【連載128】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?)

8月19日金曜日夕方

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

1.被災地情報

皆様こんばんは。本日19日午前11時45分ごろ熊本県で震度4の揺れを観測する地震がありました。この地震による津波の心配はありません。震度4を観測したのは熊本県の南阿蘇村で、震度3が熊本県阿蘇市と産山村、大分県竹田市、それに豊後大野市でした。気象庁の観測によりますと震源地は熊本県阿蘇地方で震源の深さは10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは4.3と推定されています。

まだまだ地震には要注意ですね!

三反園訓(みたぞの・さとし)鹿児島県知事が本日19日、九州電力川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)の周辺を視察しました。地元住民から意見や要望を聞き、避難道路を見学した三反園知事は、避難計画を見直す必要があると述べました。同日夜まで視察を続け、その結果を踏まえて近く九電に川内原発の一時停止を申し入れる考えです。

三反園知事は本日19日午前、原発から半径5キロ圏内(PAZ)にある薩摩川内市の集落や、半径30キロ圏内(UPZ)に入る隣の同県いちき串木野市内を視察。事故の際に使われる予定の避難道路を見たり、認知症の高齢者向けのグループホームを訪ねたりしました。

報道陣に対し、三反園知事は「道幅は狭くて急カーブもあり、避難できるのか問題がある。避難計画を含めて見直す必要がある。想定外の事態も含めて実践的な避難訓練も必要」と話していました。

4月の熊本地震後、川内原発の安全性に対する不安の声が強まっているとして、三反園知事は7月の県知事選で川内原発の一時停止と再点検などを訴えて初当選。8月下旬~9月上旬をめどに、九電に一時停止を申し入れる考えを示しています。

選挙の「公約」で川内原発停止を訴えた以上は政治家と喧嘩することになっても川内原発を止めるべきです。止めることが出来ない場合は責任をとることが必須です。期待しています。

連日記載しておりますが4月16日の熊本地震「本震」の後『県内で最大855カ所あった避難所が本日19日朝30カ所を切りました』『574人が避難所に身を寄せる益城町では昨日18日三つの小学校に設置していた避難所を閉鎖』『熊本市等でも集約が進んでおり8月末には十数カ所』となる見込み。

本日19日朝の時点で『県内の避難所は11市町村・29カ所』。『ピーク時の4月17日、18万人を超えていた避難者数も約1200人まで減り』ました。

『益城町は2学期を前に広安小、広安西小、益城中央小の避難所を閉め町内の避難所を7か所』としました。『8月中には町総合体育館と町交流情報センターの2か所に集約』したい考えです。町は「避難所を集約し、職員を本来の業務に専念させて、復旧・復興に取り組みたい」と説明しています。

『宇土市は本日19日に轟地区体育館を閉じ』『走潟地区体育館1か所』に。

『嘉島町では31日に最後の避難所を閉鎖』。

順次集約を進める『熊本市は28日に城南総合スポーツセンターを閉鎖し9月15日をめどに避難所をゼロ』にする方針を示しています。

集約の背景には仮設住宅の入居開始など住まい確保が進んだことが挙げられます。いまも避難所に身を寄せている人は仮設住宅の入居を待つ人が多く、難所の完全閉鎖は仮設住宅の完了時期によってばらつきが出そうです。

益城町の西村博則町長は「仮設住宅の入居が完了する10月上旬までは、避難所を閉めるわけにはいかない」と話しています。一方で「自宅が一部損壊のため、仮設に入れない人もいる。いずれ避難所を閉鎖する時が来る。被災者と十分に話し合い、丁寧に対処したい」としています。

熊本県内でも地域格差があり復興が始まったところとそうでないところがあり、復興が始まったところはどんどん避難所を閉鎖されています。しかし進んでいない地域ではそうもいきません。避難所の多くは体育館などです。二学期に学校が始まり生徒に体育館を使わせるために避難所は閉鎖を余儀なくされています。避難者がゼロならともかくまだ1200人もいるのです。1200人全員の行く場所が決定してから後に閉鎖してほしいと思います。命より大事なモノはありません。あまりにも命を軽視しすぎます。まるで『避難者をゴミ扱い』しているような感じです。子供達に体育館を使わせたいのもわかりますが、避難所の未来(命)をまず第一に考えてほしいものです。

熊本地震で犠牲になった大学生、大和晃(やまと・ひかる)さん(22)=熊本県阿蘇市=が乗っていた乗用車が昨日18日、県警大津署で公開されました。引き揚げの際に切断された車体は泥だらけで、ひしゃげて多数の配線などがむき出しになっていました。

車体は7月24日に両親らが発見。今月11日に遺体が収容された後、17日に引き揚げられました。県警が遺留品を探した後、遺族に返すとのことです。

この日は遺族が晃さんの遺体を引き取り、阿蘇市の自宅に迎えた後、火葬に付しました。

合掌。晃さん、安らかに。

①熊本県で震度4!

本日19日午前11時45分ごろ、熊本県で震度4の揺れを観測する地震がありました。この地震による津波の心配はありません。

震度4を観測したのは熊本県の南阿蘇村で、震度3が熊本県阿蘇市と産山村、大分県竹田市、それに豊後大野市でした。

このほか九州の各地と山口県、それに愛媛県で震度2や1の揺れを観測しました。

気象庁の観測によりますと震源地は熊本県阿蘇地方で、震源の深さは10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは4.3と推定されています。

②熊本地震で不明だった大学生遺体が両親の元に!

熊本地震で行方がわからなくなり、今月、南阿蘇村で見つかった阿蘇市の大学生の遺体が昨日18日、両親に引き取られました。

阿蘇市の大学4年生、大和晃さん(当時22)は熊本地震で行方がわからなくなっていましたが、今月10日、崩落した南阿蘇村の阿蘇大橋の下流で遺体で見つかりました。

大和さんの父親の卓也さんと母親の忍さんは1昨日18日午前、熊本県の大津警察署を訪れ、大和さんの遺体を引き取りました。

およそ4か月ぶりに阿蘇市の自宅に戻った大和さんには、好きだった忍さんの手料理が供えられ、ひつぎには無事を祈って親族が折り続けてきた千羽鶴が納められたということです。

卓也さんは「息子も家に帰ることができて安心していると思います。息子の部屋はまだ片付ける気にはなれず、そのままにしています」と話していました。

③熊本地震 遺体で見つかった大学生の車一部を公開!

熊本地震で行方が分からなくなり、今月、南阿蘇村で遺体で見つかった大学生が乗っていた車の一部が、昨日18日に報道関係者に公開されました。

熊本県阿蘇市の大学4年生、大和晃さん(当時22)は4月16日に、地震で崩落した南阿蘇村の阿蘇大橋付近を車で走行していたとみられ、行方が分からなくなっていましたが、今月10日に阿蘇大橋の下流で見つかった車の中から遺体で見つかりました。

昨日18日に大和さんの遺体が見つかった車の運転席やドア、エンジン部分などが報道関係者に公開されました。

車の運転席や助手席の背もたれは大きく左にねじれ、運転席のドアも外側から内側に折れ曲がっていて、受けた衝撃の大きさがうかがえます。警察は今後、車をさらに詳しく調べたあと、大和さんの家族に引き渡すことにしています。

➃川内原発の一時停止要請前に鹿児島県知事が視察!

川内原子力発電所の一時停止を申し入れる方針を示している鹿児島県の三反園知事は本日19日、事故の際の住民の避難対策などを確認するため原発周辺の地区を視察しました。今回の視察を踏まえて今月下旬から来月上旬にも九州電力に一時停止を申し入れるとしています。

先月就任した鹿児島県の三反園知事は、川内原発について熊本地震のあと住民の不安が高まっているとして、九州電力に一時停止を申し入れる方針を示しています。

申し入れを前に、事故の際の住民の避難対策などを確認するため、本日19日、原発が立地する薩摩川内市や隣接するいちき串木野市を視察しました。

このうち原発から5キロ圏内にある薩摩川内市の峰山地区では住民と意見交換を行い、避難のための道路の幅が狭くバスなどの大型車両が入りにくい状況などを確認しました。また、自力では避難できない人がいる介護施設では、スタッフに避難計画などについて尋ねていました。

三反園知事は、「避難のための道路は早急な対応が必要で、避難計画を見直す必要があると思う。住民の安心と安全のために、どう対応すればよいか、総合的に検討していきたい」と話していました。

三反園知事は本日19日に30か所余りを視察する予定で、今回の視察を踏まえて今月下旬から来月上旬にも九州電力に対し、原発の一時停止を申し入れるとしています。

⑤余震の「確率」発表、大幅変更!同規模地震にも注意喚起!

大地震の発生からおおむね1日後に発表されてきた余震確率について、気象庁は本日19日、発表方法を大幅に変更しました。確率は1週間程度たってから発表し、確率の値そのものでなく、「平常時の7.0倍」といった倍率で表現します。それまでの間は同規模の地震などへの注意を呼びかけます。政府の地震調査研究推進本部が同日、見直しを求める報告書をまとめたことを受けました。

気象庁はこれまで余震確率を確率の値を含めて発表してきたが、4月熊本地震では、最初に起きた大きな地震(マグニチュード〈M〉6.5)で「3日間以内に震度6弱以上の余震が発生する確率は20%」などと発表した後に、近くの断層でより大きいM7.3が起きました。「余震」という言葉がそれ以上大きな地震は起きないとの印象につながった可能性や、確率の値が低いと受け取られた可能性が指摘されてきました。

新しい方法では、大地震から1週程度は、過去の事例などをもとに同規模の地震の発生に注意を呼びかけ、地震のタイプによってはより大きな地震も想定します。近くに活断層がある場合は、その活動状況も言及します。1週間程度以降は余震確率を発表しますが平常時などと比べた倍率で危険性が的確に伝わるようにするとのことです。

⑥くまモン、バスケするモン!チャリティーマッチ出場へ!

今秋開幕するバスケットボールの新リーグ「Bリーグ」は24日、熊本地震のチャリティーマッチを東京で開きます。その試合に、くまモンの出場が決まりました。

試合は、2部の熊本ヴォルターズや九州に縁のある選手でつくる「九州選抜」がリーグ選抜と戦います。くまモンは九州選抜の助っ人選手として出場します。

リーグによりますと、ご当地キャラの試合出場は国内バスケリーグ初。くまモンは器用なドリブルやシュートを披露したことがあり、得点への期待も膨らみます。

⑦本日19日に南鉄支援グッズ販売!

熊本地震で被災した南阿蘇鉄道の全線復旧を支援するため、高森町の社会福祉法人岳寿会が本日19日、同町で開かれる「風鎮祭」に合わせてチャリティーグッズの販売などをします。グッズの絵柄は地元の高森高校の生徒らがデザインしました。

岳寿会は高森町内で老人ホームを運営。南阿蘇鉄道の運休で地元高校生たちの通学が大変になっていることを職員が聞き、例年施設で開く夏祭りの代わりに復興支援イベントを企画。町教委や高森高校にも協力を呼びかけました。当日も高森高校生や同鉄道を利用していた高校生たちがボランティアで参加します。

イベントは午後15時~同19時半、高森駅前広場で。高校生デザインの図柄のエコバッグ(2200円、2700円)や職員がデザインした南阿蘇鉄道支援のTシャツ(2千~3千円)を販売するほか、あか牛の焼き肉や地元野菜などを販売するバザーも実施。また、南阿蘇村で被災した人を対象に、地元食材のカレー100食を無料で提供します。

グッズはTシャツ150枚、エコバッグ60枚を用意しており、町観光交流センターでも同じ時間に販売します。イベントの収益は南阿蘇鉄道株式会社に寄付します。問い合わせは岳寿会(0967-62-3111)。

⑧避難所29カ所に!県内各地、集約進む!

4月16日の熊本地震「本震」の後、県内で最大855カ所あった避難所が本日19日朝、30カ所を切りました。574人が避難所に身を寄せる益城町では昨日18日、三つの小学校に設置していた避難所を閉鎖。熊本市などでも集約が進んでおり、8月末には十数カ所となる見込み。

本日19日朝の時点で、県内の避難所は11市町村・29カ所。ピーク時の4月17日、18万人を超えていた避難者数も、約1200人まで減りました。

益城町は2学期を前に、広安小、広安西小、益城中央小の避難所を閉め、町内の避難所を7か所としました。8月中には町総合体育館と町交流情報センターの2か所に集約したい考えです。町は「避難所を集約し、職員を本来の業務に専念させて、復旧・復興に取り組みたい」と説明しています。

宇土市は本日19日に轟地区体育館を閉じ、走潟地区体育館1か所に。嘉島町では、31日に最後の避難所を閉鎖。順次集約を進める熊本市は、28日に城南総合スポーツセンターを閉鎖し、9月15日をめどに避難所をゼロにする方針を示しています。

集約の背景には、仮設住宅の入居開始など、住まい確保が進んだことが挙げられます。いまも避難所に身を寄せている人は仮設住宅の入居を待つ人が多く、避難所の完全閉鎖は仮設住宅の完了時期によってばらつきが出そうです。

益城町の西村博則町長は「仮設住宅の入居が完了する10月上旬までは、避難所を閉めるわけにはいかない」と話しています。一方で「自宅が一部損壊のため、仮設に入れない人もいる。いずれ避難所を閉鎖する時が来る。被災者と十分に話し合い、丁寧に対処したい」としています。

⑨健軍商店で20日から「復興サマーフェス」!

熊本地震で被災した熊本市東区の健軍商店街振興組合は20,21日、「復興健軍サマーフェスティバル」を開催します。商店街へのにぎわいを取り戻そうと数々のステージイベントや出店を展開します。

特設ステージで牛深ハイヤやエイサー太鼓、大道芸ショーなどが披露されるほか、一部の店舗が店先でワゴンセールを行います。

周辺にある約20店もアーケード内に出店し、「健軍マルシェ」と銘打ち雑貨やクレープなどを販売します。

熊本地震に伴う国の「商店街にぎわい創出事業」の補助金を活用しました。

同組合の森田憲一理事長(64)は「核店舗のサンリブ健軍が休業しているため、人通りが減っている。商店街全体の活気を取り戻し、お客さんに楽しんでもらいたい」と意気込んでいます。

⑩被災者に「心のケア」10月にもセンター開設!

熊本県は、熊本地震に伴う環境の変化や将来への不安など、被災者が抱える心の問題に対応する「こころのケアセンター」(仮称)を10月にも開設します。被災市町村と連携し、専門のスタッフが支援に取り組みます。

センターは熊本市内に1か所設け、県内全域をカバーします。スタッフは精神科医や保健師、精神保健福祉士、電話相談員ら約10人を想定。仮設住宅の入居者への訪問相談や支援が必要な人たちのサポートに当たります。

また、市町村が学校や職場、地域などで行う心のケアを後押しするため、研修や啓発活動、医療機関などとのネットワークづくりにも取り組みます。センターの活動は当面2年間の予定で、必要に応じて延長します。

県によりますと、被災者の心のケアに特化した専門機関は、阪神大震災や新潟県中越地震でも設置。東日本大震災では発生から5年たった現在も岩手、宮城、福島3県で活動しています。

過去の震災では、不安や不眠によるうつ病やアルコール依存症の増加が問題になりました。県障がい者支援課は「被災者は自宅や仕事の再建など大きな精神的負担を抱えている。心の変調を見落とさないよう、センターを拠点に見守りを強化したい」としています。

⑪被災ビルを“おめかし”  下通アーケードに絵描く!

熊本市中央区の下通アーケードで、熊本大の大学院生らが、熊本地震で被災したビルのシャッターに絵を描いていています。暑さにもめげず、大学院生らは「市街地の新たなシンボルになれば」と口をそろえます。

熊本大教育学部の松永拓己准教授(50)と菊岡由紀さん(22)、池畑緑さん(23)、山嵜桃子さん(22)の大学院生3人。熊本地震で店先のガラスが破損するなどし、下りたままになっている呉服店「帯屋」の2枚のシャッター(縦5.6メートル、横3メートル)をキャンバス代わりに絵筆を動かします。

同店の宮崎雅士代表(52)が「通りに面した店先の一部がシャッターのままでは寂しすぎる」と、阿蘇市の商店街で壁画を描くなどの実績がある松永准教授に話を持ち掛けました。

7月29日に制作を開始。2枚のシャッターにはそれぞれ朝日の下に肥後六花と妖精、月下にクジャクと花を描きます。4人は「店のイメージに合わせて、花の絵で周辺を華やかに元気づけたかった。描いていく過程も見てほしい」と話しています。

宮崎代表は「人の心を和ませるような作品になれば」と、今月末の完成を楽しみにしています。

⑫生活再建へ公的支援を!尚絅短大の川崎准教授!

行政が設置した避難所では、被災者は食事や寝る場所が保障されます。その避難所を出て新たな生活を始めるには「いくつもの壁がある」と尚絅大短期大学部の川崎孝明准教授(社会福祉学)は助言します。「地震で家財道具を失った上、生活費や住居が確保できず、避難所を出ても行き場のない人もいるのではないか」。

ハードルの一つが住宅を借りる際の保証人。身寄りがない人、家族や親族との関係が切れている人の場合、見つけるのは困難です。生活困窮者支援に取り組むNPO法人「でんでん虫の会」(熊本市)は地震後、同会が保証人や身元引受人になることで賃貸契約を結び、住宅確保の手助けをしてきました。その数は約30人。車中泊や野宿同然の人、耳が不自由な人もいたとのことです。

「新しい住まいが決まり、家財道具をアパートに取りに行ったら取り壊されており、すべてを失ったケースもあった。困窮パターンはさまざまだ」と同会の吉松裕藏事務局長。

川崎准教授は「被災者や困窮者の支援は公的機関が担うべき」と強調。「一部の社会福祉協議会が『法人成年後見』に取り組んでいるように、公的団体を後ろ盾に生活弱者を救う仕組みが急務だ」と指摘しています。

⑬熊本城のいま「幕末期の姿」夢見て!

「ぼうぜんとなるような壊滅的な被害だ」。熊本地震の発生後、熊本市の大西一史市長(48)はこれまでにないダメージを負った熊本城を見て、立ち尽くしました。

修復の期間は「20年」を掲げています。東日本大震災で被災した小峰城(福島県白河市)の修復ペースなどを参考に割り出しました。「あくまで目標」ですが、2019年のラグビーW杯までには「大小両方とはいかないかもしれないが、大天守は元に戻す」と断言しています。

「文化的価値を損ねない復元」が基本的な考え。課題が多い復元方法について検討する専門家チームは、年内にも発足する予定です。

生活再建やインフラ・ライフラインの復旧を優先させながらも、文化財の復興はこれらと「両輪」と強調します。「熊本城は観光資源の価値も高い。修復が進めば税収など経済効果が期待でき、生活面の支援も加速化する。全部つながっているんです」。

「上質な都市・熊本」をイメージし、市長に就任した時から「50年、100年後の熊本」を思い描きました。地震があったことで、熊本城の築城500年復元構想がよりクリアになりました。

「熊本城を幕末期の姿にする」。当時の櫓(やぐら)の数は49に上ります。「2017年の熊本城復元の盛大なセレモニーで、市民が『熊本地震があっても、市民がひとつになって頑張ったから』とねぎらってくれる」。大西市長は未来を想像しながら「もちろん自分は生きてないけれど」と笑みを浮かべます。

「あって当たり前」だった熊本城。傷ついたお城のライトアップには多くの県民が注目しました。「お城は熊本人の誇りであり、ベース(基礎)」だと痛感しています。

⑭熊本市復興へ助言!有識者会議、都内で初会合!

熊本市は昨日18日、熊本地震の復興施策について有識者の意見を聞く「市復興アドバイザー会議」の初会合を東京都内で開催。大西一史市長が「震災前の姿に戻すだけでなく、ピンチをばねに新しい熊本市をつくり上げたい」と助言を求めました。

会議は弁護士や民間企業社長ら委員7人で構成。東日本大震災後に福島県相馬市の「復興顧問会議」で座長を務めた北川正恭氏(元三重県知事)を議長としました。

委員は初会合で「熊本城の修復過程を見せることで観光客を増やせるのではないか」「歴史建造物に頼らず、自然を生かした体験ツアーを充実させるべきだ」などと提言。「地方が国に支援をお願いするだけでは復興は進まない。国の縦割り行政をなくすような働きかけが大切」とする意見もありました。

次回は11月22日、熊本市で開催。委員らが被災状況を視察します。市は少なくとも2019年度まで会議から助言を受けていくとしています。

⑮「低価格・木造」で再建を!

熊本県は、熊本地震の被災者の自宅再建を後押しするため、東日本大震災の先行例を参考に、耐震性能が高く低価格の木造住宅を「熊本型復興住宅」と名付けて普及を図ります。来年2月にも益城町のテクノ仮設住宅団地内に、間取りが異なる建築費1千万円程度のモデル住宅33棟を展示する計画で、うち1棟の建設に8月中に着手します。

住宅は県産木材を使用し、地域経済の振興も狙います。蒲島郁夫知事は17日の定例記者会見で「復興には県内で経済を循環させる仕組みが必要。温かみがあり、強く安価な住宅を被災者に提供していきたい」と述べました。

モデル住宅は、2LDK程度で延べ床面積が80~100平方メートルの木造平屋か2階建て。耐震等級は、2回の震度7の揺れでも倒壊しないとされる最高レベル「3」の性能を持ちます。先行する1棟は県内住宅会社でつくる県優良住宅協会などに建設を依頼。残り2棟は公募で建設グループを決めます。費用は建築会社側が負担します。

また、モデル住宅の展示と並行し、県や住宅関係団体が7月に設立した「県地域型復興住宅推進協議会」は、耐震性能を備え、価格にも配慮した木造住宅のプランを公募します。年内に間取り図や価格を紹介するパンフレットを製作し、被災者に利用を呼び掛けます。

仮設住宅の入居期限は原則2年間で、その後、被災者は再建した自宅や災害公営住宅などに移ります。県住宅課は「被災者の手が届きやすい“熊本型”の復興住宅を提案したい」としています。

⑯「仮設、困り事ありませんか」!

熊本地震の被災地の現状を深く知ろうと、熊本大医学部の学生らが

17日、熊本県益城町の応急仮設住宅「テクノ団地」で入居者の困り事や仮設住宅後の住まいのニーズなどを聞き取る調査をしました。

県医師修学資金の貸与を受ける熊大の学生と、自治医科大の学生が行う「夏季地域医療実習」の一環。被災地の住民らの声を直接聞き、将来の地域診療活動に生かしてもらうのが狙いです。

熊大が被災地で展開する復興支援プロジェクトチームに協力する形で調査を実施しました。32人が参加し、3人ずつのチームで1戸ずつ訪問。4人暮らし家族の主婦、米原順子さん(67)は「自宅は大規模半壊。同じ場所に建て直して住み続けたいので、取り壊しを急いでほしい」と訴えました。

熊大医学部5年の山下ちひろさん(24)=熊本市中央区=は「最初は何も困っていないと言う人も、じっくり話を聞くと、本音をもらされた。患者の本音に気付ける医師になりたいと感じた」と話していました。

⑰小中学生発、復興アイデア!

「熊本城内に旅館を」「スマイルデーをつくって」。熊本県内の小中学生7人が17日、県庁を訪れ、熊本地震からの復興アイデアを、蒲島郁夫知事に伝えました。

地震写真展を開催している新聞博物館(熊本市中央区世安町の熊日本社内)が、「夢のある熊本の未来を描いてほしい」と、夏休みに合わせ子どもたちにアイデアを募集。グランプリ「新聞博物館賞」と優秀賞の受賞者が県庁を訪問しました。

グランプリの宇土小6年、松尾美優さんは「熊本城内に旅館を造って観光客を誘致したい。割れた瓦で城内にくまモンアートを描いて観光スポットにしては」と提案しました。

優秀賞の1人で、阿蘇大橋近くの自宅が全壊した南阿蘇西小3年、橋本藍さんは「土砂崩れで山が茶色になり悲しい。みんなを笑顔にするため、緑色の阿蘇大橋を造り、山も緑に戻したい」と思いを述べました。

ほかの子どもたちは「前震と本震が起きた14日と16日を『スマイルデー』として学校などで地震について考える」「地震を語り継ぐ資料館を建設する」「安全で癒やされるくまモン形の発泡スチロール製避難所を造る」などと意見を発表しました。

蒲島知事は「自由で面白い発想やアイデアをたくさん考えてもらい、うれしい」と話していました。

⑱丼ご飯で復興あと押し!

熊本市中央区の子飼商店街は明日20日、熊本地震からの復興に向け、好みのおかずで丼を楽しむイベントなどを展開する「子飼やるバイ市」を開きます。

子飼商店街振興組合(大潮一寛理事長)と、子飼繁栄会商店街振興組合(下川弘理事長)の主催。

午前11時からのイベント「子飼やるバイ丼」がスタート。好みのおかずを選んで楽しんでもらう仕組みで、丼ご飯を普通盛りは100円、大盛りは150円で販売。おかずとして14店が唐揚げや肉じゃが、焼きチャーシュー、漬物などを200円~20円で提供します。

また、衣料品店や鮮魚店、パン店などが数量限定のお買い得品「ワンコイン商品」を500円で販売します。

熊本地震で被災した商店街に活気を取り戻すためのイベントを国が支援する「商店街にぎわい創出事業」の補助金を活用しました。

両組合によりますと、地震の影響で子飼商店街の人通りは2~3割減。下川理事長(61)は「お客さんが1人でも戻ってきてほしい」、大潮理事長(65)は「核店舗のサンリブ子飼が再開するまで継続的にイベントを企画したい」と意気込んでいます。

子飼やるバイ市は9月17日も開きます。

2.生活情報

【災害ごみ】

『玉名市』

市民を対象に被災家屋や小屋の瓦を同市の仮置き場で受け入れます。9月30日までの平日(午前9時~午後17時)に市環境整備課で申請を受け付け、搬入許可証を発行します。

申請には

(1)市発行の、り災証明書か罹災届出証明書(コピー可)

(2)本人確認書類(免許証など)

(3)印鑑

が必要。市環境整備課TEL0968(75)1118。

『阿蘇市』

阿蘇畜産農業協同組合跡で午前9時~午後16時半(正午~午後13時は中断)に受け入れ。日曜は休止。公費解体の搬入許可証は申請を受け付けています。

『産山村』

平日午前9時~午後16時、村住民課に連絡。指定時間帯に産山地区公民館グラウンドで受け付けます。

『小国町』

平日に町住民課が対応します。TEL0967(46)2115。

『南小国町』

平日に町町民課が対応します。8月末まで。TEL0967(42)1113。

『南阿蘇村』

火、金曜は受け入れ休止。

『大津町』

平日と土曜の午前9時~午後16時、室の永井運送敷地内で、解体木やコンクリートブロック、瓦などに限って受け入れます。罹災証明書などの提示が必要。日曜は休止。

『西原村』

一時休止。平日と土曜の午前8時半~正午と午後13時~同16時半、布田の村民グラウンドで受け入れます。天候次第で中止や時間変更もあります。日曜は休止。

『熊本市』

燃やすごみは東部と西部の各環境工場、埋め立てごみは扇田環境センターで、それぞれ受け入れます。手数料の免除には、市役所や区役所での事前申請が必要。受け入れは午前8時半~午後16時半。市廃棄物計画課TEL096(328)2359。

『益城町』

火、水、木、土、日曜の午前9時~正午と午後13時~同16時、旧益城中央小で。地震で壊れた食器や家具、電化製品などの災害片付けごみは8月末で受け入れを終了します。

『甲佐町』

午前8時半~正午、午後13時~午後16時半、緑川グラウンド。月曜は休止。

『嘉島町』

浮島周辺水辺公園北側で午前9時~正午、午後13時~午後17時。水、日曜は休止します。

『御船町』

町民グラウンドで午前9時~正午、午後13時~午後16時。り災証明書(原本)の提示が必要。月曜は休止。雨天時は休止もあります。

『宇城市』

家屋の公費解体や自主解体を市に申請した人を対象に、家具や家財を仮置き場に搬入できる許可証を発行しています。搬入期限は発行から2週間以内(日曜休止)。申請は平日のみで、り災証明書と身分証明書、印鑑を持参して衛生環境課へ。

【医療】

・県医師会などの「夜間小児救急電話相談」。♯8000またはTEL096(364)9999。午後19時~翌朝午前8時。

・県助産師会の「妊娠・産後電話相談」。TEL096(325)9432。平日午前10時~午後16時。

・労働者健康安全機構の「心と健康に関する電話相談」。心の相談フリーダイヤル(0120)783728。平日午前10時~午後17時。健康相談同(0120)021506。月・水・金曜午後13時~午後17時。問い合わせは熊本産業保健総合支援センターTEL096(353)5480。

・がん患者や家族の相談を、熊本大病院など県内19カ所所の「がん相談支援センター」で受け付けています。県健康づくり推進課TEL096(333)2208。

【避難所】

『大津町』

大津地区公民館分館、老人福祉センター。

『西原村』

構造改善センター。

『熊本市』

市総合体育館(中央区)と城南総合スポーツセンター(南区)で受け入れています。

『益城町』

町総合体育館、町保健福祉センターなど7か所。広安小と広安西小、益城中央小は18日に閉所しました。

『御船町』

町スポーツセンター。

『嘉島町』

町民体育館。

『宇土市』

轟地区体育館は明日19日午前で閉鎖し、走潟地区体育館に集約予定。

『美里町』

町福祉保健センター湯の香苑、中央庁舎、砥用庁舎。

『宇城市』

市武道館。

【銭湯】

『全県』

県公衆浴場業生活衛生同業組合の加盟施設が、自宅で入浴できない被災者を対象に無料開放しています。利用者は、り災証明書もしくは身分証明書の提示が必要。熊本市内は菊の湯(中央区新町)、龍の湯(同区琴平本町)、大福湯(同区坪井)、たかの湯(東区栄町)、あしはらの湯(北区植木町)、松の湯(同)。同市以外はサンパレス松坂(山鹿市)、玉名ファミリー温泉(玉名市)、潮湯センター海老屋(長洲町)。

『山鹿市』

さくら湯は被災者の入浴料を無料に。罹災証明書か身分証が必要。午前6時~翌日午前0時。

『熊本市』

ピースフル優祐悠は、避難所の利用者や自宅のふろが使えない人を無料に。午前5時~午前0時。住所、氏名、年齢の記入が必要。

『益城町』

阿蘇熊本空港ホテルエミナース「七福の湯」は、避難所の利用者や自宅のふろが使えない人を無料に。午前10時~午後22時。り災証明書もしくは運転免許証などの提示と、住所、氏名、年齢の記入が必要。

【給水】

『南阿蘇村』

沢津野詰所前、長野公民館前、袴野集会所前、袴野集会所前、旧立野小グラウンドは午前9時~午後18時。東急第一別荘前、黒川交差点まどか前、長陽中央公民館前は終日。

『西原村』

西原中、山西小は終日。

『熊本市』

市上下水道局(中央区)で飲料水を提供します。

『嘉島町』

町役場南側駐車場の水道を開放。

『美里町』

中央庁舎。

3.ここ一週間の地震

2016/08/19 14:29 19日 14:24頃 トカラ列島近海 1

2016/08/19 13:27 19日 13:24頃 新島・神津島近海 1

2016/08/19 13:02 19日 12:59頃 新島・神津島近海 2

2016/08/19 12:50 19日 12:47頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/08/19 11:31 19日 11:28頃 日向灘 1

2016/08/19 11:09 19日 11:05頃 熊本県阿蘇地方 4

2016/08/19 09:41 19日 09:38頃 熊本県熊本地方 2

2016/08/19 01:29 19日 01:25頃 熊本県熊本地方 2

2016/08/19 01:23 19日 01:19頃 新潟県中越地方 1

2016/08/18 19:34 18日 19:30頃 茨城県北部 1

2016/08/18 14:22 18日 14:18頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/18 03:49 18日 03:46頃 熊本県熊本地方 2

2016/08/18 03:03 18日 03:00頃 茨城県北部 2

2016/08/17 15:32 17日 15:28頃 熊本県熊本地方 2

2016/08/17 13:40 17日 13:37頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/17 12:01 17日 11:56頃 福島県沖 2

2016/08/17 09:47 17日 09:44頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/17 06:51 17日 06:47頃 トカラ列島近海 1

2016/08/17 06:45 17日 06:41頃 トカラ列島近海 2

2016/08/17 06:42 17日 06:39頃 鹿児島県薩摩地方 1

2016/08/17 05:05 17日 05:01頃 福島県浜通り 1

2016/08/17 04:27 17日 04:22頃 宮古島北西沖 1

2016/08/17 04:17 17日 04:13頃 茨城県北部 2

2016/08/17 00:27 17日 00:24頃 青森県三八上北地方 2

2016/08/16 20:42 16日 20:39頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/16 12:00 16日 11:57頃 福島県沖 1

2016/08/16 06:16 16日 06:12頃 秋田県内陸南部 1

2016/08/16 03:51 16日 03:48頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/16 03:47 16日 03:44頃 熊本県熊本地方 2

2016/08/16 03:27 16日 03:24頃 福島県浜通り 1

2016/08/16 00:31 16日 00:28頃 宗谷東方沖 2

2016/08/15 16:08 15日 16:04頃 福島県沖 4

2016/08/15 13:40 15日 13:36頃 伊予灘 3

2016/08/15 05:26 15日 05:23頃 有明海 1

2016/08/15 04:54 15日 04:51頃 十勝地方南部 1

2016/08/15 03:53 15日 03:49頃 福島県沖 3

2016/08/15 02:19 15日 02:16頃 宮城県沖 1

2016/08/14 23:46 14日 23:43頃 沖縄本島近海 1

2016/08/14 16:42 14日 16:38頃 沖縄本島近海 1

2016/08/14 11:50 14日 11:46頃 沖縄本島近海 2

2016/08/14 05:21 14日 05:15頃 千葉県南東沖 2

2016/08/14 05:08 14日 05:04頃 瀬戸内海中部 2

2016/08/13 22:46 13日 22:42頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/13 19:56 13日 19:52頃 釧路沖 1

2016/08/13 17:53 13日 17:49頃 宮城県沖 2

2016/08/13 15:03 13日 14:59頃 熊本県熊本地方 2

2016/08/13 13:01 13日 12:57頃 福島県沖 2

2016/08/13 07:20 13日 07:17頃 網走沖 1

2016/08/12 23:16 12日 23:13頃 千葉県東方沖 1

2016/08/12 22:14 12日 22:11頃 有明海 1

2016/08/12 20:49 12日 20:45頃 有明海 1

2016/08/12 16:05 12日 16:02頃 福島県沖 1

2016/08/12 12:53 12日 12:49頃 熊本県熊本地方 1

2016/08/12 11:13 12日 11:09頃 長野県南部 1

2016/08/12 09:54 12日 09:51頃 熊本県熊本地方 1

(続く)

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