2026年までの予約がすでに開始され、ロンドンで上演中の没入型体験 『Mamma Mia! The Party』 はますます盛況を極めています。そして今や、世界的展開を視野に入れたフラッグシップとして堂々と存在しています。
*👉 ロンドンO2での『マンマ・ミーア!ザ・パーティ』のキャスト。写真:グラント・ウォーカー。
ギリシャの酒場「Nikos Taverna」へようこそ
ある晩、ニコスのタベルナ に足を踏み入れると、そこにはギリシャの夕暮れの温かさ、空気に漂うラベンダーの香り、にぎやかな人々のざわめき、そしてABBAのクラシックが unmistakable(ひときわ鮮やか)に響いています。
しかしこれは島のバカンスではありません。ロンドンで最もエキサイティングな食と演劇の体験 『マンマ・ミーア!ザ・パーティ』。世界的現象となりつつある特別なショーなのです。
2019年にO2アリーナ(ロンドン)で開幕して以来、このショーは唯一無二の評判を着実に築き上げてきました。6年が経った今も、週7回すべてが満席状態で上演されています。
「これは観客が静かに座って最後に拍手を送るような舞台作品ではありません」と、マネージング・ディレクターの ソフィー・アレント は語ります。
「これは体験そのものです。入った瞬間からギリシャの島に連れて行かれる。食べて、飲んで、観て、歌って、踊って…そして最後には “人生最高のひととき” を過ごしたと思えるのです」。
*👉 ロンドンO2での『マンマ・ミーア!ザ・パーティ』。写真:マーク・ブレナー
*👉 ロンドンO2での『マンマ・ミーア!ザ・パーティ』、ニコス・タベルナの観客。写真:グラント・ウォーカー。
ビヨルン・ウルヴァースの発想から誕生
このアイデアはABBAの ビヨルン・ウルヴァース によって生まれました。2008年に映画『マンマ・ミーア!』の撮影でスコペロス島を訪れた際、ギリシャのタベルナの雰囲気に魅了された彼は、観光客が映画の舞台に惹かれて訪れる様子を見て、「観客は音楽だけでなく、その世界そのものに入り込みたいのだ」と気づいたのです。
こうして2016年にストックホルムで初演。その後ロンドンに進出しました。O2にあった使われなくなったナイトクラブをタベルナに改装するのに4か月を要し、ヨーロッパ中の人工ブーゲンビリアをすべて買い集めたといいます。さらに、多くの小道具やポスター、窓や扉はスコペロス島や映画のセットから直接取り寄せられ、本物さながらの臨場感を与えています。
世界展開へ
現在、アレントは大規模な国際展開を率いています。
「ロンドン版をそのまま複製するのではありません」と彼女は説明します。
「各国版は必ず現地文化を反映させます。共同脚本家サンディ・トクスヴィグと一緒に脚本を調整し、ユーモアも地域ごとに合わせ、現地パートナーと組む。そうしてこそ本当に特別なものになるのです」。
ドイツ、スペイン、アメリカ、オーストラリアなど、複数の市場ですでに準備が進められており、来年には少なくとも2~3か所で新たにオープンする見込みとされています。
物語と体験
物語は完全オリジナル。舞台はニコスのタベルナ。彼とイギリス人の妻ケイトとの関係を軸に、恋愛のサブプロットやユーモアを交えながら、もちろんABBAの名曲が散りばめられています。観客はセット内に着席し、俳優たちが自分たちの周囲で演じる物語に巻き込まれます。
「それが魔法なのです。来たときは見知らぬ者同士でも、帰るときには“もっと大きな何か”の一部になっているのです」とアレントは語ります。
観客層も実に多彩です。TikTokやSNSの影響でABBA人気が再燃し、今では子どもからティーン、若者までもが両親や祖父母と一緒に「ダンシング・クイーン」を大合唱する光景が普通に見られます。
「5歳の子どもが、ヒット曲だけでなく“隠れた名曲”まで歌えることもあります」とアレント。「だからこそ誰にとっても楽しめる。カップル、友人グループ、家族、さらには企業イベントにも向いているのです」。
食事も大きな魅力
来場者が驚く要素のひとつが食事です。すべてのチケットに4品のコース料理が含まれ、舞台演出と連動する形で提供されます。
「ファストフードではありません。真剣に取り組んでいます」とアレント。
「お客様の声を重視し、年間を通じてメニューを改良しています。毎回500人以上に料理を提供しながら舞台の流れを損なわないようにするのは大規模なオペレーションですが、この体験の不可欠な要素です」。
演劇、音楽、食事、ドリンク、スペクタクル、そして終演後のディスコまで、すべてが一夜に凝縮されています。
「これはプレミアムな体験です。単なる劇場の夜ではなく、まるでギリシャで過ごす夜を得られるのです」とアレントは強調します。
*👉 ロンドンO2での『マンマ・ミーア!ザ・パーティ』に出演するアントニー・コスタ。写真:グラント・ウォーカー。
成功と広がる影響
ロンドンでの開幕以来、延べ60万人以上、110か国からの観客 がこのショーを体験しました。
初めての人もいれば、何度もリピートする人も。共有テーブルで新しい友情が芽生えることもしばしば。アレントは「ABBA好きで意気投合したカップルが出会い、その後一緒に休暇に出かけるようになった」というエピソードも紹介しました。
出演者のリピーターもいます。ポップグループ Blue のメンバーである アントニー・コスタ は、温かみとカリスマ性あふれるニコス役で出演し、観客から愛されています。
「彼は舞台上ではアントニーではなくニコスそのものです。音楽ツアーの合間に戻ってきて出演するのは、それだけ彼がこの作品を楽しんでいる証拠です」とアレントは語ります。
制作体制
『マンマ・ミーア!ザ・パーティ』は、ビヨルンと投資家コンニ・ヨンソンが共同設立したストックホルム拠点のエンターテインメント会社 ポップハウス(Pophouse) によって制作されています。
同社は Kiss、アヴィーチー、シンディ・ローパー、スウェディッシュ・ハウス・マフィア など、伝説的アーティストの音楽を祝福するユニークな方法を探求しており、「愛されるブランドを新しい形で生き返らせる」ノウハウを持っています。
今後の展望
現在、ロンドン公演は2026年5月までの予約を受け付けており、ますます繁盛を続けています。そして、この世界展開の中で旗艦的存在として誇り高く位置づけられています。
「心配事はドアの外に置いてきてください。私たちが楽しませます。数時間の間だけでも、世界が少し軽やかで、ずっと楽しく感じられる場所に足を踏み入れていただきたいのです」とアレントは語ります。
公式サイト:mammamiatheparty.co.uk