【連載65】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?)

6月17日金曜日昼

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

皆様こんにちは。昨日で熊本震災2回目地震(本震)から2か月が経ちました。県内で最大レベルの被害を受けた南阿蘇村では復興復旧のメド2か月経った今でも全く立っておらず困惑しています。『600以上の家屋が全半壊』し、およそ『1000人が避難所で生活を送っています』が、仮設住宅への入居はまだ行われていません。住宅をどう確保するかについて長野南阿蘇村村長は「仮設住宅への入居を希望する世帯は450くらいある。まず100戸程度、県にお願いして進めていて今月中に完成し7月初めには入っていただくがまだまだ350くらいは必要になり今、建設する用地をきちんと確保しながら進めているという状況だ」と述べ希望者全員に仮設住宅を提供するには、かなりの時間がかかるとの見通しを示しました。村の復興に必要な財源について「国が費用を100%を確約していただけるような『特別措置法』をぜひ制定していただきたい」と述べ国からの財政支援が欠かせないと強調しました。依然として復旧復興の見通しが立っていないことを強調しました。

南阿蘇村東海大2年大野睦(りく)さんが亡くなったアパート前では同じフットサルチームの仲間らが花束と缶ビールを供え手を合わせました。同級生の国貞尚伸さん(19)は「睦の分まで頑張って生きていくからな」と語りかけていました。南阿蘇村立野(たての)の新所(しんしょ)地区で区長ら2人が土砂崩れで夫婦が死亡した住宅跡に花を手向け死を悼みました。立野では水道復旧の見込みが立たず土砂崩れの危険があるため住民のほとんどが今も隣の大津(おおづ)町の避難所や親類宅などで暮らしています。区長の山内博史さん(62)は「亡くなった2人とは付き合いが深かった。あの日を思い出しここを見るのはつらい」。一緒に花を手向けた副区長の江藤俊雄さん(66)も「無念だったろう。魂が鎮まってくれるようにと思う」と話していました。

熊本県内復興復旧が進む中、南阿蘇村だけは取り残されています。また村と村が分断され住民の生活にかなりの支障をもたらせています。前出の通り、国は南阿蘇村に『特別措置法』講じ、100%復旧復興の支援をすべきだと思いますが皆様はどう思われるでしょうか?

熊本のシンボル熊本城。「飯田丸五階櫓」は熊本城の本丸の南西に平成17年に復元されたやぐらで地震により下の石垣が大きく崩れ、今は「隅石」と呼ばれる石垣の角の石だけで『かろうじて』支えられています。このため熊本市は倒壊を防ぐための工事を始め昨日16日は雨が降るなか作業員が足場の土台づくりを行いました。工事を請け負っている建設会社によりますと「隅石」には30トン余りあるやぐらの半分程度の重みがかかっているとみられるということで、今回の工事でやぐらの下に鉄骨を差し込んで「隅石」にかかる重みを分散させるということです。

災害で亡くなった人の遺族に国や市町村などから支給される「災害弔慰金」は家計を主に支える人が亡くなった場合、500万円が支給されることになっています。ところが遺族の中に『年収が103万円を超える人がいると支給額は半分の250万円に減額』されていました。東日本大震災では遺族や専門家から「遺族の収入で支給額に差をつけるのはおかしい」とか「半額にされると亡くなった人の価値が下がったように感じる」といった意見が出されていました。これを受けて国は今年4月の熊本地震から支給の要件を緩和し家計を主に支える人が亡くなった場合、遺族の収入に関わらず一律に500万円が支給されることになりました。今後新しい基準での支給の手続きが進められます。東日本大震災で被災した人達の支援に当たっている岩手県陸前高田市の在間文康弁護士は「東日本大震災の教訓を踏まえた判断で今後の被災者を勇気づける大きな一歩だ」と話しています。

昨日北海道で地震がありました。地震は日本中どこにいてもいつ起こるかわからないと言うことです。今回の熊本地震は「明日の自分の姿」かもしれません。せめて一日一回は熊本(地震)を思い出し「地震が起きた場合に街は、被災者はどうなっていくのか?」教訓にすべきだと思います。そして「リトルテンダネス」ほんの少しの思いやり・優しさで良いので「何かの形」で熊本の復興復旧に協力してほしいと個人的には思っています。被災地のモノを買う、ふるさと納税を払う、九州に旅行する、例えわずかでもいいので寄付する、もちろん寄付はお金でもモノでもどちらでもいいと思います。いつかは必ず自分達の身にも降りかかる震災。来た時に慌てないためにも熊本の復興復旧を見つめ「事前準備」しておくことが必須です。もちろん一日も早く熊本が元のレベルになることを願うことが一番に必要ですが。東北震災の時のように「自殺者」が出ないことを切に願います(既に公務員が一人責任をとり自殺しています)。

1.被災地情報

①本震から2か月、南阿蘇村、 復旧復興の見通し立たず!

熊本地震の本震から昨日16日で2か月になりました。大規模な土砂災害で被害を受けた南阿蘇村の長野敏也村長が取材に応じ「復興には相当な時間が必要で、まだ具体的なことを示すことはできない」と述べ、依然として復旧復興の見通しが立っていないことを明らかにしました。

この中で長野村長は本震から16日で2か月になることについて「強烈な地震のあと、避難者の対応や関係機関への対応で、あっという間の2か月だった」と振り返りました。

南阿蘇村では600以上の家屋が全半壊し、およそ1000人が避難所で生活を送っていますが、仮設住宅への入居はまだ行われていません。住宅をどう確保するかについて、長野村長は「仮設住宅への入居を希望する世帯は450くらいある。まず100戸程度、県にお願いして進めていて、今月中に完成し、7月初めにはそこに入っていただく。しかし、まだまだ350くらいは必要になるわけで、今、建設する用地をきちんと確保しながら進めているという状況だ」と述べ、希望者全員に仮設住宅を提供するには、しばらく時間がかかるとの見通しを示しました。

一方、村の復興に必要な財源について「国が費用を100%を確約していただけるような、特別措置法をぜひ制定していただきたい」と述べ、国からの財政支援が欠かせないと強調しました。そのうえで、「復旧、復興というのは相当な時間が必要だと思っている。2か月たって、どうこうという状況には至っていない。早く復興に向けて具体的なことを村民に示すことがいちばん大事だと思っているが、まだ、だいぶん時間がかかる」と述べ、依然として復旧復興の見通しが立っていないことを明らかにしました。

②熊本「本震」2か月、南阿蘇で祈り「思い出しつらい」!

熊本地震本震から2か月。東海大2年大野睦(りく)さんが亡くなったアパート前では、同じフットサルチームの仲間らが花束と缶ビールを供え、手を合わせました。同級生の国貞尚伸さん(19)は「睦の分まで頑張って生きていくからな」と語りかけました。

熊本地震の本震から2か月が経った昨日16日、熊本県南阿蘇村立野(たての)の新所(しんしょ)地区で、区長ら2人が、土砂崩れで夫婦が死亡した住宅跡に花を手向け、死を悼みました。立野では水道復旧の見込みが立たず、土砂崩れの危険があるため、住民のほとんどが今も隣の大津(おおづ)町の避難所や親類宅などで暮らしています。

死亡した夫婦は、片島信夫さん(当時69)と利栄子さん(同61)。区長の山内博史さん(62)は「亡くなった2人とは付き合いが深かった。あの日を思い出し、ここを見るのはつらい」。一緒に花を手向けた副区長の江藤俊雄さん(66)も「無念だったろう。魂が鎮まってくれるようにと思う」と話していました。

山内さんは地区住民について「(現状は)みんなばらばらだが、何十年も一緒に暮らしてきた。いつか一緒に暮らせる日がくれば」と話していました。

地区では山間部にある九電黒川第一発電所の貯水槽の外壁などが壊れ、九電の推計で約1万立方メートルの水が流出しました。九電は水の流出と斜面崩壊の因果関係は「調査中」としています。

③熊本城、 崩れそうなやぐらの倒壊防止工事を公開!

一連の地震で下の石垣が大きく崩れ、残った石でかろうじて支えられている熊本城の「飯田丸五階櫓」の倒壊を防ぐための工事が昨日16日、報道各社に公開されました。熊本市は来月中には工事を終え、建物を修復できるかどうか判断したいとしています。

「飯田丸五階櫓」は、熊本城の本丸の南西に平成17年に復元されたやぐらで、地震により下の石垣が大きく崩れ、今は「隅石」と呼ばれる石垣の角の石だけでかろうじて支えられています。このため、熊本市は倒壊を防ぐための工事を始め、昨日16日は雨が降るなか、作業員が足場の土台づくりを行いました。

工事を請け負っている建設会社によりますと「隅石」には30トン余りあるやぐらの半分程度の重みがかかっているとみられるということで、今回の工事でやぐらの下に鉄骨を差し込んで「隅石」にかかる重みを分散させるということです。

熊本市は来月中には工事を終え、建物の損傷を調べて修復が可能かどうか判断したいとしています。

工事を請け負う建設会社の土山元治さんは「難しい工事だが、熊本の皆さんが少しでも元気になるよう成功させたい」と話していました。

熊本城総合管理事務所の河田日出男所長は「工事が終わるまで何とか持ちこたえてほしい」と話していました。

➃被災者を元気に 熊本城をつまようじ11万本で再現!

一連の熊本地震で被災した人たちを元気づけようと、兵庫県尼崎市の高校生たちがおよそ11万本のつまようじを使って熊本城のモザイク画を作りました。

熊本のシンボル、熊本城は、一連の地震で石垣が崩れるなどの大きな被害を受けました。

兵庫県立尼崎稲園高校の1年1組の生徒たちは、被災した人たちを元気づけようと熊本城のモザイク画を作ることを企画しました。材料に使ったのは赤や青など8色に塗り分けたつまようじおよそ11万本で、断熱ボードにつまようじを1本1本刺して、縦2.7メートル、横3.6メートルの熊本城のモザイク画を完成させました。

作品は、昨日16日から始まった高校の文化祭で展示され、訪れた生徒や保護者などが床に置かれたつまようじの熊本城を上から眺めたり写真を撮ったりしていました。

制作した生徒の1人、浜田竜郎さんは「みんなの思いを1本1本のつまようじに込めました」と話していました。この作品は本日17日、文化祭が終わったあと熊本市に寄贈され、熊本城公園内にある観光施設で展示されるということです。

⑤2回目の震度7から2か月、東海大の学生が献花!

一連の熊本地震のうち、40人が亡くなった2回目の震度7の地震から昨日16日で2か月になります。3人の学生が死亡した熊本県南阿蘇村の東海大学のキャンパス周辺では、犠牲となった学生が暮らしていたアパートを友人たちが訪れ、花を手向けました。

熊本地震では震度7の揺れが2回観測されて熊本県内で49人が死亡し、このうち、40人は2回目の震度7を観測した4月16日の地震で亡くなりました。

南阿蘇村にある東海大学の農学部のキャンパス周辺には多くの学生が暮らしていましたが、4月16日の地震でアパートなどが倒壊し3人が犠牲となりました。

地震から2か月となる昨日16日、同じキャンパスに通っていた友人6人が訪れ、花を手向けたあと、静かに手を合わせていました。

4年生の男子学生は「一緒に勉強してきて、いろいろな夢に向かって頑張ってきて、こういうかたちで亡くなってしまったのは残念です」と話していました。

地震で大きな被害を受けた南阿蘇村のキャンパスでは、授業再開のめどが立っておらず、東海大学は少なくとも2年間は熊本市にある別のキャンパスで授業を行うことを決めています。

⑥災害弔慰金の要件緩和 一律500万円に!

災害で亡くなった人の遺族に支給される「災害弔慰金」について、国は、今年4月の熊本地震から支給の要件を緩和し、家計を主に支える人が亡くなった場合、遺族の収入にかかわらず、一律に500万円が支給されることになりました。

災害で亡くなった人の遺族に国や市町村などから支給される「災害弔慰金」は、家計を主に支える人が亡くなった場合、500万円が支給されることになっています。

ところが、遺族の中に、年収が103万円を超える人がいると支給額は、半分の250万円に減額されていました。東日本大震災では、遺族や専門家から「遺族の収入で、支給額に差をつけるのはおかしい」とか、「半額にされると亡くなった人の価値が下がったように感じる」といった意見が出されていました。

これを受けて、国は、今年4月の熊本地震から支給の要件を緩和し、家計を主に支える人が亡くなった場合、遺族の収入にかかわらず、一律に500万円が支給されることになりました。今後、新しい基準での支給の手続きが進められます。

東日本大震災で被災した人たちの支援に当たっている岩手県陸前高田市の在間文康弁護士は「東日本大震災の教訓を踏まえた判断で、今後の被災者を勇気づける大きな一歩だ」と話しています。

⑦「秋にはきっとうまい米に」、熊本県益城町で田植え!

震度7を2度経験した熊本県益城町平田地区の田んぼで一昨日15日、福永貴大さん(30)が、例年より20日遅い田植えに励んでいました。

地震で用水路が壊れ、田には亀裂が入り、稲作自体が危ぶまれました。「未来の希望のために絶対に米を作りたい」と亀裂や隆起した部分をうねで区切り、米作りを再開させました。福永さんは「この辺りは水も土も良い。秋にはきっとうまい米ができる」と話し、トラクターを進めていました。

⑧地震で7時間下敷きの東海大生、熊本支援へ絵はがき!

熊本地震の本震で、熊本県南阿蘇村の下宿の下敷きになり、7時間後に救出された東海大学農学部の男子学生の色鉛筆画が、復興支援のポストカードとして売られています。美しい阿蘇の風景などを、忘れてほしくないという思いで地震後に描きました。収益は全額、村に寄付します。

大学2年生の相戸(あいと)健志さん(19)。2階建ての学生向け下宿の1階に住んでいて、4月16日未明の本震の時は、ベッドに腰掛け、家族にスマートフォンでメールを打っていました。

揺れに襲われ、ベッドの足元側に逃げました。瞬間、激しい音を立てて天井が落ちてくるのが見えました。暗闇の中、スマホのライト機能を使い、ベッドが支えになって天井と床のわずかな隙間に挟まれ、命拾いしたと知りました。「助けて下さい」「ここにいます」と大きな声で叫び続けた。死ぬかも知れないと恐怖を覚えたそうです。

下宿の先輩の声が聞こえました。「大声を出したら体の負担になる」と、状態が悪化している時は1回、大丈夫なら2回、ものをたたくよう言われた。ほぼ30分おきに様子を見に来た先輩に、スマホで2回天井をたたいて無事を知らせました。

救助隊に助け出されたのは午前8時半。右ひじにかすり傷を負っていました。下宿は1階が押し潰されていましたが、住人は全員無事でした。ドクターヘリで熊本市の病院へ。19日に退院し、福岡県筑紫野市の実家に帰りました。

健志さんはその後、生まれ故郷で母晴子さん(48)の実家がある福岡県飯塚市で過ごし、今は大学が再開するまで、母の単身赴任先である宮崎市で暮らしています。

地震の1週間後から、好きだった色鉛筆画を再び描くようになりまし。高校1年から独学で始め、動物や似顔絵などを描いてきました。母の知人の紹介で会った宮崎市のミニコミ紙「みやざき中央新聞」の編集長の目にとまり、復興支援のポストカードとして販売することを勧められました。

雄大な阿蘇の自然、赤牛、阿蘇大橋を描き、地震前の作品と合わせて今月、同新聞から10枚1千円で売り出しました。売り上げから経費を差し引いて南阿蘇村に贈ります。健志さんは「阿蘇の美しい自然を忘れてほしくない。村に恩返しがしたい。皆さんの協力で復興できれば」と話しています。

問い合わせは同新聞のファクス(0885-53-5800)かメール(info@miya-chu.jp)で。

⑨宇土市役所を解体へ!書類棚は磁石つきクレーンで搬出!

熊本地震で壊れて使用できなくなった熊本県宇土(うと)市役所の本庁舎を、7月から解体する方針を市が決めました。庁舎内に残っている重要書類は、損壊の激しい4~5階は磁石をつけたクレーンのアームなどで棚ごと取り出し3階以下は人海戦術で運び出すとのことです。

一昨日15日、市議会の議会運営委員会で、解体費約3億8千万円で契約する意向を説明しました。関連議案を20日開会の市議会6月定例会に出します。

本庁舎は1965年に建てられた鉄筋コンクリート5階建て。市内で震度6強を観測した4月16日の本震で、4階部分が押しつぶされました。4~5階は中に入るのが危険なため、重要書類などは解体前に、近くで高所作業車に乗った作業員が無線で指示を出しながらクレーンで取り出す計画です。

7月1日から始め、来年3月下旬に終える予定。市は現在、市民体育館などに機能を移し、本庁舎そばの職員駐車場に仮設庁舎を建設中。新たな庁舎の建て替え場所や規模、時期などは決まっていません。

⑩参院選、現場から・災害弱者!

熊本地震の被災地、熊本市は5月、介護サービスを利用していない在宅高齢者の健康状態の実態調査を始めました。市は支援の手が届いていない可能性もあるとみて、対象は障害のある人や一人暮らしの高齢者を含めて約1万3千人です。

国は2006年に「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」を策定し、自力で避難するのが難しい「災害弱者」の名簿作りを市町村に求めてきました。熊本市は名簿を作成済みでしたが、名簿に登録済みの人の一部も支援漏れが確認されました。

名簿を災害時に活用するため、国はどのような避難支援が必要か、民生委員や自治会、消防団など地域の支援者が情報を共有し、一人ひとりの避難計画を作るよう促しています。

13年8月9日、岩手県内は記録的な豪雨に襲われました。矢巾町では河川が氾濫し、500棟以上が浸水被害を受けました。障害者支援の通所施設「あさあけの園」では近くを流れる川があふれそうになり、職員の自主判断で利用者約20人を帰宅させることにしました。

職員が車3台で送り届けて施設に戻った時には濁った川の水が道路を流れ、車1台は走行不能になりました。

主任職業指導員の広田秋彦さんは「朝の段階では雨は強くなく、川が氾濫すると予想できなかった。役場の広報車が避難を呼びかけていたが、状況がよく分からず、川の様子から判断せざるを得なかった」と振り返っています。

福祉施設に滞在中はスタッフが避難を手助けしてくれますが、在宅時は地域に住む支援者が頼りです。

矢巾町では当時、災害弱者の名簿は作成途中でした。豪雨災害を機に作業を加速させましたが、豪雨から3年近く経った今も支援者と情報を共有できているのは全体の1割程度。壁となっているのが、個人情報保護です。

国のガイドラインでは、支援者が情報共有するには災害弱者本人の同意が必要です。町によりますと「他人に迷惑をかける」「病気のことが周りに知られてしまう」と支援者への情報提供にちゅうちょする人が目立つそうです。担当者は「以前より条件は緩やかになったが、本人同意がネックになっている」と語っています。

県によりますと、支援者と情報を共有し、災害弱者ごとに避難計画を策定したのは県内では12市町村にとどっています。

また、避難行動を起こすには災害情報が必要ですが、伝達手段は必ずしも万全ではありません。防災行政無線の県内のカバー率は75%。矢巾町は町全域をカバーしきれていません。全域に広げるには数億円規模の予算が必要です。防災担当者は「小規模の自治体は、国の支援なしには災害対応の態勢整備は厳しい」と話しています。

災害発生時、避難するのに助けが必要な災害弱者の支援について、国は東日本大震災を教訓に強化し、2013年に災害対策基本法を改正しました。自治体に災害弱者の名簿作成を義務づけ、個別の避難計画の策定を求めています。

対象者は自治体が独自に要件を定めています。国は要介護度3~5の高齢者や身体や精神の障害のある人、難病患者を例示しています。名簿には名前、生年月日、性別、住所、避難支援が必要な理由などが記載されるています。

県内では32市町村が名簿を作成済みで、登録人数は計約6万8千人。

⑪熊本の子どもたちに心のケアと防災教育を、兵庫のNPO!

熊本地震で被災した子どもたちの心のケアに、防災教育に取り組む兵庫県西宮市のNPO法人「さくらネット」が乗り出しました。担当の河田のどかさん(29)は小学1年のとき、阪神・淡路大震災で被災しました。自身の経験から「被災ストレスに適切な対処を」と訴えています。

21年前、神戸市須磨区で被災しました。自宅や近所に大きな被害はありませんでしたが、よく週末を過ごした長田区の祖父母の家は半壊しました。小2の時、震災のことを作文に書くと、母は「もっと楽しいこと、書かないの?」。以後「お母さんが悲しむから」と、震災の話をするのをやめました。しかし「怖い夢を見る」「小さな音でビクビクする」、そんな状況が長く続きました。

県立舞子高校の環境防災科に進み、授業で震災の映像を見た時、恐怖心がよみがえりました。同時に災害時のストレス反応を学び、当時感じた不安は自然なものだったと納得しました。「子どもは災害後、できていたことができなくなったり、親のそばを離れなくなったりすることがある。保護者や教員、子ども自身がその反応や心のケアについて知り、対応を考えてほしい」

さくらネットの熊本地震の支援は5月、南阿蘇村の南阿蘇中から始めました。益城、御船(みふね)両町の小中5校に対象を広げ、黒板やチョーク、扇風機などを寄付しました。防災教育に取り組む全国の学校から届いた募金で購入しました。

7月以降、学校に出向き、①教員向けの研修会②保護者向けの語り合いの会③子どもの心のケア④子どもたちが地域コミュニティーや避難所の運営に関わり、自分の思いや夢を取り戻し、描き直す機会の提供――と順次、支援策を進める方針です。

とりわけ、大事に考えているのが③と④です。河田さんは東北の被災地などで、子どもたちが「守られる存在」から「守る存在」として、主体的に防災やボランティア活動に取り組む姿を見てきました。熊本でも避難所で物資配布や掃除を通して、生き生きと過ごす姿が見られたそうです。

ですが、大きな揺れを経験した恐怖を抱えている子は少なくないといいます。熊本県教委は5月末、「心のケアが必要な児童・生徒は2134人」と発表しました。熊本市教委の調査結果と合わせると、4300人近くに上ります。「まずは、心のケアと余震時に身を守れるよう情報を提供し、安心・安全につなげていきたい」

「さくらネット」の募金専用口座は、ゆうちょ銀行 店名「四三八」、店番「438」 普通預金 番号「7985247」、名義「特定非営利活動法人さくらネット」。

問い合わせは、さくらネット内の「平成28年熊本地震 あそ冒! まな望! 防災プロジェクト事務局」(0798-64-5829)へ。

⑫熊本大、復興支援計画立ち上げ、益城に研究拠点も!

熊本大学は昨日16日、熊本地震からの復興支援のために七つのプロジェクトを立ち上げたと発表しました。まちづくりのプロジェクトでは、被害の大きい益城町の秋津川河川公園にプレハブの研究拠点を設けて教授と学生ボランティアを常駐させ、地域住民の意見を聞きながら、町などに復興計画を提案していくということです。

このほか、熊本城などの文化財復旧や地域医療、産業復興、ボランティア活動などを支援するほか、阿蘇地域の自然災害の発生メカニズムを研究し、減災計画を提言していくそうです。

同日会見した原田信志学長は「これまでの熊本に関する研究の成果を生かさないといけない。復興の推進力にしていきたい」と話していました。

2.水道情報

「本日6月17日の給水場所」

『熊本市』

・熊本市上下水道局

『益城町』

・益城町水道センター

*終日解放

『西原村』

・山西小学校

・河原小学校

・西原中学校

*上記3か所は24時間

『美里町』

・美里町役場中央庁舎

『南阿蘇村』

・旧立野小学校グラウンド

・沢津野消防詰所前

・東急第一別荘

・黒川交差点まどか前

*上記4か所は午前9時~午後18時まで

3.医療

「エコノミークラス症候群の検診」

地震後の生活環境の変化が原因となって起こる「エコノミークラス症候群」。その発見や予防に向けての無料検診が、熊本市と益城町で実施されます。今回行われる検診は、医師などが立ち上げたプロジェクトの主宰によるものでこれまでの「エコノミークラス症候群」の検診で静脈血栓が見つかった方へのフォローアップのほか、検診で血栓がなかった方や、検診を受けたことがなく不安に感じている方も受診することができます。

*日時

・6月18日(土)、19日(日)

・いずれも午前10時~午後16時

*場所

・熊本市:熊本市総合体育館(熊本市中央区出水2-7-1)

・益城町:益城町総合体育館(益城町木山236)

*料金は無料です。

当日は検診のほか、エコノミークラス症候群を予防するための医療用の弾性ストッキングの配布や、着脱の仕方の指導、生活不活発病や熱中症などの予防についての健康講座も開かれます。

*問い合せ:熊本県健康福祉部健康づくり推進課

*電話:096-333-2208

4.保育

「熊本市、保育料の減免」

熊本市では、今回の地震を受け被災された方々についての保育料の減免を実施しています。減免の申請は現在も受付中です。今回実施される保育料の減免の対象となるのは、

保護者の所有する住宅が著しい損害を受けた場合で、全壊の場合は地震の発生から1年間の保育料が全額減免、半壊の場合は50パーセントが減免されます。

また、今年4月分については0.5ヶ月分を一律減免。5月分については施設の開園日に応じた保育料のみを負担すればいいことになっています。

詳しくは熊本市・保育幼稚園課もしくは各区役所の保健子ども課へお問い合わせください。

*熊本市保育幼稚園課 電話:096-328-2568

*中央区役所 保健子ども課 電話:096-328-2421

*東区役所保健子ども課 電話:096-367-9130

*西区役所保健子ども課 電話:096-329-6838

*南区役所保健子ども課 電話:096-357-4135

*北区役所保健子ども課 電話:096-272-1104

また、同様の保育料の減免は熊本市以外の市町村でも行われています。各市町村の担当窓口にお問い合わせください。

5.ここ一週間の地震

2016/06/17 06:45 17日 06:42頃 奄美大島北東沖 2

2016/06/17 01:46 17日 01:43頃 和歌山県北部 2

2016/06/16 23:32 16日 23:28頃 トカラ列島近海 1

2016/06/16 20:55 16日 20:52頃 内浦湾 1

2016/06/16 20:01 16日 19:58頃 内浦湾 3

2016/06/16 19:50 16日 19:47頃 内浦湾 1

2016/06/16 18:59 16日 18:55頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/16 18:39 16日 18:35頃 茨城県南部 2

2016/06/16 17:39 16日 17:36頃 内浦湾 1

2016/06/16 17:10 16日 17:07頃 内浦湾 2

2016/06/16 15:38 16日 15:34頃 内浦湾 1

2016/06/16 15:16 16日 15:13頃 内浦湾 1

2016/06/16 15:15 16日 15:12頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/06/16 14:45 16日 14:42頃 内浦湾 2

2016/06/16 14:25 16日 14:21頃 内浦湾 6弱

2016/06/16 14:20 16日 14:16頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/16 12:01 16日 11:56頃 熊本県天草・芦北地方 1

2016/06/16 11:03 16日 10:58頃 トカラ列島近海 1

2016/06/16 09:47 16日 09:44頃 宮城県沖 1

2016/06/16 09:16 16日 09:13頃 内浦湾 2

2016/06/16 09:12 16日 09:05頃 内浦湾 1

2016/06/16 05:44 16日 05:41頃 福島県沖 1

2016/06/16 05:07 16日 05:02頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/16 03:43 16日 03:38頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/16 00:05 16日 00:00頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/15 23:06 15日 23:03頃 熊本県熊本地方 2

2016/06/15 20:11 15日 20:08頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/15 17:27 15日 17:24頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/15 16:07 15日 16:04頃 宮城県沖 1

2016/06/15 12:55 15日 12:52頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/15 12:43 15日 12:40頃 大分県中部 1

2016/06/15 11:20 15日 11:17頃 熊本県熊本地方 2

2016/06/15 11:05 15日 11:02頃 熊本県熊本地方 2

2016/06/15 03:16 15日 03:12頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/15 01:23 15日 01:20頃 宮城県沖 1

2016/06/15 00:07 15日 00:02頃 奄美大島近海 1

2016/06/14 22:35 14日 22:31頃 栃木県南部 1

2016/06/14 19:36 14日 19:32頃 種子島近海 1

2016/06/14 17:31 14日 17:27頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/14 15:24 14日 15:20頃 奄美大島北東沖 1

2016/06/14 12:43 14日 12:39頃 千葉県東方沖 1

2016/06/14 10:47 14日 10:44頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/14 05:46 14日 05:43頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/06/14 03:21 14日 03:17頃 宮城県沖 1

2016/06/13 21:01 13日 20:58頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/13 19:33 13日 19:29頃 茨城県南部 1

2016/06/13 16:00 13日 15:54頃 熊本県熊本地方 4

2016/06/13 13:31 13日 13:27頃 奄美大島近海 1

2016/06/13 13:27 13日 13:22頃 奄美大島近海 1

2016/06/13 13:16 13日 13:13頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/13 12:37 13日 12:34頃 熊本県熊本地方 2

2016/06/13 09:42 13日 09:39頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/13 09:32 13日 09:26頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/13 07:26 13日 07:23頃 岐阜県飛騨地方 1

2016/06/13 04:50 13日 04:46頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/13 04:25 13日 04:21頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/13 04:08 13日 04:03頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/13 02:16 13日 02:12頃 北海道東方沖 1

2016/06/13 00:42 13日 00:39頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/13 00:04 13日 00:00頃 熊本県熊本地方 2

2016/06/12 23:16 12日 23:13頃 熊本県熊本地方 2

2016/06/12 23:11 12日 23:08頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/12 22:57 12日 22:53頃 熊本県熊本地方 3

2016/06/12 22:12 12日 22:08頃 熊本県熊本地方 5弱

2016/06/12 21:23 12日 21:20頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/12 20:35 12日 20:31頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/12 19:51 12日 19:47頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/12 16:03 12日 15:58頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/12 12:52 12日 12:49頃 岐阜県美濃中西部 1

2016/06/12 09:24 12日 09:21頃 西表島付近 1

2016/06/12 07:57 12日 07:54頃 茨城県南部 4

2016/06/12 07:33 12日 07:29頃 千葉県北西部 1

2016/06/12 05:51 12日 05:48頃 千葉県東方沖 1

2016/06/12 04:38 12日 04:35頃 熊本県阿蘇地方 2

2016/06/12 04:01 12日 03:56頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/12 01:20 12日 01:17頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/06/11 23:44 11日 23:41頃 熊本県熊本地方 2

2016/06/11 17:11 11日 17:08頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/11 14:50 11日 14:46頃 十勝沖 1

2016/06/11 12:03 11日 11:59頃 熊本県熊本地方 2

2016/06/11 09:59 11日 09:56頃 有明海 1

2016/06/11 06:56 11日 06:51頃 宮古島近海 1

2016/06/11 05:01 11日 04:58頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/10 23:47 10日 23:38頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/10 21:35 10日 21:32頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/06/10 21:25 10日 21:21頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/10 21:12 10日 21:07頃 三陸沖 1

2016/06/10 15:47 10日 15:44頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/10 15:45 10日 15:42頃 熊本県熊本地方 2

2016/06/10 14:09 10日 14:06頃 熊本県熊本地方 1

2016/06/10 13:22 10日 13:16頃 福島県沖 2

2016/06/10 11:06 10日 10:57頃 石垣島北西沖 1

2016/06/10 04:48 10日 04:45頃 熊本県熊本地方 2

2016/06/10 00:00 09日 23:56頃 熊本県熊本地方 1

(続く)

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