イスラエルをめぐる対立で、ベルギーがユーロビジョン2026への参加決定を延期
*国際音楽コンテストの準備が進むなか、テレビカメラの隣に設置されたスクリーンに「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」のロゴが映し出されている。(写真:Adobe Stock)
ベルギーの公共放送局VRTは、来年開催される「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」への参加について、決定を延期した。大会の参加規定やイスラエルの出場をめぐり、欧州放送連合(EBU)との協議が続いていることを理由に挙げている。
VRTは当初、参加放送局に適用されるユーロビジョンの通常規定に従い、火曜日までに参加の可否を正式に発表するとみられていた。
しかし、ベルギーの新聞『デ・モルヘン』によると、VRTはEBUに対してさらに時間が必要だと申し入れ、期限の延長が認められたという。
VRTは同紙に対し、次のように説明した。
「私たちが以前から表明している懸念について、現在もEBUと協議を続けています。話し合いはまだ継続中です」。
*「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」の関連音楽イベントで、華やかに照明されたステージと大勢の観客が見られる。(写真:Adobe Stock)
世界中の視聴者が注目するコンテスト
EBUは各国の公共放送局などで構成される連合体で、毎年ユーロビジョンを主催し、どの国や放送局が参加できるかについて最終的な決定権を持っている。
イスラエルは、ヨーロッパ大陸の範囲を超えて適用されるEBUの加盟規定に基づき、1973年から同大会に参加している。
ユーロビジョンには通常、35か国以上が参加し、世界中で推定1億6,000万人を超えるテレビ視聴者を集めている。ヨーロッパで最も視聴される文化イベントの一つとなっている。
*2026年5月12日、ベルギー・ブリュッセルで、イスラエルの「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」への参加に抗議する代替コンサート「パレスチナのために団結を――ジェノサイドに舞台を与えるな」に集まった人々。(写真:AA)
放送局が紛争当事国の参加に疑問
VRTは以前から、大規模な武力紛争に関与している国がコンテストへの参加を認められるべきなのか、疑問を呈してきた。
またVRTは、ユーロビジョンが政治的に中立で、非政治的な大会であると掲げていることを踏まえ、参加規定について、より明確で透明性のある説明を行うようEBUに求めている。
EBUは、ウクライナ侵攻を受けて2022年にロシアの放送局を大会から除外した。また2021年には、国営メディアのあり方に対する懸念を理由として、ベラルーシの放送局を参加させなかった。
この二つの事例は、武力紛争や国家の行為と、組織が掲げる政治的中立性との関係をEBUがどのように判断するのかを示す前例として、たびたび引き合いに出されている。
次回のユーロビジョンを前に、イスラエルの参加をめぐる議論が再び活発になっている。EBUが、参加する放送局や各国に対して規定をどのように適用しているのかにも、厳しい視線が向けられている。
ユーロビジョンの主催者側は以前から、放送局や出演者による政治的な主張を大会から排除すべきだという立場を維持してきた。しかし近年では、地政学的な緊張が大会をめぐる公の議論にも波及し、この原則は繰り返し揺さぶられている。
各国の放送局は通常、楽曲の選考や舞台演出、放送日程の準備期間を確保するため、大会の数か月前までに参加を正式に表明する。そのため、VRTには早期の判断を求める圧力がかかっている。
RTBF、代替出場報道を否定
VRTが撤退した場合、ベルギーのフランス語圏公共放送局RTBFが代わってユーロビジョンへの参加を引き継ぐ可能性があるとの報道も広がっていた。
しかしRTBFはこの報道を否定し、広報担当者は『デ・モルヘン』に対して「事実ではないうわさです」と語った。
VRTとEBUの協議は現在も続いており、ベルギーの参加についての判断は保留されたままである。結論がいつ出されるのかについても、具体的な見通しは示されていない。



