【連載㉓】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?)

5月6日金曜日昼

【熊本地震現地報告】

皆様こんにちは。ようやく被災者用のアパート募集が始まりましたが「戸数」があまりにも少なく、酷いところでは「90倍」の倍率でほとんど入居できない状況が続いています。運よくアパートに当たった人はさっさと去って行きましたが、逆にハズレた人はもうこの世の終わり位のショックさで寝込んでしまいました。熊本以外の九州他県でも募集を始めましたがやはり戸数が少なく積極的に応募している被災者は僕のいる避難所の中にはいませんでした。九州以外になると全く興味がなく応募する気にもならないそうです。今後被災者の生活はどうなってしまうのか?とても心配になりました。震災から3週間経ち被災者の心は折れています。あれだけたくさんのボランティアが来ても「被災者の心のケア」することを許されていません。他県から精神科の医師が来ましたが適当に診察するだけで「被災者の心のケア」までには至っていません。これが「世界一の先進国」と言われた日本の姿なのでしょうか?被災者が政府や行政や議員に愛想をつかし「車」や「テント」で過ごしたくなるのもわかるような気がします。また「お金」がある人、地震で自宅がそんなに損傷を受けなかった人の心境は意外と明るく、「お金」が無い人や自宅が全壊・半壊した被災者は一昨日あたりから「もう死にたい」「未来がない」と頻繁に呟くようになりました。国や行政はこうした「お金がない人」「全壊・半壊した人」をまず『第一優先』してフォローすべきなのではないでしょうか?危ない家に「赤い紙」を貼って入らせないようにすることも大事ですが同時に「被災者の心のケア」を真剣にやらないと「自殺者」「酒に溺れる人」「うつ病」が出て来ると思います。いやもう既に出て来ています。また「被災者同士の喧嘩」「弱いモノイジメ」「レイプ」なども多発すると思われます。つまり今の被災者は「加害者」にもなり得ますし「被害者」にもなりうるわけです。本来犯罪を犯さなくてもいいはずの被災者に未然に犯罪を防ぐ対策を国や行政は積極果敢に実行してほしいと思います。熊本県内には一体何人の行政勤務・議員がいるのでしょうか?「もっと命を懸けてください!」僕は何人かの役人と議員には陳情しましたが返ってきた答えは「俺たちも被災者なんだよ!」という何とも信じられない言葉でした。どうやら自分の「命」よりも「自分達も被災者」と思っている役人・議員が多いようで、自分の身を削っても熊本地震終息に命を懸ける役人・議員はごくごく僅かしかいないことがわかりました。いやもしかしたら「皆無」かもしれません。とても残念ですね……。あと気になったのが「子供達」が非常に「暴力的」になってきたことです。昨日から「くまモン」が復活しましたがそのくまモンに「ライダーキック」したり「殴る」「蹴る」と殴打・暴行する子供達がかなり目立ちました。『子供達も限界』に来ているのでしょう。避難所でも兄弟(姉妹)喧嘩があちこちで目立つようになりました。SOS!!『子供達のケア』も緊急な課題です。阪神淡路・東北震災で震災後3週間経ったらどうなるかと言うデータを国は持っているはずなのに全く活かされていないことにとても悲痛になりました。国が思っている以上に熊本震災はひどい状態になっています……。

(続く)

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