【連載240】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?

『熊本地震、新耐震基準でも崩壊!00年ミレニアムを挟んで倒壊の危険性大!』

12月8日木曜日昼

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

*下記熊本情報はあらゆる箇所で重複しています。ご了承ください!

皆様こんにちは。2度の震度7に見舞われた熊本地震では、建物の耐震性が問われました。調査が進み、壊れた建物の分布や特徴が見えてきました。国の委員会は今の耐震基準は「倒壊の防止に有効だった」と結論づけましたが、被害は完全には防ぎきれていません。施工上の注意点や地盤の影響など課題も浮かび上がってきました。

◆接合部強化以前の建物、被害大

熊本地震では1981年に改定された新耐震基準で建てられた木造家屋の倒壊が注目されました。国土技術政策総合研究所などの調査では100棟以上に上りました。

原因調査で浮かび上がったのが、柱や筋交い、土台などをつなぐ部分でした。倒壊した建物は、筋交いを釘だけで固定していたり、柱と土台を金属板と釘で簡単につないでいたりしていました。

阪神大震災を受け、2000年に接合部の金物の太さや長さが基準に追加されました。基礎や土台と柱を太いボルトでつなぐ「ホールダウン金物」などで耐震性が高められました。

倒壊した新耐震基準の家屋で仕様が確認できた89棟は、00年以前に建てられ、接合部について強化した基準をいずれも満たしていませんでした。一方、00年以降の家屋は、被害が集中した熊本県益城町中心部には約300棟ありましたが、倒壊は7棟にとどりました。

このうち4棟は、施工の不具合や地盤の状態の影響とみられています。残り3棟の施工は適切で、原因ははっきりしていません。局所的に強い揺れが生じた可能性などが考えられるとのことです。調査を取りまとめた同研究所の成田潤也室長は「現行基準を満たしていれば、基本的に倒壊を免れることが改めて明確になった」と話しています。

調査結果を受け、国土交通省は10月、新耐震基準を見直さないことを決めました。一方で、00年以前の木造家屋について、リフォームなどの機会に接合部を確認するよう勧めることにしました。国交省の担当者は「具体的な確認方法を今年度内にまとめ、自治体に周知したい」と話しています。

◆定説と異なる揺れ、課題

益城町中心部でも場所によって被害に違いが出ました。日本建築学会の全数調査では、町役場南の県道付近で被害が大きく、南の川沿いの低地は比較的被害が少なかったのです。

通常は川沿いの方が地盤が弱く、被害を受けやすいと言われています。建築研究所の林田拓己主任研究員らが地盤の揺れ方を調べたところ、川沿いは木造家屋が影響を受けやすい周期1秒の揺れ、県道付近は影響の少ない0.5秒以下の揺れが強まる特徴がありました。

なぜ実際の被害は違うのでしょうか?複数の研究者が提唱する一つの説が、地盤の「非線形特性」の影響です。

強い地震では、地下の岩盤から地表近くの地層へ伝わる中で複雑に変化し、普段の観測とは異なる周期が強まることがあるそうです。林田さんは「非線形特性で周期が長い方にずれた可能性がある」と話しています。

地震波の分析からは、別の課題も浮かびました。

活断層近くでは、大きな長周期地震動が観測されました。東京大の古村孝志教授によりまると、これは断層で地表付近がずれる動きそのものを表しているそうです。これまでは、震源から遠くに届いて平野で増幅される長周期地震動が高層ビルなどを揺らすことが注目されてきました。地表に断層のずれが現れるような場所の近くも注意が必要ようです。

断層から離れれば小さくなるものの、2003年の十勝沖地震(マグニチュード8.0)で記録した大きさの2倍以上でした。免震の建物が建つ地面が大きく動けば、建物が想定以上に横にずれ、周りを囲む壁にぶつかるなどの影響が懸念されるとのことです。

1.被災地情報

①凍結で救急車が走れない…大分、宮崎へ搬送も

山間部での道路凍結が懸念される厳冬期を控えて、熊本県阿蘇郡市医師会(平田智美会長)は、熊本市方面へ通行できない場合に備え、大分と宮崎両県の計9病院に救急搬送を受け入れてもらう連携体制を整えました。夜間などヘリコプター搬送もできないような最悪のケースに備えます。

熊本地震で国道57号の通行止めが続き、迂回路となっている県道北外輪山大津線(通称ミルクロード)などが道路凍結の可能性があるためです。阿蘇地方は、天気が良い昼間はドクターヘリなどでの搬送もできますが、夜や荒天時は空路が使えません。大事故による通行止めなどの要因も考慮し、阿蘇郡市医師会が、大分と宮崎の地元医師会を通じて依頼しました。

阿蘇郡市医師会や阿蘇広域消防本部によりますと、大分側の受け入れは竹田医師会病院(竹田市)で、必要に応じ大分大病院(由布市)など6病院に転送。宮崎側は、高千穂町国民健康保険病院と宮崎県立延岡病院(延岡市)。

竹田医師会病院の石井一誠院長は「大分側の最前線として熊本の関係機関と連携し、1秒でも早く医療に取り掛かりたい」としています。

阿蘇広域消防本部によりますと、昨冬の熊本市などへの管外救急搬送は月100件弱。阿蘇郡市医師会は、冬場の県外搬送を数回程度と予想しています。平田会長は「協力してもらい、ありがたい限り。命を守るため、万全を期したい」と話しています。

災害医療に詳しい熊本大減災型社会システム実践研究教育センターの古本尚樹・特任准教授(医学博士)は「道路などインフラが不十分な状態では、凍結や積雪との複合災害につながる。近年は四国や九州でもゲリラ豪雪が起きている。県外や多職種のネットワークで、突発的な事態に備える必要がある」と指摘しています。

②被災地つなぐ焼酎「輝」!福島産米が原料、熊本で仕込み

東日本大震災と原発事故の影響に苦しむ福島県の米農家を支えようと、2014年春に熊本で生まれた米焼酎があります。福島県産の無農薬米と熊本の天然温泉水で造った“支援焼酎”は熊本地震後、熊本と福島の被災地をつなぎ、支援の輪を広げています。

「放射性物質が基準をはるかに下回っていても、『消費者が納得してくれない』と言われて次々と取引を止められた。こだわって作っても、福島産というだけで駄目なんです」。

福島県喜多方市で有機栽培米を作る渡部農園の渡部よしのさん(60)は今も続く苦境を明かします。夫仁貴(じんき)さん(63)と8.5ヘクタールの水田で30トン以上を収穫していましたが、震災後は大量の在庫を毎年抱え、作付け減や転作に追い込まれました。

「それだけに遠い熊本から支援の申し出があった時は、うれしかった」とよしのさん。

発端は20121月、熊本市中央区でラーメン店を営む吉村恭輔さん(40)が、新聞記事で福島県の農家の苦境を知ったことでした。吉村さんは渡部農園の米を取り寄せ、店のイベントに使うなどしたが、消費できる量には限りがありました。

「熊本でなじみのある米焼酎にしよう」。吉村さんは検査済みの米1トンを購入し、人吉市の大和一酒造元に協力を求めました。地元の天然温泉水を使い、柔らかく、すっきりとした味わいの米焼酎2500本(720ミリリットル)が出来上がりました。福島が輝きを取り戻せるように「輝(かがやき)」と名づけました。

多くの消費者に届けるため、災害復興支援ボランティアなどを30年年以上続けている「夢サークル」の吉水恵介さん(60)=福岡市=の力も借りました。1口2千円の寄付で1本を贈る方法で、2千本をさばきました。

しかし、熊本地震で事態は一変しました。中央区にある吉村さんの自宅も一部被災。在庫500本のうち100本が破損しました。途方に暮れていた時に、連絡をくれたのが渡部さん夫妻でした。今も厳しい現状が続く2人ですが、「多くの支援を頂いた熊本の被害を知り、心を痛めた。何かできることはないかと思って」。吉村さんの被災生活を気遣い、支援物資を届けました。

一方、吉水さんも毎週末、益城町でボランティア活動を続けています。たまたま入った地元の飲食店「串焼き・松竹」で、支援焼酎を話題にすると、店主の松野雄策さん(57)が即座に14本購入。「少しでも福島の力になれれば」と常連客が次々とボトルキープを入れ始め、被害の大きかった町で新たな支援の輪が広がっています。

貧しい母子家庭で育ったという吉水さんは、支え合う大切さをかみしめます。「僕自身、いろんな支援を受けながら生きてきた。一つ一つの支援は小さくても、つながれば何かが動きだす。福島と熊本の支援につながる『輝』を多くの人に味わってほしい」。

集まった寄付金は経費を除き被災地支援に役立てます。吉水さんTEL090(8917)3362。

③熊本城天守修復で契約!熊本市長、エレベーターに意欲

熊本市は昨日7日、熊本地震で被害を受けた熊本城天守閣の復旧整備事業で、建物の構造を支える軀体(くたい)部分などの修復工事について、ゼネコン大手の大林組九州支店(福岡市)と設計業務委託契約を結びました。

同社は大天守への車いす用エレベーター設置などを提案しています。大西一史市長は同日の市議会一般質問で「障害者や高齢者が観覧できる環境が整う」として、エレベーターやスロープの設置に意欲を示しました。

契約では2017年度末までに、大天守(鉄骨鉄筋コンクリート6階建て)と小天守(同4階建て)の基礎や柱などの軀体や外壁の復旧、耐震化を設計します。契約額は1億3543万円。今回の契約対象にエレベーターや内装、石垣の設計は含まれておらず、市は復旧方針が決まり次第、新たな契約を結びます。

同社は11月、公募型プロポーザル方式で復旧工事の優先交渉権を獲得。技術提案書によりますと、大天守は19年、小天守は21年の復旧を計画。エレベーターやスロープを整備してバリアフリー化するほか、最新技術を使った耐震補強、博物館としての機能向上などを盛り込んでいます。

エレベーター設置を含めた天守閣の工事内容は、市が定める復旧基本方針に沿って決めます。市は本日8日にある有識者懇談会などの議論を踏まえ、年内に方針を正式決定します。

④救済制度を指南!県内被災企業向けに肥後銀行が手引書

熊本地震で被災した熊本県内の企業や個人事業主に役立ててもらおうと、肥後銀行は、税制措置や補助金など救済制度の情報をまとめた手引書「熊本地震の税務-法人編-」を刊行しました。

税制や労務上の対応措置、特別融資、補助金などの公的制度について、25項目のQ&A形式で要件や手続きを解説しました。国税の申告・期限の延長や納税猶予、グループ補助金、雇用調整助成金など、被災企業の救済や復旧・復興支援の制度を幅広く網羅しています。

県内企業への相談態勢を強化するため10月に熊本市に事業所を開設した経営コンサルティング大手の山田ビジネスコンサルティング(東京)のグループが、編著を担当しました。

同行の各店に置き、希望者に無料で配布しています。A5判、57ページ。5千部を発行しましたが、状況次第で増刷を検討するそうです。

⑤希望の赤、被災地に実る!イチゴ収穫、嘉島で本格化

クリスマスを前に、熊本県内でイチゴの収穫が本格化。熊本地震の被災地でも真っ赤に色づき、甘い香りを漂わせています。

自宅が半壊し、水田の一部も地割れの被害が出た嘉島町北甘木の勝本範一さん(50)は、無事だったビニールハウス計36アールで「さがほのか」「ひのしずく」「ゆうべに」の3品種を栽培。11月下旬から収穫し始め、年末年始をピークに5月まで、主に関西方面に出荷します。

勝本さんは「地震後に実った真っ赤なイチゴに希望を感じて、気分が明るくなりました」と話していました。

⑥長洲町とDHC連携協定!健康増進、産業活性化へ

長洲町は昨日7日、化粧品会社ディーエイチシー(DHC、東京)と町民の健康増進や地域産業の活性化に向けた包括連携協定を締結しました。DHCと自治体との協定は6例目で、県内では初めて。

長洲町は2017年度から、健康診断の受診や運動記録などでポイントを付与する「健康マイレージ」制度の導入を計画。DHCは既に、連携自治体と情報通信技術(ICT)を活用し、医療スタッフによる健康相談を含めた同制度の構築を進めており、同町にもノウハウを提供します。

そのほか、同社の化粧品や健康・機能性食品の通信販売の会員約1300万人に同町の特産品などの情報を発信します。自社製のサプリメントなどの原料に、ミニトマトや養殖ノリなど同町特産品の活用も検討します。

同日の調印式で、DHCの大槻揚子取締役本部長は「製品の研究開発やサービスの経験を生かして、町の活性化に貢献したい」、中逸博光町長は「地域の農水産物の6次化やブランド化にもつなげたい」と抱負を語っていました。

同社の2016年7月期の売上高は1045億円。

⑦高機能ビニールハウス販売へ!果実堂(益城町)

有機ベビーリーフ生産で国内トップの果実堂(益城町)は、自社開発した低コストの高機能ビニールハウスの販売を年内に始めます。暴風雨をしのぐ耐候性があり、水やりや換気は自動化できます。2017年度に30棟以上を受注し1億2千万円を売り上げる計画です。

同ハウスはかまぼこ形の単棟タイプ。建築士の高瀬貴文取締役(40)が従来型ハウスの構造を見直して設計しました。金属パイプの直径を32ミリと1.6倍にし、筋交いも設置。風速50メートルに耐える強度があるそうです。

間口は6.2メートルで、奥行きは自由に設定できます。高さは3.4メートルと余裕があり、トラクターを乗り入れることも可能。センサーで温度や雨を感知し、天井の一部が自動で開閉して換気する機能も持たせました。

安価な既存部材を組み合わせ、10アール当たりの整備費は700万円程度と価格を抑えました。日本施設園芸協会によりますと、一般的に耐候性ハウスは鉄骨造りの連棟タイプが多く、整備費は10アール当たり1300万円程度だそうです。

果実堂はベビーリーフの通年栽培に同ハウスを約100棟導入。従来型ハウスに比べて気温や土壌水分量などが管理しやすく、面積当たりの収穫量は2倍に増えたそうです。提携先の食品大手、カゴメにも53棟を納入しました。

果実堂は11月1日でハウス関連事業を展開するため、子会社「果実堂テクノロジー」を設立。同社社長を兼務する高瀬取締役は「新型ハウスは葉物だけでなく、トマトやナスの栽培にも向く。農業の生産性向上に役立ちたい」と話しています。

⑧新酒できました!山村酒造の軒先に杉玉、高森町

創業250年の高森町の山村酒造は昨日7日、日本酒「れいざん」の新酒の出来上がりを知らせる新しい杉玉を軒先につるしました。街を行き交う人々に冬の訪れも告げています。

同社は、4月の熊本地震でシンボルのれんが造りの煙突が被災。一時は客足や売り上げが減りましたが、その後は全国から応援の注文が相次いでいるそうです。

今年も阿蘇の水と米を使ったすっきりとした新酒が完成。社員らが竹の骨組みに青々とした杉を差して丸く刈り上げた直径約1メートルの杉玉を、白壁の軒先に飾りました。

杜氏(とうじ)の山村純平さん(36)は「夏の暑さを乗り越えたいい米で仕込んだ新酒は、優しい甘みが出せた」と笑顔。酒造りは来年4月まで続き、「しぼりたて生酒」「にごり酒」の2種類を販売します。

⑨1月28日に原発避難訓練!熊本地震の教訓も

県は昨日7日、九州電力川内原発で重大事故が起きた場合を想定した防災訓練を、来年1月28日に実施することを明らかにしました。周辺9市町と共催し、国などの関係機関も参加。多くの家屋が倒壊した熊本地震や、三反園訓知事が8月に実施した周辺地域の視察を踏まえ、避難所での屋内退避や高齢者らの避難支援も訓練する方向で調整しています。

国の原子力災害対策指針では、原発から5~30キロ圏の住民は、放射性物質を避けるために屋内退避が基本ですが、熊本地震では多くの家屋が倒壊しました。

昨日7日の県議会で、永野司・危機管理局長は「熊本地震を踏まえ、家屋倒壊を想定した近隣の避難所などでの屋内退避訓練を新たに実施したい」と答弁しました。

また、8月に知事が視察した際に山間部の高齢者らから不安の声が上がったことから、避難を手助けする訓練も計画。放射線防護対策施設(シェルター)に避難した住民が、自ら防護壁を動かす実習も盛り込む予定だそうです。

県は毎年、原子力防災訓練を実施していますが、昨年末の訓練ではテレビ会議システムが中断したり、避難用バスの手配で混乱したりしたため、見直した態勢の確認もします。

⑩高級干し柿作り最盛期!天草市・手野地区

天草市五和町手野地区で、住民が特産品化を図っている高級干し柿作りが最盛期を迎えています。糖度が50~75度にもなり、ようかんのような甘さが特徴で、今年は約2千個の出荷を目ざしています。

手野地区では1990年代、地元の民家で育った大ぶりの実がなる1本の渋柿に着目し、干し柿づくりが始まりました。住民グループ「手野風蔵(かぜぐら)」(松村一比孝〈かずひこ〉代表、約30人)が接ぎ木をして苗木を増やしていき、「芹生(せりう)柿」と名付け、約700本を栽培。3年前に販売にこぎ着けました。

生産者の一人、田中一志さん(68)は約150本を栽培します。5日は収穫した柿の皮をむき、干すための準備に追われていました。

松村代表によりますと、1個400グラム以上の生柿からつくる最高級品「芹生のべっぴんさん」(1個千円以上)はすでに完売。350~400グラムの「郷(さと)」(6個入り4千円)は少し在庫があるそうです。問い合わせは手野風蔵(0969・34・0047)へ。

⑪熊本地震の影響、九州発着長距離フェリー旅客が2年ぶり減少!2016年度上半期

国土交通省九州運輸局は、2016年上半期(4~9月)の長距離航路輸送実績を発表しました。

九州発着の長距離フェリーの輸送実績は、旅客が前年同期比1.5%減の82万4000人、車両が同4.3%増の58万4000台となりました。

4月の熊本地震の影響で旅客は2年ぶりに減少となりましたが、車両は震災復興関連の輸送需要の増加で2年連続で前年を上回りました。

車両の内訳は乗用車が同0.5%減の22万3067台、バスが同32.5%増の2873台、トラックが同7.2%増の35万8395台でした。

⑫下田温泉小唄、後世に!半世紀ぶり再現、継承へ機運

1羽のシラサギが傷ついた羽根を癒やしたとの伝承から白鷺(しらさぎ)温泉と呼ばれ、古くから湯治場として知られる天草市の下田温泉。風光明媚(めいび)なこの地から「下田温泉小唄」という民謡が、昭和の初めに誕生した。レコードにもなり当時は盛んに歌われましたが、急速に欧米化が進んだ高度経済成長期以降、歌は廃れました。そして世は平成、音源すら残っていなかった歌が復活。熊本地震と東日本大震災を経験した二つの被災地の懸け橋となり、歌い継ごうという機運が高まっています。

下田温泉小唄は「赤い靴」「シャボン玉」などで知られる野口雨情(1882~1945)が作詞。「君の名は」「栄冠は君に輝く」などを世に出した古関裕而(1909~89)が作曲しました。

野口は41年6月、天草に来島し、下田温泉の魅力や天草西海岸の風光を織り交ぜて書いた詩「下田温泉歌謡八章」を完成させました。昭和30年代、地元関係者が古関に作曲を依頼。ゆったりとした曲調の下田温泉小唄が生まれました。

小唄を復活させたのは、天草市のインターネット放送局・天草テレビ。下田地区出身で民謡歌手の横山光子さん(92)の協力で2012年、三味線と尺八、太鼓の演奏を入れ、約半世紀ぶりに再現。その様子を番組で配信しました。

野口は茨城県北茨城市、古関は福島市の生まれ。番組を収録したDVDは、現地の野口雨情生家・資料館や古関裕而記念館などに贈られました。

しかし、今度は熊本が大地震で被災地になりました。古関裕而記念館の栗原武弘館長(61)は「東日本大震災では原発事故もあり、大変な状況だったが少しずつ復興しつつある。小唄を聴きながらみんなで協力し合い、逆境に立ち向かってほしい」とエールを送っています。

⑬雪で立ち往生、車両撤去を訓練!熊本地震の迂回路、ミルクロードで国と県

熊本地震で崩落した阿蘇大橋(南阿蘇村)と国道57号の迂回路になっている県道の「ミルクロード」で昨日7日、冬季の積雪に備え、立ち往生した車を路上から撤去する訓練がありました。

国土交通省九州地方整備局と県が、立ち往生した車が路上に放置されたとの想定で実施。参加者は運転手が近くにいないことを確認すると、災害対策基本法に基づき緊急車両の通行ルート確保が必要と判断し、工事用車両で車をけん引したり押したりして、待避所の端まで移動させました。

ミルクロードはこれまで積雪が多いと通行止めにされてきましたが、地震後は生活道路となっています。このため九地整と県は、路面監視カメラの設置や融雪剤散布の準備など、雪が積もっても通行できるよう対策を急いでいます。

ただ、道路利用者の協力も不可欠で、九地整熊本河川国道事務所は「冬用タイヤの装着やチェーンの携行を心掛け、立ち往生した場合は事務所や警察に連絡してほしい」と呼び掛けています。

2.ここ一週間の地震

2016/12/08 09:11 08日 09:07頃 薩摩半島西方沖 1

2016/12/08 05:11 08日 05:08頃 福島県沖 1

2016/12/07 22:32 07日 22:29頃 宮城県沖 1

2016/12/07 19:18 07日 19:15頃 青森県三八上北地方 2

2016/12/07 19:18 07日 19:14頃 青森県三八上北地方 1

2016/12/07 18:58 07日 18:55頃 福島県沖 1

2016/12/07 10:32 07日 10:29頃 奄美大島近海 1

2016/12/07 08:21 07日 08:17頃 宮城県沖 2

2016/12/07 06:30 07日 06:27頃 熊本県熊本地方 1

2016/12/07 06:17 07日 06:12頃 福島県会津 2

2016/12/07 06:03 07日 05:58頃 トカラ列島近海 1

2016/12/07 06:00 07日 05:54頃 トカラ列島近海 1

2016/12/07 05:58 07日 05:53頃 トカラ列島近海 2

2016/12/07 05:52 07日 05:46頃 トカラ列島近海 2

2016/12/07 04:48 07日 04:45頃 熊本県熊本地方 1

2016/12/07 01:50 07日 01:46頃 熊本県熊本地方 3

2016/12/06 23:26 06日 23:22頃 奄美大島近海 2

2016/12/06 21:38 06日 21:35頃 岩手県沖 1

2016/12/06 20:41 06日 20:38頃 兵庫県南東部 2

2016/12/06 18:23 06日 18:18頃 トカラ列島近海 2

2016/12/06 17:05 06日 17:02頃 熊本県熊本地方 1

2016/12/06 16:46 06日 16:42頃 トカラ列島近海 1

2016/12/06 12:19 06日 12:16頃 熊本県熊本地方 1

2016/12/06 12:14 06日 12:12頃 熊本県熊本地方 2

2016/12/06 10:23 06日 10:20頃 熊本県熊本地方 1

2016/12/06 09:54 06日 09:51頃 岐阜県飛騨地方 2

2016/12/06 09:21 06日 09:18頃 岐阜県飛騨地方 1

2016/12/06 09:08 06日 09:05頃 岐阜県飛騨地方 3

2016/12/06 06:27 06日 06:24頃 熊本県熊本地方 2

2016/12/06 04:05 06日 04:02頃 浦河沖 1

2016/12/06 02:52 06日 02:49頃 日向灘 1

2016/12/05 15:33 05日 15:29頃 福島県沖 2

2016/12/05 11:56 05日 11:52頃 熊本県熊本地方 3

2016/12/05 11:24 05日 11:21頃 伊豆大島近海 2

2016/12/05 07:34 05日 07:31頃 神奈川県西部 1

2016/12/05 06:34 05日 06:30頃 トカラ列島近海 1

2016/12/05 06:13 05日 06:09頃 紀伊水道 1

2016/12/05 05:47 05日 05:43頃 福島県沖 2

2016/12/05 02:51 05日 02:48頃 宮城県沖 2

2016/12/05 01:04 05日 01:01頃 栃木県北部 1

2016/12/04 23:57 04日 23:53頃 留萌地方中北部 2

2016/12/04 22:31 04日 22:28頃 熊本県熊本地方 1

2016/12/04 20:46 04日 20:42頃 福島県沖 3

2016/12/04 18:50 04日 18:47頃 熊本県熊本地方 2

2016/12/04 14:39 04日 14:36頃 福島県沖 3

2016/12/04 14:36 04日 14:33頃 福島県沖 2

2016/12/04 14:24 04日 14:21頃 鳥取県中部 1

2016/12/04 14:17 04日 14:14頃 沖縄本島近海 1

2016/12/04 12:02 04日 11:59頃 岩手県沖 1

2016/12/04 08:38 04日 08:34頃 福島県沖 2

2016/12/03 08:32 03日 08:29頃 長野県南部 2

2016/12/03 05:56 03日 05:50頃 熊本県熊本地方 1

2016/12/03 05:19 03日 05:16頃 千葉県北西部 2

2016/12/02 22:13 02日 22:10頃 宮古島近海 1

2016/12/02 18:59 02日 18:56頃 熊本県天草・芦北地方 2

2016/12/02 18:44 02日 18:41頃 日向灘 1

2016/12/02 15:54 02日 15:51頃 福島県沖 1

2016/12/02 15:38 02日 15:35頃 熊本県熊本地方 2

2016/12/02 10:10 02日 10:07頃 福島県沖 1

2016/12/02 08:07 02日 08:03頃 福島県沖 2

2016/12/02 06:23 02日 06:19頃 熊本県熊本地方 3

2016/12/02 05:26 02日 05:22頃 茨城県北部 1

2016/12/02 04:46 02日 04:42頃 熊本県熊本地方 1

2016/12/02 02:47 02日 02:44頃 熊本県熊本地方 2

2016/12/01 23:08 01日 23:04頃 愛媛県南予 1

2016/12/01 22:59 01日 22:57頃 奈良県 1

2016/12/01 19:10 01日 19:07頃 鳥取県中部 2

2016/12/01 18:43 01日 18:39頃 福島県沖 1

2016/12/01 16:09 01日 16:06頃 鳥取県東部 1

2016/12/01 15:13 01日 15:10頃 鳥取県東部 2

2016/12/01 15:08 01日 15:05頃 釧路沖 1

2016/12/01 14:16 01日 14:13頃 愛媛県南予 1

2016/12/01 14:06 01日 14:04頃 福島県沖 1

2016/12/01 12:00 01日 11:57頃 熊本県熊本地方 2

2016/12/01 11:16 01日 11:12頃 福島県沖 2

2016/12/01 00:25 01日 00:22頃 熊本県熊本地方 1

(続く)

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