「止められない」:ABBAのビヨルン・ウルヴァース、AIに抵抗するアーティストを「愚か」で「ラッダイト的」と発言
ビヨルンは、AIは「作詞作曲のパートナーの代わりにはまったくならない」としながらも、「これまで存在しなかった素晴らしいツール」だと述べている。
*出典:ジェフ・スパイサー/ゲッティイメージズ(SXSWロンドン提供)。
AIは、当然ながら音楽家の間でも意見が分かれる話題だ。否定的な影響を強く懸念する者もいれば(例えばゲイリー・ニューマンは最近、「AIは人類の終焉をもたらすだろう」と発言している)、創造性を高めるための有用なツールとして受け入れようとする者もいる。
例えば、ABBAのビヨルン・ウルヴァースだ。Times Radioの新たなインタビューで彼は、AIを「これまで存在しなかった素晴らしいツール」と語り、AIに抵抗するアーティストたちを「愚か」で「ラッダイト的(技術進歩に反対する者)」と表現した。
多くの音楽家、そしてさまざまな業界の人々が、AIが特定の分野で人間に取って代わる可能性を恐れている。しかしビヨルンは、そのような恐れは根拠がないと語る。
「AIは、作詞作曲のパートナーの代わりにはまったくなりません」と彼は言う。「あくまでツールです。しかし、これはこれまでになかった素晴らしいツールで、音楽の世界のあらゆるものを参照できるし、音の壁打ち相手として使えるし、新しいことを試すこともできるんです」。
彼はさらに続ける。「たとえば、自分が8小節ほど書いたとしましょう。それを録音して歌詞をつけて、AIに『このままこのジャンルに進んだらどうなる?』と尋ねてみるんです。大抵はくだらないものが返ってきますが、たまに新しい方向性を指し示してくれることもあります」。
「AIとはいつでもつながれる。夜中にふと目が覚めたときでも、新しいことを試せるんです。ひらめいたとき、いつでもAIパートナーと試すことができるんですよ」。
インタビュアーのジェーン・マルカリンズが、エルトン・ジョンをはじめとするAIに反対する音楽家の名前を挙げると、ビヨルン・ウルヴァースはこう付け加えた。「もしAIを阻止しようとしているなら、それは愚かです。ラッダイト的です」。
「それを止めようとすること自体が無意味です。止められないのですから」と彼は結論づけた。
1970年代初頭に結成され、2022年に公式に活動を終えたABBAだが、新技術を受け入れることには昔から積極的だった。スウェーデンのバンドABBAは、ホログラムを用いた大規模なバーチャル・コンサート「Voyage」で、その先駆けとなった。
音楽業界におけるAIの大きな懸念点のひとつは、適正なライセンス、クレジット(帰属)、そして報酬の問題だ。
最近では、AI音楽生成プラットフォームの最大手である「Suno」と「Udio」が、主に「権利を最も侵害されている独立系アーティストたち」の代理として訴訟を起こされている。
この訴訟は、カントリー音楽家トニー・ジャスティスと彼のレーベル「5th Wheel Records」が原告となって起こしたもので、「独立系アーティストたちは、一度違法にコピーされた知的財産を取り戻すことができないだろう」と主張し、これらのAIプラットフォームが「既存の収益モデル、特にライセンス市場を根底から脅かしている」と訴えている。アメリカ著作権局もこのような収益モデルを正当で保護されるべきものであると認めている。
https://musictech.com/news/music/bjorn-ulvaeus-says-ai-is-unstoppable/