、なぜ世界中のアーティストがABBAの楽曲をカバーしたがるのか、その理由を物語っています。
シンプルながらも心を揺さぶるラブソングやバラードは、どんなに冷めた心の持ち主であっても、ポップの持つ純粋な希望に包み込まれてしまうほどの魅力を持っているのです。

「このリストに納得いかない?あなたの考えもぜひ教えてください!」
メールやメッセージで意見を送ってもいいですし、ABBAの楽曲にならって、遠くの地平線を見つめながらそっと風に想いを乗せるのもアリですよ。

1.『アイ・アム・ザ・シティ(I Am the City)』

この曲は、まさにABBAの隠れた名曲。あまりにもマニアックすぎて、なんと1993年のコンピレーションアルバム『More ABBA Gold』まで公式にリリースされなかったほど!
1982年にレコーディングされたものの、未発表となっていた楽曲です。

それでも、この曲が「ボツ」にされず、後年に救い出されたのには理由があります。
キラキラと輝く80年代のシンセポップが全開!
「都市を擬人化して、ナイトライフや地域の活気をメタファーとして描く」という発想は、他のバンドなら少し奇抜で奇妙に思われるかもしれません。
しかし、ABBAの手にかかると、それは奇妙だけど愛おしいものに変わるのです。

まるでスポットライトに捧げるオマージュのような曲ですが、そのチーズ感を超越した魅力があります。
聴いた瞬間、80年代の映画で長距離ランナーがパリの街を駆け抜けるモンタージュシーンに入り込んでしまう、そんなエモーショナルな楽曲です。

2.『アンダンテ・アンダンテ(Andante, Andante)』

「歩くように」という意味を持つイタリア語のタイトルを冠したこの楽曲は、ABBAの1980年のアルバム『スーパー・トゥルーパー』に収録された珠玉のバラードです。

甘く誠実なラブソングであり、恋愛においてゆっくりと慎重に歩みを進めることの大切さを歌っています。
恋人に優しく寄り添い、急がずにじっくり愛を育んでいく… そんなロマンチックな世界観を持つこの曲は、一見シンプルなシンセポップのようでいて、実は奥深い要素が詰まっています。

例えば、
🎶 イタリアのフォーク音楽の影響が感じられるメロディー
🎸 カントリーミュージック風のギターの響き

こうした異なる音楽の要素が融合することで、ABBAの音楽の持つ多層的な魅力が際立ちます。
リスナーをより魅惑的な音楽体験へと誘う一曲と言えるでしょう。

3.『ロック・ミー(Rock Me)』

わかっています。多くの人がアグネタとフリーダがリードボーカルを務める曲を求めていることを。
確かに、この2人が生み出した魔法のような瞬間は、まるでデビッド・カッパーフィールドが何百人もいるかのようなレベル
のもの。

しかし!
『ロック・ミー』は、珍しくビヨルンがフロントマンを務める楽曲です。
そして彼は… まるでクイーンのB面曲のような演奏を披露してくれます

これは決して悪いことではありません。
むしろ、ビヨルンの歌声には堂々たる風格と、ポップ版Thin Lizzyのような渋さが漂っています。
さらに言えば、この曲はABBAらしい重層的なコーラスやロマンチックなメッセージを排し、ただただ「カッコよく」演奏することに徹している

優雅な孔雀のように堂々と歩く気分になれる一曲
ABBAが「クリーンなポップバンド」という枠を超えて、ロックのノリを前面に出した貴重な瞬間です。
さあ、思い切りロックンロールを楽しんで!

4.『キッシィズ・オブ・ファイア(Kisses of Fire)』

ABBAのアルバムの中でも、1979年の『ヴーレ・ヴー』は、意外と過小評価されがち。
アルバムタイトル曲『ヴーレ・ヴ―』はディスコの名曲だし、
「ダズ・ユア・マザー・ノウ」も隠れた傑作です。

でも、このアルバムの真価を決定づけるのは、何と言っても「キッシィズ・オブ・ファイア」!

ABBAの楽曲には一つのパターンがあります。
曲の始まりは穏やかで平凡に思えるけれど、サビに入った瞬間、一気に別世界へと引き込まれる
まるで、スウェーデン最高のキャバレーにワープしたかのような感覚です。

ABBAの真骨頂は、聴き手を油断させた上で、一気に感情の波を爆発させることにあります。
彼らのポップセンスは単に「キャッチー」なだけではなく、聴く者の心を見事に操る魔術のようなものなのです。

そして『キッシィズ・オブ・ファイア」は、その「魔術」の完璧な実例。
ABBAがいかにして、ただのポップミュージシャンではなく、リスナーを揺さぶるアーティストであるかを証明する曲です。
サビが炸裂した瞬間、まるで胸を打つ大槌のような衝撃を受けることでしょう。

5.『私の愛の歌(Gonna Sing You My Love Song)』

ABBAはただの「ハッピーなポップバンド」ではありません。
彼らの楽曲には、悲しみや孤独が滲む瞬間がいくつもあります

そして「私の愛の歌』は、そんなABBAの側面を見事に表した曲のひとつ。
カントリー&フォークの要素が色濃く表れたこのバラードは、まるでABBA版の「最も切ないカントリーバラード」とも言えるでしょう。

表面的には、「恋人に心からの愛を歌う」というロマンチックな楽曲に思えます。
しかし、歌詞をじっくり掘り下げてみると、実は歌い手自身が「本当にこの気持ちは本物なのか?」と自問しているようにも感じられる

つまり、美しいメロディーの裏には、隠された痛みや葛藤が込められているのです。
そして、それこそがABBAの楽曲の素晴らしさ。
「単なるポップソング」だと思っていた曲が、実は心の奥底に響く何かを秘めている…。

ABBAのディスコグラフィーには、まだまだ見落としている感情の機微が隠されているのかもしれません。
この曲は、そんなABBAの「心を打つ」一面を象徴する楽曲なのです。

「MANIA: The ABBA Tribute」フェニックス公演情報

📅 日時:1月29日(水)20:00~
📍 会場:Mesa Arts Center(メサ・アーツ・センター)
🏢 住所:1 E. Main St., Mesa
🎟 チケット価格:$27.50~$64.50
🔗 チケット購入mesaartscenter.com

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※メサ・アーツ・センター(Mesa Arts Center):アリゾナ州メサ市のダウンタウンに位置する、同州最大の総合芸術施設です。2005年に完成したこのセンターは、総面積約21万平方フィート(約19,500平方メートル)を誇り、4つの劇場、5つのアートギャラリー、14のアートスタジオを備えています。

https://www.phoenixnewtimes.com/music/abbas-5-best-songs-ahead-of-their-tribute-bands-phoenix-concert-21079490

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