『マンマ・ミーア!』
演出:ジャニス・ハニーマン
出演:アムラ=フェイ・ライト、サマンサ・ペオ、リンディ・アブロモウィッツ、ポール・デュ・トワ、ティアン・ラウテンバッハ、マット・ニューマン、リア・マリ、ジョック・クラインハンスほか
振付:デュアン・アレクサンダー
舞台・照明デザイン:デニス・ハッチンソン
衣装:ビリー・ルルー
音楽監督:ダニエル・ゲッデスほか
会場:アーツケープ・シアター
評:カレン・ラター
幕がまだ上がってもいないのに、観客が流れている音楽に合わせて鼻歌を歌い始めたら、その公演が熱気あふれる素晴らしいものになることは分かる。そして幕が上がると、舞台装置に対して盛大な拍手が送られた。
今なお絶大な人気を誇るミュージカル『マンマ・ミーア!』に、観客が寄せる愛情を目の当たりにするのは、実にすてきなことだ。公式初日を見逃してしまった私は、火曜日の夜、満員の観客で埋め尽くされたアーツケープで観劇したが、純粋に楽しい時間だった。
ジャニス・ハニーマンが見事な手腕で演出し、振付や衣装をはじめとする強力な舞台裏のチームが支える今回の『マンマ・ミーア!』には、一流の主要キャストとアンサンブルがそろっている。
メリル・ストリープ主演の映画版を含め、国際的に輝かしい実績を持つ作品だけに、求められる水準は当然高い。しかし、このチームは見事にその期待に応えていると言ってよいだろう。少なくとも観客は、間違いなくそう感じていたようだ!
リア・マリが「夢がある」と物思いにふけるように歌う冒頭の曲から、大騒ぎと大きな希望に満ちた物語の舞台が整えられる。
この作品を知らない人のために、ABBAの名曲の数々によって進んでいくミュージカルの物語を説明すると、次のようになる。
20歳のソフィは、母親のドナがタヴェルナを経営するギリシャの島で、間もなく結婚式を迎えようとしている。ソフィは父親と一緒にバージンロードを歩くことを心から望んでいるが、自分の父親が誰なのかを知らない。
父親の可能性があるのは、ドナのかつての恋人であるサム、ビル、ハリーの3人。ソフィは、誰が自分の父親なのかを突き止めるため、母親に内緒で3人を島へ招待する。そして……物語が始まる。
華やかで明るく、最高に前向きなミュージカル
リア・マリは、若者らしい憧れとあふれるような情熱を、実にほどよいバランスで表現している。一方、父親候補を演じるポール・デュ・トワ、ティアン・ラウテンバッハ、マット・ニューマンも、それぞれが個性あふれる鮮やかな演技を披露する。
しかし、とりわけ強烈な印象を残すのは、かつて同じバンドで活動していた3人の女性たちだ。アムラ=フェイ・ライト、サマンサ・ペオ、リンディ・アブロモウィッツは、登場するたびに舞台をさらっていく。中でもライトは、ソフィの母親ドナという中心的な役柄で、ひときわ鮮烈な存在感を放っている。
アンサンブルは公演を通して高い熱量を保ち続ける。そして曲が次々と披露されるたびに、ABBAがいかに数多くの名曲を生み出してきたかを、改めて実感させられる。
『マンマ・ミーア!』には、特に複雑なところはない。そして、それこそがこの作品の魅力の一つだ。
華やかで、明るく、最高に前向きなミュージカルであり、何世代もの人々が歌詞を暗記しているほど親しまれてきた楽曲が、ふんだんに詰め込まれている。今回の舞台は、そうした作品の魅力を余すところなく、熱意いっぱいに表現している。
最後の音が鳴り響く頃には、誰もが笑顔で劇場を後にせずにはいられないだろう。そしておそらく、ABBAの曲が一曲、頭の中から離れなくなっているはずだ。
公演情報
作品:『マンマ・ミーア!』
会場・公演期間:
- アーツケープ|ケープタウン:2026年9月3日~10月9日
- テアトロ・モンテカジノ|ヨハネスブルグ:2026年10月16日~11月20日
※アーツケープ|ケープタウンとは?

「アーツケープ|ケープタウン」は、「アーツケープ」という劇場がケープタウンにある、という意味です。正式名称はアーツケープ・シアター・センター(Artscape Theatre Centre)。南アフリカを代表する大規模な舞台芸術施設で、ケープタウン中心部のフォアショア地区にあります。
どのような施設?
1971年に「ニコ・マラン・シアター・センター」として開館し、2001年に現在の名称へ変更されました。オペラ、バレエ、ミュージカル、演劇、コンサート、ダンスなど、幅広い公演を行う複合文化施設です。
館内には主に次の公演空間があります。
| 会場 | 規模・用途 |
|---|---|
| オペラハウス | 約1,487席。大型ミュージカル、オペラ、バレエなど |
| アーツケープ・シアター | 約540席。演劇や中規模公演など |
| アリーナ | 約140席。小規模で実験的な作品など |
ケープタウン・オペラやケープタウン・フィルハーモニー管弦楽団とも関係が深く、ケープタウンにおける舞台芸術の中心的な拠点です。アーツケープ公式サイト、ケープタウン市の施設情報
館内の様子

大劇場には赤い座席と複数階のバルコニーがあり、大型作品を上演できる広い舞台設備が整っています。1970年代のモダニズム建築らしい堂々とした外観も特徴です。
『マンマ・ミーア!』との関係
今回の記事で紹介された『マンマ・ミーア!』のケープタウン公演は、このアーツケープで2026年9月3日から10月9日まで上演されるものです。記事の表記「Artscape|Cape Town」は、会場名|開催都市を示しています。
所在地は、D.F.マラン・ストリート、フォアショア、ケープタウン8001、南アフリカです。アーツケープ公式サイト
※テアトロ・モンテカジノ|ヨハネスブルグとは?

「テアトロ・モンテカジノ(The Teatro at Montecasino)」は、南アフリカ・ヨハネスブルグ北部のフォーウェイズ地区にある大型劇場です。ホテル、レストラン、映画館、カジノ、商業施設などを備えた複合娯楽施設「モンテカジノ」の一角にあります。モンテカジノ公式サイト
劇場の特徴
2007年5月に開館した、南アフリカ最大級の劇場です。客席数は最大約1,870席ですが、どの席も舞台から33メートル以内に配置されています。大規模なミュージカルを上演するために音響設計され、客席数の多さと舞台との近さを両立させているのが特徴です。ヨハネスブルグ市の劇場案内、チケットマスター南アフリカ

館内には赤を基調とした客席と複数階のバルコニーがあり、ミュージカル、コンサート、ダンス公演などの大型作品に対応しています。開館時の演目は、ディズニー・ミュージカル『ライオン・キング』でした。
モンテカジノとは?
モンテカジノは、イタリア・トスカーナ地方の街並みをイメージして造られた大型娯楽施設です。劇場だけでなく、30軒以上のレストランやバー、ホテル、映画館、ショッピング施設、バードガーデンなどもあり、観劇の前後に食事や買い物を楽しめます。モンテカジノ施設案内
『マンマ・ミーア!』との関係
2026年の『マンマ・ミーア!』ヨハネスブルグ公演は、このテアトロ・モンテカジノで開催されます。現在の公式案内では、公演期間は2026年10月16日から11月22日まで、料金は250~580ランドとなっています。『マンマ・ミーア!』公式公演ページ
所在地は、モンテカジノ・ブールバード、フォーウェイズ、ヨハネスブルグ2055、南アフリカです。


