さあ、もう一度! 25周年記念ツアーでバーミングハムを訪れるグラント・レイノルズにインタビュー
『マンマ・ミーア!』でスカイを演じるグラント・レイノルズに話を聞く機会を得た。今月、アメリカ・バーミングハムのBJCCコンサートホール(※)にやって来る25周年記念ツアーについて、楽しく活気あふれるインタビューとなった。
ケイド: 『マンマ・ミーア!』のツアーに戻ってきましたね。どんな気持ちですか?
グラント・レイノルズ: 最高です。この作品に参加できて、本当に幸せです。出演してもうすぐ3年になりますが、同じ作品をいくつもの形で経験できるのは素晴らしいことです。僕は2023年にツアーが再始動したときに加わり、その後、この作品でブロードウェイ・デビューを果たしました。こうしてまたツアーに出ると、一巡して原点に戻ってきたような気がします。こんな機会に恵まれて、大好きな街をまた訪ねられるのはありがたいですね。
ケイド: ブロードウェイの熱気をバーミングハムに届けることについては、どう感じていますか?
グラント・レイノルズ: シカゴで育つ中で、誰もがニューヨークまで舞台を観に行けるわけではないと実感しました。僕自身、ミュージカルに初めて触れたのは巡回公演だったので、ツアーの仕事にはやりがいを感じます。何より、新しい顔ぶれが加わったキャストで、こういう機会がなければ観られないかもしれない方々に舞台を届けられる。それが楽しみです。
ケイド: 僕はまだ『マンマ・ミーア!』を観たことがないので、楽しみにしています。
グラント・レイノルズ: いいですね! 初めてなんですね。きっと楽しめますよ。
ケイド: この作品を観た人は、それぞれ違った体験を語ります。今回の『マンマ・ミーア!』をいくつかの言葉で表すとしたら?
グラント・レイノルズ: 「心に響く」「生き生きとしている」「喜びにあふれている」でしょうか。僕たちの多くが聴いて育った、おなじみの大好きなABBAの曲が流れる、素晴らしい作品です。物語の根っこにあるのは、身近なテーマです。家族の関係を描きながら、「あなたにとって家族とはどんな存在ですか?」と問いかけます。ソフィとドナのように母親が一人で子どもを育てる家庭もあれば、おばさんや祖父母に育てられる人もいる。どんな形でも、家族は家族です。
自分が何者なのかを探る物語でもあります。ソフィは父親を知らずに育ち、その不在を感じているからこそ、劇中ずっと父親を探しています。僕が演じるスカイは、彼女にとって鏡のような存在です。探している答えは自分の中にあると、ソフィが気づくきっかけを与えるんです。
ケイド: 物語に共感する人は多いですが、音楽そのものにも唯一無二の存在感があります。この作品の音楽は、どこが特別なのでしょうか?
グラント・レイノルズ: ABBAは感情豊かな、素晴らしい音楽を作ります。スウェーデンのグループで、音楽はポップですが、ユーロビジョンらしさもある。ヨーロッパらしいメロディーと息の合ったハーモニーに、奥行きのある歌詞が重なります。この舞台にも心にずしりと響く場面があって、音楽が登場人物たちの心の動きを支えてくれる。だから、こんなによく合うんです。
ABBAの音楽は時代を超えています。「レイ・オール・ユア・ラヴ・オン・ミー」のような感情のこもった曲もあれば、「ダンシング・クイーン」のような大ヒット曲もある。曲の幅が広いから、観客の気持ちが離れないんです。泣きそうになったかと思えば、次の瞬間には踊っている。ロックが好きな人も、カントリーやユーロポップ、ヒップホップが好きな人も、引き込まれるものがあると思います。
ケイド: エネルギーに満ちた舞台の中で、スカイは落ち着いた存在です。週8公演をこなしながら、どうやって演技の軸を保っているのですか?
グラント・レイノルズ: 自分の体の声を聞くことです。観ていただければ分かりますが、体力のいる役なんです。踊って、動き回って、走ります。自分の状態に耳を傾けることで、調子を保っています。トレーニングをして、きちんと食べて、睡眠を優先する。舞台俳優にとって、睡眠は健康の土台です。休むことで、体を回復させられますから。
体をいたわるには、バランスが大切です。それに、僕はこの仕事が楽しい。この作品から元気をもらえるんです。毎晩舞台に立つのが大好きで、今もちょうど劇場に向かう支度をしているところですが、わくわくしています。気が重くなることはありません。いい舞台を届けるために、体を大事にしています。
ケイド: この作品から、記録的なヒットを収めた映画が2本生まれました。バーミングハムの観客は、生の舞台でどんな体験ができるのでしょうか?
グラント・レイノルズ: 日常を離れられることです。それが劇場のいちばんの魅力だと思います。僕は子どものころからスポーツをしていて、熱狂的なファンというほどではないですが、野球を観に行くのは好きです。出かけて、ビールを飲んで、ホットドッグを食べて、楽しい時間を過ごす。そうやって日常を離れるのが好きなんです。シカゴ育ちなので、ホットドッグは大好物ですしね。
生の舞台にも、そんな魔法があります。劇場に来て、ひととき自分のために時間を使い、心を動かされる体験をする。映画を観て、陽気なビーチが舞台の気軽なミュージカルを想像して来る方も多いですが、物語の深さに驚かれるんです。感情を揺さぶられる。最後のメガミックスが終わったあと、泣きながら劇場を後にする方も見かけます。
客席を見渡すと、おばあちゃんとお孫さん、お母さんと娘さん、お父さんと娘さんと、世代を超えて観に来てくださっています。誕生日をお祝いするグループもいれば、友人同士で夜のお出かけを楽しむ人や、カップルもいます。誰にでも楽しめるところがある作品なので、ぜひ劇場に足を運んで、楽しい時間を過ごしてほしいですね。
ケイド: 『マンマ・ミーア!』の曲から、カラオケの十八番にするならどの曲ですか?
グラント・レイノルズ: 劇中で自分が歌う「レイ・オール・ユア・ラヴ・オン・ミー」を選ぶのは、ちょっとずるい気もしますけど、すごくいい曲ですからね。それ以外なら「ザ・ウィナー」。カラオケならこれを選びます!
ケイド: ツアーで使う衣装や小道具を一つだけ持ち帰れるとしたら、何を選びますか?
グラント・レイノルズ: そんな質問、今まで誰にもされたことがないです! 僕なら足ひれですね。舞台でどう使うかは観てのお楽しみですが、いつも出てくる小道具で、お客さんも面白がってくれます。やっぱり足ひれで決まりです。
『マンマ・ミーア!』バーミングハム公演
会場はBJCCコンサートホール。2026年11月17日から22日まで、全8公演限定で上演される。
*掲載表記 BJCC/アメリカン・シアター・ギルド
※BJCCコンサートホールとは?
BJCCコンサートホールは、米国アラバマ州バーミングハムにある約2,835人収容の劇場です。BJCCは「バーミングハム・ジェファーソン・コンベンション・コンプレックス」の略で、ホールはその複合施設の一部です。全米を巡るコンサートやファミリー向け公演に加え、ブロードウェイ作品の巡回公演シリーズ「ブロードウェイ・イン・バーミングハム」の会場にもなっています。 BJCC
外観写真にある 「BJCC Concert Hall & Theatre」 は共用入口の表示です。館内には、バルコニー席を備えた大きなコンサートホールと、約1,000人収容のBJCCシアターという二つの会場があります。 入口の写真(アラバマ・パブリック・ラジオ) BJCC
『マンマ・ミーア!』のバーミングハム公演
先ほどのインタビューでスカイ役のグラント・レイノルズが語っていた25周年記念ツアーは、大きい方のBJCCコンサートホールで上演されます。日程は2026年11月17日(火)〜22日(日)の全8公演です。 BJCC公式公演ページ Birmingham-Jefferson Convention Complex



