ブロードウェイ・リバイバル版『チェス(Chess)』が、10月15日にインペリアル劇場(Imperial Theatre)でプレビュー公演を開始しました。それを記念して、いくつかのニュースが発表されました。
まず、この作品は当初2026年3月15日までの上演が予定されていましたが、5月3日まで延長されることが決定しました。
さらに、デジタル抽選(ロッタリー)と当日ラッシュチケット制度の詳細も発表されました。
*ニコラス・クリストファーとアーロン・トヴェイト(撮影:ジェニー・アンダーソン)
🎟️ チケット情報
デジタル・ロッタリー(抽選)の応募は、各公演の前日午前0時(東部時間)からRush.Telecharge.comで受け付けが始まり、同日午後15時で締め切られます。
当選者の発表は午前10時と午後15時に行なわれ、1人につき最大2枚まで49ドルで購入可能です。
また、当日ラッシュチケット(直接販売)は、各公演当日の午前10時(日曜は正午)からインペリアル劇場のチケット売り場で販売されます。こちらも1人2枚まで、1枚49ドルで購入できます。
♟️ キャスト
今回のブロードウェイ版では、
- ニコラス・クリストファー(Nicholas Christopher)がアナトリー・セルギエフスキー役、
- トニー賞受賞者アーロン・トヴェイト(Aaron Tveit)がフレディ・トランパー役、
- リア・ミシェル(Lea Michele)がフローレンス・ヴァッセイ役、
- ハンナ・クルーズ(Hannah Cruz)(『Suffs』)がスヴェトラーナ役、
- ブラッドリー・ディーン(Bradley Dean)(『オペラ座の怪人』)がモロコフ役、
- ショーン・アラン・クリル(Sean Allan Krill)(『ジャギッド・リトル・ピル』)がウォルター役、
- ブライス・ピンカム(Bryce Pinkham)(『ホリデイ・イン』)がアービター役
を演じます。
アンサンブルには、カイラ・ルイーズ・バルトロメウス、ダニエル・ビーマン、シェイヴィ・ブラウン、エマ・デガーステット、ケイシー・ガーヴィン、アダム・ハルピン、サラ・ミシェル・リンジー、マイケル・ミルカニン、アレクサンドル・イヴァン・ペヴェク、アリア・ジェームズ、シドニー・ジョーンズ、ショーン・マクラフリン、サラ・ミール、ラモーン・ネルソン、フレドリック・ロドリゲス・オッドガード、マイケル・オラリビグベ、カテリーナ・パパコスタス、サマンサ・ポリーノ、レジーヌ・ソフィア、ケイティ・ウェバーが参加しています。
キャスティングはジム・カーナハンとジェイソン・シンガーによるものです。
🎼 音楽・制作チーム
音楽はABBAのベニー・アンダーソンとビヨルン・ウルヴァース、
歌詞はティム・ライス(Tim Rice)によるものです。
今回のリバイバルでは、エミー賞受賞者ダニー・ストロング(Danny Strong/『ハンガー・ゲーム:モッキンジェイ Part 1 & 2』)が新たな脚本を執筆。
演出はマイケル・メイヤー(Michael Mayer/『スプリング・アウェイクニング』)、
振付はロリン・ラタロ(Lorin Latarro/『ウェイトレス』)が担当します。
音楽監督はブライアン・ユシファー(Brian Usifer)。
美術デザイン:デヴィッド・ロックウェル(David Rockwell)
衣装デザイン:トム・ブロッカー(Tom Broecker)
照明デザイン:ケヴィン・アダムズ(Kevin Adams)
音響デザイン:ジョン・シヴァース(John Shivers)
映像デザイン:ピーター・ニグリーニ(Peter Nigrini)
アソシエイト・ディレクター:ジョアンナ・マッキーン(Johanna McKeon)
アソシエイト・コレオグラファー:トラヴィス・ウォルドシュミット(Travis Waldschmidt)
🕊 作品のあらすじ
『CHESS』はティム・ライスの発案による物語で、もともとはリチャード・ネルソン(Richard Nelson)が脚本を担当しました。
物語は、冷戦時代を背景に、アメリカとソ連のCHESS王者が盤上で、そして一人の女性をめぐっても対立するというドラマです。
🎧 『CHESS』の歴史
このミュージカルは、1970年代末から1980年代初頭にかけてティム・ライスが構想を温めていた企画で、もともとはアンドリュー・ロイド・ウェバーとともに「キューバ危機」を題材にした作品を考えていましたが、実現には至りませんでした。
1980年代初期、ライスはABBAのベニーとビヨルンに声をかけ、二人はポップ音楽以外の創作活動を模索していたこともあり、共同制作が始まりました。
1984年にリリースされた**コンセプト・アルバム『Chess』は世界中のチャートを席巻し、米国ビルボード・ホット100では第3位を記録。批評家からも高く評価されました。
エレイン・ペイジとバーバラ・ディクソンによるデュエット曲「I Know Him So Well(愛の駆け引き)」は英国シングルチャートで1か月間首位を維持し、マレー・ヘッドの「One Night in Bangkok」も国際的な大ヒットとなりました。
🎭 舞台版の歩み
アルバムの成功を受け、舞台版への期待も高まりましたが、1986年のロンドン初演は賛否両論でした。
エレイン・ペイジ、トミー・ケルベリ、マレー・ヘッドらアルバム版の主要歌手が舞台にも出演し、バーバラ・ディクソンの代役をシボーン・マッカーシーが務めました。
当初は『コーラスライン』の演出家マイケル・ベネット(Michael Bennett)が演出予定でしたが、健康悪化により降板。代わって『キャッツ』のトレヴァー・ナン(Trevor Nunn)が指揮を執りました。
ベネットは当初、観客を取り囲むようにテレビモニターを配置した“マルチメディア舞台”を構想しており、ステージを巨大なチェス盤に見立てるという斬新な演出を考えていました。
ロンドン版は音楽と舞台美術こそ称賛されましたが、脚本が「弱点」とされ、上演時間は3時間15分にも及びました。
🇺🇸 ブロードウェイ初演とその後
続くブロードウェイ版(デヴィッド・キャロル、ジュディ・クーン、フィリップ・カスノフ、マーシャ・ミッツマン出演)はさらに厳しい評価を受けました。
音楽と出演者の実力は称賛されたものの、批評家たちはストーリー構成を酷評。公演は17回のプレビューと68回の本公演で閉幕しました。
それでも、『CHESS』はその後もアルバムや各国のキャスト録音を通じて熱心なファンを獲得し、ツアー公演やロンドン再演が続きました。
2008年にはジョシュ・グローバン、イディナ・メンゼル、アダム・パスカル、ケリー・エリスによるロンドン・コンサート版が収録され、アルバムと映像作品としてリリースされました。
🧩 今回のプロデューサー陣
本作のプロデュースはトム・ハルス(Tom Hulce)、ロバート・エアレンス(Robert Ahrens)、およびシューバート・オーガニゼーション(The Shubert Organization)が担当。
Creative Partners Productionsが共同制作し、Three KnightsおよびRobert Fox Ltd.との提携によって上演されます。
*アーロン・トヴェイトと『CHESS』の出演者たち(撮影:ジェニー・アンダーソン)
*リア・ミシェルとニコラス・クリストファー(撮影:ジェニー・アンダーソン)
*ニコラス・クリストファーとアーロン・トヴェイト(撮影:ジェニー・アンダーソン)
*リア・ミシェルとアーロン・トヴェイト(撮影:ジェニー・アンダーソン)
*ニコラス・クリストファーとハンナ・クルーズ(撮影:ジェニー・アンダーソン)
*ブライス・ピンカムと『CHESS』の出演者たち(撮影:ジェニー・アンダーソン)
*リア・ミシェル(撮影:ジェニー・アンダーソン)
*ニコラス・クリストファーとブラッドリー・ディーン(撮影:ジェニー・アンダーソン)
*アーロン・トヴェイト(撮影:ジェニー・アンダーソン)
*リア・ミシェルとハンナ・クルーズ(撮影:ジェニー・アンダーソン)
*ショーン・アラン・クリル(撮影:ジェニー・アンダーソン)