【連載213】熊本地震取材日誌(2016年の今日、熊本で何があったのか?

『黒川第一発電所大量水流出村民死者事故、九電過失を認めず!』

11月12日土曜日昼

【熊本地震・被災者生活・復旧復興情報】

*下記熊本情報はあらゆる箇所で重複しています。ご了承ください!

皆様こんにちは。熊本地震で九州電力黒川第一発電所(熊本県南阿蘇村)の貯水槽から大量の水が流出した問題で、付近で起きた斜面崩壊との関連を調べていた九電の技術検討会が昨日11日、結論を大筋でまとめました。流出した水が土砂を巻き込み、ふもとの集落に流れ込んだと認定しましたが、被害をどの程度拡大させたかは明示しませんでした。九電は法的責任を否定する一方で、補償などの対応を検討しています。

発電所は4月16日未明の本震で貯水槽の外壁や水路が壊れ、約1万トンの水が流出。土砂とともにふもとの新所(しんしょ)地区に流れ込み、9世帯が巻き込まれ、60代夫婦が死亡しました。九電は7月から、専門家を交えた技術検討会(座長=松田泰治・熊本大学院教授)で調査などを行っていました。

検討会は、地震による大規模な斜面崩壊の影響で発電所設備の地盤が失われ、水が流出したと認定。水流出が発端で斜面崩壊が起きたとの見方を否定しました。

一方で、流出した水が、先に崩れた土砂を巻き込んで集落まで到達したことも認めました。しかし、流出がなければ集落まで土砂が流入しなかったかは「複合事象が短時間で起きており、水流出の影響度合いは確定できない」と明言を避けました。

検討会後に会見した九電熊本支社の谷口吉信副支社長は「地震による不可抗力で法的責任はない」と過失を否定。4月14日の前震後も貯水槽の水を抜かずに稼働を続けたことについても、地震後の点検などで設備に異常がないと確認したと正当性を強調しました。

一方で「水が流れ出たのは事実。被災者、ご遺族におわびし、できる限りの対応をしたい」と述べ、金銭的な補償などを検討していることを明かしました。

九電は今月20日に地区住民と協議するが、責任を問う声も出ており、協議が難航する可能性もあります。

発電所は1914年に完成。黒川から取水し、貯水槽から発電所までの約250メートルの落差を利用して発電していました。最大出力4万2200キロワットで、約1万4千世帯分の電気を供給できます。

◆住民「誠実さ感じない」

「責任があやふやなままでは、亡くなった人が浮かばれない」。9世帯が土砂災害に巻き込まれた南阿蘇村の新所地区。60代男性は昨日11日に公表された九電側の見解に憤りました。自身の家も被害を受けました。「知りたい情報が含まれていない。九電の対応は誠実さが感じられない」。

不信の背景には事故後の九電側の対応があります。

貯水槽からの水流出を九電が明らかにしたのは地震発生から20日ほど経過した5月上旬。9月には地区住民に金銭支払いを打診しましたが、復旧工事を進めるための「借地料」などとしていました。住民側は「不明瞭な名目での金銭は受け取れない」と固辞しました。

地震からまもなく7カ月となる今も新所地区では家屋が倒壊したままです。50代男性は「前震の時点で本当に何も起きていなかったのか。その時点でちゃんと調べたのか疑問だ」と指摘。「水が集落に押し寄せた分は補償してほしい。協議は長引くだろう」と話していました。

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11月7日~11月11日15時までの阿蘇山の活動状況をお知らせします(福岡管区気象台発表)。火山の活動状況など中岳第一火口では噴火は観測されていません。9日に実施した現地調査では火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1日あたり2500トン(前回1日2600トン)と引き続き多い状態でした。遠望観測では白色の噴煙が最高で火口縁上600mまで上がりました。火山性微動の振幅は小さな状態で経過しています。孤立型微動は少なく、火山性地震はやや多い状態で経過しています。

11月7日以降の火山性地震、孤立型微動の発生状況は以下のとおりです。なお発生回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

(左から火山性地震数、孤立型微動数)

11月7日:74回、4回

11月8日:50回、6回

11月9日:101回、4回

11月10日:67回、2回

11月11日15時まで:29回、2回

傾斜計では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。

GNSS連続観測では、山体の膨張の可能性が考えられるわずかな伸びの傾向が、2016年7月頃から認められています。

阿蘇山の火山活動は引き続き活発な状態となっており、今後も爆発的噴火が発生する可能性があります。

噴火警戒レベルごとの情報、警戒事項はレベル3(入山規制)です。

中岳第一火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。風下側では、火山灰だけでなく、風の影響を受ける小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。また、火山ガスに注意してください。

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火山観測に関係する用語

◆遠望観測:えんぼうかんそく

火山を定まった地点から遠望し、噴煙の高さ、色、噴出物(火山灰、噴石など)、 火映などの発光現象等を観測することです。

火山監視・警報センターでは、常時観測火山に設置した火山遠望観測装置により、火山活動を24時間監視しています。

また阿蘇山火山防災連絡事務所でも阿蘇中岳の第一火口や火口付近の様子をこの装置を使って監視できます。

◆火山ガス観測:かざんがすかんそく

火口から放出される火山ガスには、マグマに溶けていた水蒸気(水)や二酸化硫黄、硫化水素など様々な成分が含まれています。

阿蘇山の中岳第一火口では、活動が穏やかな時も常に二酸化硫黄を放出しており、マグマの活動が活発になると二酸化硫黄の放出量が増加します。

阿蘇山火山防災連絡事務所では、太陽散乱光のうちの特定波長紫外線を二酸化硫黄が吸収する性質を用いて放出量を観測しています。

ガスのセンサーを取り付けた車で往復したり、センサー動かしてガスを輪切りにするイメージです。これを数度繰り返して平均をとります。

◆火山性地震:かざんせいじしん

火山体またはその周辺で発生し、震源の深さが10kmより浅い地震のことで、地下で何らかの破壊現象が起きて発生すると考えられています。

火山性地震にはA型地震、B型地震、爆発地震等があります。

A型地震は、マグマの活動に伴う火道周辺での岩石破壊などを原因として発生します。 一般的には構造性の地震と同じで、P波、S波の相が明瞭です。

B型地震は、火道内のガスの移動やマグマの発砲などが原因として発生すると考えられています。 火口周辺の比較的浅い場所で発生するものと火山体等の深い場所で発生するものがありますが、 相が不明瞭のため震源が求まるものは少数です。

爆発地震は噴火の衝撃による地震で、同時に空振波や特殊な表面波も記録することがあります。

火山性地震は火山によっては火山活動が活発化すると多発する傾向があります。

◆火山性微動:かざんせいびどう

火山付近で観測されるマグマの活動に起因する連続した振動のことです。

火山性地震とは異なり震動が数十秒から数分、時には何時間も継続します。

マグマ溜りや火道内でのマグマや火山ガスの固有振動、マグマが地割れの中を移動する際に起こす振動等が微動の原因と考えられています。 火山活動が活発化した時や火山が噴火した際に多く観測されます。

また阿蘇山では 孤立型微動という阿蘇山特有の微動が発生します。

◆現地調査観測:げんちちょうさかんそく

火山体及びその周辺の噴気温度、地熱、火山ガス及び水温等表面の現象を総合的に観測することです。

阿蘇山火山防災連絡事務所では阿蘇中岳火口や噴気地帯(南阿蘇村吉岡)の現地調査観測を行っています。 観測は熱映像装置やデジタルカメラ等を用いて湯だまりや火口壁や火口底の温度測定や写真撮影を行ったりします。 また噴気音や鳴動音、臭気、湯だまりの増減、噴煙など火口内の様子を詳細に記録しています。 その観測の結果は福岡火山監視・警報センターから発表される火山情報に掲載されています。

◆孤立型微動:こりつがたびどう

阿蘇山特有の火山性微動で、平穏時でも1日に数個から数十個くらい発生しており、 活動が活発化すると数百から数千個にまで増えることがあり、この微動の増減が阿蘇山の火山活動を評価する指標の一つになっています。

火口直下のごく浅い場所で発生し、周期0.5~1.0秒程度で、振幅が一定以上の微動が孤立的に現れます。 阿蘇山では振幅5μm/s以上のものを孤立型微動として記録しています。

発生のメカニズムは火山ガスや地下水が発生に起因していると考えられていますが詳細は不明です。

◆GPS観測:じーぴーえすかんそく

火山活動域周辺の狭い領域において、定まった観測点にGPS観測装置を設置し、 ローカルな領域での地殻変形を観測することで、火山活動の状態を監視します。

◆震動観測:しんどうかんそく

火山及びその周辺に発生する火山性地震、火山性微動等を観測することです。

気象庁は震源や波形を解析して、火山活動の状態の把握に努めています。

◆地殻変形観測:ちかくへんけいかんそく

地下のマグマ活動等により火山体やその周辺の地殻が傾斜変化したり、膨張・収縮したりします。 そこで火山体周辺に傾斜計やGPSを設置し、それらによって地殻の動きを観測することにより、地下の活動を把握するものです。

◆地磁気観測:ちじきかんそく

火山体内部のマグマ等が活動すると、火山近傍の地磁気の値が変化します。 そこでこのような地磁気の変化を観測し、火山内部の熱的状態等を把握するものです。

◆熱観測:ねつかんそく

熱映像装置により、火口やその周辺の温度分布を面的に捕らえ、広範囲にわたった熱活動の状態を観測することです。

阿蘇山火山防災連絡事務所ではこの熱映像装置の他、赤外放射温度計も用いて火口壁の噴気孔の温度や 湯だまりの温度、噴気を上げていない火口壁や火口底の温度も観測し、阿蘇山の火山活動を注意深く監視しています。

◆微動停止:びどうていし

阿蘇山では火山活動が活発な時は振幅の大きい火山性微動が連続して発生しますが、この連続微動が急激に小さくなることを微動停止と呼んでいます。

過去に阿蘇山では微動停止後に爆発的な大きな噴火がありました。 そこで阿蘇山火山防災連絡事務所では微動停止を噴火の前兆現象の一つとして考え、24時間、注意深く監視しています。

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1.被災地情報

①鹿児島知事、川内原発の特別点検を視察!専門家2人同行

鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事は昨日11日、九州電力が川内原発(鹿児島県薩摩川内市)で行っている「特別点検」の視察を始めました。原発内に入るのは就任後初めて。原子力工学の専門家2人を同行させ、非常用電源設備や使用済み核燃料ピットなどの点検状況を確認します。

特別点検は、三反園知事が8、9月に川内原発の即時停止を要請した際、九電が要請に応じない代わりに実施を約束。10月に始まった1号機の定期検査と並行して追加で実施しています。同行するのは、宇根崎博信・京都大原子炉実験所教授と、守田幸路・九州大教授。宇根崎氏は愛媛県の伊方原発環境安全管理委員、守田氏は原子力規制委員会のシビアアクシデント技術評価検討会のメンバーです。

九電は、定期検査で停止中の1号機を12月8日にも運転再開する予定。三反園知事は当初、視察結果を県独自の第三者機関「原子力問題検討委員会」で確認してもらい、その上で運転再開について判断する考えでしたが、まだ検討委設置に必要な議案を県議会に提出していません。10月28日の記者会見では「私がどう対応を取ろうとも、九電は稼働させていくことになる」と述べ、運転再開を事実上容認する姿勢を示しました。

②子ども泣くほど不気味な「きくちくん」、地元熊本で人気

緑の頭に青い顔、干からびたような目を見開き、白黒まだらの足でノシノシ歩く!熊本県菊池市の非公認ゆるキャラ「きくちくん」は子どもが泣き出すほど不気味です。なのに最近は引っ張りだこ。その秘密は毒舌の裏にのぞく地元愛や名言にあるようです。昨日11日で誕生から1年を迎えました。

「きくちくんは非公認。認められていないんだもんね」。10月、イベントで共演した地元タレントにそう言われると、「なんね。その言い方がネガティブたい。おれはよかって。公認になったらたい、よかことしか言えんばい」とテンポよく切り返し、県公認で大人気のくまモンを「あいつは自分でしゃべりきらんとぞ」とこき下ろします。会場は笑いに包まれました。初挑戦した今年の「ゆるキャラグランプリ2016」では計1421体中272位に終わりましたが「くまモンば倒す!」と公言してはばかりません。

誕生は昨年11月11日。本人いわく「菊池のことが好きすぎて、朝起きたらこの姿になっていた」。頭は地元名産のメロン、顔の青さは観光名所の菊池渓谷、眉毛は温泉。美しさやバランスを度外視した感はありますが、体のすべてが「菊池のいいところ」を表しているそうです。

勝手に菊池をPRしてきました。初めの仕事は市内の小学校での読み聞かせ。オリジナル桃太郎を読み上げましたが、児童はおびえ、以後、小学校からの仕事は入らなくなりました。「きくちくんと生電話」を企画してツイッター上で呼びかけても反応はありませんでした。

それでもめげずに活動を続け、自らを描いた塗り絵や缶バッジといったグッズを自腹で作ってイベントで売り、ツイッターやフェイスブックではまめに投稿や返信を続けてきました。

地元のテレビ番組に取り上げられ、知名度が上がりはじめたころ、熊本地震が起きました。

地震後に、こんなつぶやきがあります。

「痛みもなく前に進める訳なかとかも。ならば痛みを感じることを是としよう。俺には俺の道がある。地震に立ち向かう方法は一つじゃなか。まだまだ負けてたまるかてね」。

「人は負けるな!って言うけど、本当にそれだけかね? たまには後ろに下がっても、横に逸(そ)れてもよかよ。道は一つじゃなか。ただ信じた道を進めばよかとよ」。

出演するイベントの一つひとつにつく「復興」の文字に感じる思いも吐露しました。

「それに勇気が出る人もいればん~と思う人もおるとじゃ? せっかく楽しいイベントの最中なのに復興って言葉が縛りを作る。被災地になるってことはこんなにも逃げ場が無くなるとばいね。そんなことせんでも忘れるわけないとにね」。

ファンは徐々に増えました。市内の菓子店「中原松月堂」は8月、きくちくんの焼き印を押したどら焼きや頭のメロンにちなんだメロンブッセを売り始めました。同店の中原恭美さんは「他県の人にもきくちくんを説明するだけで菊池のことを知ってもらいやすくなった」。シンガー・ソングライターのれーなさんは「きくちくんのうた」をつくり、「顔色悪いけど、本当は優しいジェントルマン。みんなを笑顔にしたいんだ」と歌っています。

今では週末は1日2~3本のイベントに呼ばれます。本日12日には菊池市の泗水(しすい)公民館で誕生祭が開かれます。

きくちくんは言います。「俺たちが笑って過ごすことがこの街の復興になる。笑っていくばい」。

③熊本市役所で消防訓練中に地震!職員ら緊張

熊本市は昨日11日、市役所で消防訓練を実施しました。職員約500人が初期消火や避難の手順を確認しました。訓練中に熊本地方を震源とする震度4の地震が実際に発生し、庁舎は緊張感に包まれました。

市役所9階と隣の駐輪場別館6階の電気機器が発火したと想定。各フロアなどに決めている自衛消防隊の職員が中心となり、消火器での初期消火や、来庁中の市民の誘導方法などを確かめました。

初期消火には「失敗」し、職員は階段で正面玄関前に避難。中央消防署がはしご車で、高層階に取り残された人を助け出しました。

訓練終盤に実際の地震が発生。玄関のガラスが揺れ、どよめきが起きました。大西一史市長は訓示で「先ほど本物の地震があった。何が起きてもおかしくはない。市民や自分自身の安全な避難について、いま一度確認してほしい」と呼び掛けました。

➃大津町の翔陽高生が福島・双葉翔陽高を訪問、支援に直接お礼

東京電力福島第1原発事故で福島県いわき市に避難し、来年度から休校する双葉翔陽高に昨日11日、校名が同じ縁で事故後、交流を続けてきた熊本県大津町の翔陽高の生徒5人が訪れ、熊本地震の支援への感謝を伝えました。

双葉翔陽高は熊本地震の直後、学校内で募金約3万円を集め、翔陽高に寄付。翔陽高3年で生徒会長の坂崎弘実さん(18)は「原発事故でまだまだ大変なのに『次は私たちが支える番だ』と募金をしてくれたのがとても心強かった」と、感謝の言葉を述べました。

この日開かれた交流会では、熊本地震で西原村の自宅が全壊し、現在は仮設住宅から通学している翔陽高3年東望美さん(18)が被害の様子を報告。双葉翔陽高の生徒からは、現在の原発事故の避難区域や事故直後の様子が紹介されました。

双葉翔陽高3年の山田勇樹さん(18)は「来年度から休校してしまうが、この縁を将来も大切にしていきたい」と話しました。

⑤ジャムで特産品アピール!松橋高生が商品開発

熊本地震で被災した地元を元気づけようと、松橋高(熊本県宇城市)の生徒たちが特産のナシや不知火(デコポン)を使ったジャムを開発しました。本日12日に同校で開かれる文化祭で販売します。

情報処理科の授業の一環で、2年生36人が特産品を使った加工品の開発を進めてきました。

生徒たちが考えた商品は「ナシレンジャーム」。ナシ、不知火に砂糖、レモンを加えたさっぱり味が特長です。

製造は、熊本県宇土市でジャムの加工販売に取り組む平田亜希さん(43)に委託。商品のラベルや、イメージキャラクター「なしレンジャー」のイラストは生徒たちが作りました。

文化祭では60個(1個450円)を販売予定。生徒たちは「お客さんに喜んでもらえるように工夫を重ねた。たくさん売って宇城の特産品をアピールしたい」と張り切っています。販売は午前11時~午後14時。

⑥九電が南阿蘇村立野地区の宅地買い取り案!水流出で検討

*前出トピックス記事と一部重複

熊本地震で損壊した黒川第1発電所(熊本県南阿蘇村立野)の貯水槽から推定約1万トンの水が近くの集落に流出した問題で、九州電力が土砂崩れに巻き込まれた宅地を買い取る意向を一部の住民に伝えていたことが昨日11日、分かりました。九電は「買い取りを決めたわけではない。今後の対応の選択肢の一つとして説明した」と答えました。

九電は同日、水の流出が家屋被害に影響した事実を認め、金銭の支払いを検討する方針を明らかにしました。熊本支社の谷口吉信副支社長は会見で「水の流出は地震による不可抗力で管理上の過失はなく、損害賠償はできないが、何らかの形で対応していきたい」と述べました。宅地買い取りは補償の意味を含め、検討しているとみられています。

関係者によりますと、九電は発電所施設の復旧工事に必要な用地として、被災家屋のある土地の買い取りを検討していることを、11月上旬までに複数の住民に説明したとのこと。9月には、土地の賃借交渉を住民に持ち掛け、賃借料の支払いを打診しています。

九電は20日に住民説明会を開き、今後の対応について意見を交わします。住民からはこれまで「まずは水が流出した事実について、公式に謝罪してほしい」「あくまで被害に対する補償を求めたい」との声が上がっています。

貯水槽の約200メートル下にある南阿蘇村立野の新所区では、4月16日の本震後に土砂崩れが発生。9世帯が巻き込まれ、60代の夫婦が死亡しました。被災世帯は仮設住宅などで暮らしています。

⑦被災鳥居、個人負担で再建!「早く戻したかった」

熊本地震で被災した熊本県山都町北中島の長谷年禰(としね)神社の鳥居がこのほど、住民の善意で再建されました。地元の歌野正則さん(91)が「神様に申し訳ない」と費用を負担しました。

同神社は、毎年春と秋の例大祭でにぎわうなど地域に親しまれていましたが、4月の地震で高さ約3メートルの石造りの鳥居が完全に崩落。玉垣の一部が倒れ、本殿も傾いてしまいました。

無残な姿を見かねた歌野さんが、鳥居の修復費用120万円を神社に寄付。9月末に再建工事が始まり、10月9日に真新しい鳥居が住民にお披露目されました。「兄の出征を見送った恩義のある神社。入り口の鳥居だけでも、早く元に戻したかった」と歌野さん。

10月28日、神社を訪れた歌野さんは「立派な鳥居になり、神様も喜んでいるだろう」。地元の歌野隆一区長(62)も「大切に後世へ残したい」と話していました。

⑧熊本市1万6千世帯にマイナンバー通知届かず

国民に番号を割り振るマイナンバー制度で、世帯ごとに送付される「番号通知カード」について、熊本市で約1万6千世帯分が未達のまま保管されていることが昨日11日、分かりました。市は「保管期間が1年を過ぎる」として来年2月以降に破棄する方針です。

番号通知カードには、12桁の個人番号や名前、住所などが記載されています。世帯ごとにまとめ、住民票に記された住所に簡易書留で送ることになっており、熊本市でも昨年末までに全世帯へ郵送を終えていました。

しかし転送できない決まりのため、「本人不在」として戻ってきたものも多く、10月末現在で1万6559世帯分が未達。市社会保障・税番号制度推進室は「保管するカードは段ボール約50箱分に上り、スペースも必要で、業務負担も大きい」として来年1月末まで保管した後、破棄するそうです。

総務省は「全世帯に届くよう対応してほしい」と求めています。市は広報紙を通じて受け取りを呼び掛ける一方、「人的余力がなく、再発送には費用もかかる。国の財政支援もない」として、未達世帯に個別に通知カードの保管を知らせたり、再発送したりする対応は取っていません。

マイナンバーは、確定申告や年末調整など税金に関する手続きや児童手当などの申請、金融機関での一部の取引でも必要になるようです。市は「住民票を取得すれば、世帯一人一人の番号が既に記されている」と説明。通知カードの再発行も可能ですが、手数料500円は自己負担となります。

⑨紅葉の絶景「空中散歩」 八代市・五家荘

八代市泉町の五家荘で、紅葉が見頃を迎えています。市泉支所によりますと、この数日の冷え込みで一気に色づきが進みました。

昨日11日は標高約750メートルにある梅の木轟公園付近が最も鮮やかに。観光客はつり橋(長さ116メートル、高さ55メートル)を渡り、紅葉の中の“空中散歩”を楽しんでいました。

同公園で特産品を販売する杉本恭一郎さん(50)は「例年より色づくのが遅かったが、赤みが強く、この数年では一番鮮やか」と話していました。

20日まで「五家荘紅葉祭」を開催中。同支所TEL0965(67)2111。

⑩News Up ブルーシートを復興の種に!

*過去記事と一部重複

ことし4月、震度7の揺れを2回観測した熊本地震の被災地では、地震から半年以上がたっても壊れた住宅の修理が進んでいません。今も多くの屋根がブルーシートで覆われていて、上空から撮影した映像を見ると青い部分がとても多いことが印象に残ります。このブルーシートを素材にトートバッグを作って販売し、収益の一部を被災地の支援に充てて、復興に役立てようという取り組みが行われています。

◆熊本のクリエーターが中心に活動

取り組みを行っているのは、熊本県内のクリエーターが中心になって設立した「Bridge KUMAMOTO(ブリッジ熊本)」という団体です。名前には被災地と熊本県内外の支援の懸け橋になりたいという願いが込められています。

この団体は5月に設立され、被災地の状況を全国に発信したり、熊本を元気にするためのイベントを開いたりするなどの活動を行ってきました。

◆ブルーシートは熊本地震を象徴するもの

ブルーシートのトートバッグを考案したのは、ブリッジ熊本の代表で、広告の制作などを行っているグラフィックデザイナーの佐藤かつあきさん(38)です。

佐藤さんは長崎県出身ですが、妻の実家がある熊本県上天草市に住んでいます。被災はしなかったものの、ボランティア活動を行っていた知り合いから、被災者の生活支援の次には、地震で仕事や観光客が減って苦しむ企業などの支援が必要だと言われたことをきっかけに、5月から活動を始めました。

その後、8月に被災地の状況を発信しようと、佐藤さんは仲間とドローンを使って上空から撮影を行いました。そのとき、被災した住宅の屋根を覆うブルーシートが多いことに気付き、ブルーシートは熊本地震を象徴するものではないかと感じたと言います。ネガティブなイメージがあるブルーシートをポジティブなイメージに変えて、被災地の支援につなげることができないかと考えたのです。

◆大漁旗を再生する取り組み参考に

参考にしたのは宮城県石巻市での取り組みでした。東日本大震災の津波で流され、泥をかぶって汚れた大漁旗を洗ってきれいにし、帽子や髪留めなど、さまざまなグッズによみがえらせて販売しています。

佐藤さんはブルーシートを使って、ブレスレットなどのアクセサリーや、雨がっぱなどを作ることも検討しましたが、男女を問わず、幅広い年代の人たちに使ってもらいたいとトートバッグを作ることにしました。

◆一つ一つ異なる仕上がりに

佐藤さんは知り合いの建設業者やボランティア団体に頼んで、熊本県内で屋根や壁を覆ったり、崩れそうな土手を覆っていたりしていたブルーシートを譲ってもらいました。

しかし、ほとんど泥だらけで、中にはカビが生えているものもありました。このため、日中の仕事が終わった夕方から夜にかけて、佐藤さんは食器用の洗剤を使って、一枚一枚、汚れを丁寧に落としました。

そして、アパレルブランドと中小の縫製工場とのマッチングを行っている熊本の企業の協力を得て、大分県の縫製工場でトートバックの製品化にこぎつけました。

ブルーシートと言っても、青色が濃いものや、水色のもの、色あせているものといったように風合いが違い、100個ほど作ったトートバッグは一つ一つ異なる仕上がりになっています。また、裏地をつけて耐久性を高め、使い勝手のよさにもこだわりました。

今月4日から、都内で販売を始めたトートバッグは1個3900円。佐藤さんは、売り上げから経費を除いた分を被災地の支援に充てたいと考えています。

◆ブルーシートをブルーシード(青い種)に

8月に、このアイデアを思いつき、早い段階で発表していましたが、当初、周囲の反応は、あまりよくありませんでした。

ところが、先月25日、フェイスブックに被災地の上空をドローンで撮影した動画を公開したところ一気に拡散しました。壊れた住宅の屋根の多くがブルーシートで覆われている様子をとらえた映像の再生回数は6万回以上に達しました。動画のコメント欄には、熊本県内の人からも「購入したい」などと多くの書き込みが寄せられています。

「この考え、かっこいい」

「西原村の役場に使用済みのブルーシートがいっぱいありますよ」

「ブルーシートには本当に助けられました。こうやって再利用されるのは、とてもうれしいですし、すばらしいですね」

「ネットでも販売してほしい」

「熊本で販売するようになったら、ぜひ買いに行きます」

佐藤さんは、このトートバッグについて、「例えば、レジ袋を貯めて入れる袋だったり、お子さんの弁当袋だったり、身近なところで使ってもらい、それを見たときに、熊本の被災地のことを少しでも思い出してくれたらうれしい。ブルーシートがブルーシード(青い種)となって、復興につながっていけば」と話しています。

◆ネットや熊本での販売も検討

ブリッジ熊本では今月13日まで、東京・渋谷区で熊本県の農畜産品を味わえるカフェを期間限定で開いていて、そこでブルーシートのトートバッグを販売することにしていましたが、7日までに販売用に準備した約80個は、すべて売り切れたということです。

今後、追加でバッグを作ることにしていて、期間限定のカフェでは、バッグを手に取って見ることができるほか、予約の受け付けも行っています。また、ネットや熊本県内での販売も検討するということです。

詳しい情報はこちらから

https://www.facebook.com/bridgekumamoto/

⑪くまモン、熊本地震支援のお礼で県庁訪問

熊本県の人気ゆるキャラ「くまモン」が昨日11日、熊本地震の支援への感謝を伝えるため、茨城県庁を訪れました。県の非公認ゆるキャラ「ねば~る君」とも再会したほか、子どもたちともふれ合いました。

くまモンは山口やちゑ副知事を訪問し、「力強く温かいご厚意は、被災した私たちにどれほどの勇気と生きる力を与えてくれたか分からない」とする蒲島郁夫・熊本県知事の礼状を手渡しました。山口副知事は「東日本大震災の経験があったので、災害対応に熟練したスタッフを派遣できた。今後は、文化や教育でさらに交流が深まれば」と話していました。その後、くまモンは県庁見学に来ていた茨城県日立市立塙山小の児童約70人を交えて全員でダンスを踊るなどして楽しんでいました。

茨城県は熊本地震発生直後から7月末まで、県職員延べ381人を派遣し、避難所運営などを支援しました。現在も1人を来年3月末まで長期派遣しています。

⑫妙見祭の「馬揃い」で飾り馬におはらい

八代市妙見町の八代神社で昨日11日、八代妙見祭に登場する飾り馬がおはらいを受けました。「馬揃(ぞろ)い」と呼ばれる神事で、市内の高校同窓会や町内会、青年会議所など9団体がポニーを含む馬計11頭を連れてきました。

飾り馬は23日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録される見通しとなった妙見祭の神幸行列に加わり、河原で水しぶきをあげて走る力強い演舞を披露します。

神前にポニーを引いてきた八代市立第4中学1年の津山優真君(13)は「馬が大好きで、小学3年の時から参加している。これからもずっとやりたい」と話していました。

⑬本の帯創作コン、西合志東小3年の小河さん入賞

小学生が児童書の表紙に巻く「帯」をデザインする第12回大阪こども「本の帯創作コンクールの入賞作が決まりました。低、中、高学年ごとの課題図書部門と自由図書部門があり、全国14都府県の265小学校から計1万1394点の応募がありました。大阪読書推進会長の宮川健郎(たけお)・武蔵野大学文学部教授らが、最優秀の大阪府知事賞など105点を選びました。

朝日新聞熊本総局長賞には合志市立西合志東小3年の小河百合さんが選ばれました。

表彰式は本日12日午後13時から、大阪市中央区のエル・おおさか(府立労働センター)であり、入賞作品も会場で展示されます。

⑭熊本県代表、準々決勝に進出 全国レディーステニス

東京都昭島市の昭和の森テニスセンターで開かれているソニー生命カップ第38回全国レディーステニス決勝大会2日目の昨日11日、熊本県代表(坂本中・小山香組、加来美恵・栃原まどか組、関美香・楠恵美子組)は3回戦で青森県代表を、準々決勝で新潟県代表をいずれも2-1で破り、準決勝に進出しました。

⑮「花ざかりの森」熊本で発見!三島デビュー作直筆原稿「作家誕生語る一級資料」

作家の三島由紀夫(1925~70)が16歳の時に書いたデビュー作「花ざかりの森」など初期4作品の直筆原稿が熊本市で見つかりました。三島の才能を見いだした同市の国文学者、蓮田善明(1904~45)の遺族が9月、同市のくまもと文学・歴史館に寄贈した関係資料に含まれていました。研究者は「三島文学を研究する上で貴重な資料。ともに国を憂えて自決した2人の精神的なつながりの深さも裏付ける」と指摘しています。

4編の原稿は400字詰めで、ひもでとじてありました。同館は、完全に解読できる保存状態であり、蓮田家が約70年間大切に保存していたことなどから、直筆に間違いないとみています。

4編は、蓮田が発行兼編集人を務めていた同人誌「文藝文化」の41年9月号~43年9月号にかけて初掲載。後に単行本や全集にまとめられましたが、直筆原稿はいずれも長く所在が分かっていませんでした。

花ざかりの森は、三島が学習院中等科在学中に執筆した短編小説。原稿は56枚ありました。恩師の清水文雄が広島高等師範学校の同窓生だった蓮田と文芸仲間だった縁で、文藝文化に掲載してもらったとみられています。

このほか、随筆の「壽」(11枚)、短編小説の「みのもの月」(43枚)、短編小説の「世々に殘さん」(105枚)もありました。

三島由紀夫文学館(山梨県山中湖村)の松本徹館長は、「『花ざかりの森』の原稿は最終稿に近いものと思われ、作家・三島由紀夫誕生の経緯を物語る第一級の資料だ。これまで三島研究者の間でもあまり探求されていなかった蓮田との深いつながりを証明する価値もある」とみています。三島は70年11月、陸上自衛隊市ケ谷駐屯地で自決。松本館長は「蓮田はマレー半島で終戦を迎え自決したが、三島の自決にも何らかの影響を与えたと推察される」と指摘しました。

2.ここ一週間の地震

2016/11/12 09:34 12日 09:30頃 トカラ列島近海 1

2016/11/12 07:30 12日 07:25頃 与那国島近海 2

2016/11/12 06:53 12日 06:43頃 宮城県沖 4

2016/11/12 06:48 12日 06:43頃 宮城県沖 4

2016/11/12 02:58 12日 02:55頃 熊本県熊本地方 2

2016/11/12 02:45 12日 02:41頃 栃木県南部 2

2016/11/11 22:10 11日 22:07頃 宮城県沖 1

2016/11/11 13:59 11日 13:54頃 伊勢湾 1

2016/11/11 10:16 11日 10:12頃 熊本県熊本地方 4

2016/11/11 01:02 11日 00:59頃 鳥取県中部 1

2016/11/11 00:50 11日 00:44頃 薩摩半島西方沖 1

2016/11/11 00:15 11日 00:09頃 トカラ列島近海 1

2016/11/10 17:52 10日 17:49頃 大隅半島東方沖 1

2016/11/10 11:34 10日 11:31頃 長野県中部 1

2016/11/10 07:32 10日 07:28頃 宮城県沖 1

2016/11/10 07:26 10日 07:20頃 宮城県沖 2

2016/11/10 03:59 10日 03:55頃 埼玉県南部 1

2016/11/10 00:11 10日 00:08頃 熊本県熊本地方 1

2016/11/09 22:13 09日 22:09頃 福岡県北九州地方 1

2016/11/09 20:12 09日 20:08頃 熊本県熊本地方 2

2016/11/09 15:40 09日 15:37頃 紀伊水道 1

2016/11/09 15:17 09日 15:14頃 豊後水道 1

2016/11/09 07:12 09日 07:09頃 千葉県北東部 1

2016/11/09 05:53 09日 05:50頃 福岡県北九州地方 1

2016/11/09 00:05 09日 00:02頃 熊本県熊本地方 2

2016/11/08 21:47 08日 21:43頃 茨城県沖 2

2016/11/08 18:26 08日 18:20頃 鹿児島県薩摩地方 1

2016/11/08 18:13 08日 18:08頃 鹿児島県薩摩地方 1

2016/11/08 17:26 08日 17:20頃 熊本県阿蘇地方 1

2016/11/08 17:20 08日 17:17頃 鳥取県中部 3

2016/11/08 10:30 08日 10:27頃 熊本県球磨地方 2

2016/11/08 08:28 08日 08:24頃 父島近海 1

2016/11/07 23:54 07日 23:50頃 鳥取県中部 1

2016/11/07 23:32 07日 23:28頃 福岡県北九州地方 2

2016/11/07 19:35 07日 19:32頃 新島・神津島近海 1

2016/11/07 13:35 07日 13:31頃 鳥取県中部 1

2016/11/07 10:18 07日 10:15頃 宗谷地方北部 2

2016/11/07 06:41 07日 06:36頃 岩手県沖 1

2016/11/07 05:30 07日 05:26頃 沖縄本島近海 1

2016/11/07 01:57 07日 01:54頃 熊本県熊本地方 2

2016/11/06 20:22 06日 20:17頃 福岡県北九州地方 3

2016/11/06 17:12 06日 17:08頃 大阪府北部 2

2016/11/06 11:36 06日 11:34頃 熊本県熊本地方 2

2016/11/05 17:01 05日 16:57頃 日向灘 2

2016/11/05 13:48 05日 13:45頃 伊予灘 1

2016/11/05 13:39 05日 13:35頃 秋田県沖 1

2016/11/05 07:01 05日 06:58頃 宮城県沖 1

2016/11/05 02:28 05日 02:23頃 鳥取県中部 1

(続く)

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