1970年代、ディスコがどれだけ批判されたとしても、その輝かしい「黄金時代」は抑えきれない表現を促進し、歴史家の中には、それが多くの社会的に疎外された人々の解放につながったと語る者もいる。
『Mania ABBA Tribute(マニアABBAトリビュート)』は、ディスコの社会・政治的側面には踏み込まないものの、観客にプラットフォームシューズやポリエステルのスーツ、金ラメのジャンプスーツ、派手なベルボトムやスパンコールのドレスを引っ張り出して身に着け、思いっきり楽しむよう呼びかけている。それは土曜日、ウィーラー・オペラハウス(※)でのこと。
『Mania ABBA Tribute』は2000年に舞台デビューして以来、世界中の会場で完売を記録し、ロンドンのウエストエンドでも2回にわたって公演を成功させた。昨シーズンは、アメリカ国内で100公演にも及ぶソールドアウトの全国ツアーを実施し、スウェーデンのスーパーポップグループABBAの音楽をステージに蘇らせた。現在、世界No.1のABBAトリビュートツアーグループとして、35か国以上でパフォーマンスを行なっている。
*マニアABBAトリビュートが今週土曜日、ウィーラー・オペラハウスにディスコを届ける。写真提供:ニコライ・プク(Nikolai Puc Photography)。
このトリビュートバンドは、ABBAの代表曲およそ20曲を、衣装や(フェイクだがしっかり練習された)スウェーデン訛り付きで披露している。
「みんなが大好きな曲をしっかり選んでいます」と語るのは、シンガーのアリソン・ワード。
「基本的に、これはもう2時間半の大きな喜びの嵐です。ちょっとチーズっぽいけど、それがみんなのツボなんですよ。本物じゃなくても、観客は私たちが本物だと思ってくれるみたいで、タイムスリップしたかのように叫んでくれる。ABBAの音楽って、本当に“気分が上がる”音楽なんです」。
彼女が「チーズっぽい」と冗談交じりに言っても、演奏のレベルが低いというわけではない。出演者の多くはブロードウェイやツアーでの経験が豊富で、アリソン自身も15年間このグループに在籍している。
彼女が最も好きな瞬間は、ショーで最大の曲だと呼ぶ「ザ・ウィナー」を歌う場面だという。
「とても芸術的な曲なんです」と語り、それを歌うのは挑戦でもあると付け加えた。
*マニアABBAトリビュートが観客をディスコ時代へと連れ戻す。写真提供。
「この曲たちは、私自身の人生の物語と重なってきて、より深く響くようになりました。『ザ・ウィナー』は何年も歌ってきたけれど、その間に私は離婚も経験し、愛も経験して、曲の意味がずっと重くなったんです。いろんな感情の瞬間があって、ショーと一緒に成長してきました。すべてが大好きです。ABBAのヒット曲たちは、今では私にとって本当に大切なものになりました。だからこそ、今の私のパフォーマンスはずっと良くなっていると思います。これらの曲が本当に特別なものになったんです」。
バンドの成功の多くは、ABBAのオリジナル曲の力によるものだと彼女は語る。
「曲の内容がちょっと悲しいときでも、ポップなアレンジでアップビートに仕上がってる。とにかく、ステージ上も観客席も含めて、すべてが楽しいんです。リズムも全部、体が自然に動きたくなる。何か、ABBAの曲には人の心に“ピタッ”とはまる何かがあるんですよね」。
バンドの演奏は、原曲にかなり忠実に再現しているが、ABBAがやらなかった演出も一部取り入れている。たとえばダンスや衣装チェンジなどだ。
「本物を見ているような感覚を味わってもらえるように、できるだけ本物らしさを大事にしています」と彼女は語る。
「私たちは衣装と音楽、そしてものすごいエネルギーを持ってステージに立つ。それだけで観客は素晴らしい時間を過ごせるんです。毎晩、200%の力でやりきること、それが私たちのモットーです」。
このショーは、年齢や性別を問わずすべての人たちに“内なるダンシング・クイーン”を呼び覚まさせ、マニアABBAトリビュートに「チャンスをかけてみよう」と思わせる。
「ABBAファンじゃなくても大丈夫。でも、曲を知ってる方が楽しめるのは確か。とはいえ、たとえ誰かがABBAの曲を知らなかったとしても(それはそれで“どこで生きてきたの?”って感じだけど)、とにかく楽しいんです。みんな踊ってるし。
それに、仮装して来てくれる人がいると、私たちのテンションも最高潮! ほんとに、ただの大きなパーティーなんですよ」。
※ウィーラー・オペラハウスは、アメリカ・コロラド州アスペンに位置する歴史的なオペラハウスであり、最新技術を備えたパフォーミングアーツセンターでもあります。そのため、アスペンを訪れる際にはぜひ体験したい名所の一つとなっています。
Mania ABBA Tribute transports audiences back to the disco age