ブライアン・メイ、AIへの考えが「変わった」と語る

ブライアン・メイ、AIへの考えが「変わった」と語る――ABBA形式のクイーン・アバター公演には「可能性を残している」

クイーンのギタリスト、ブライアン・メイが、アブソリュート・ラジオのレオナ・グラハムによる新たなインタビューに応じ、高度な人工知能(AI)システムの発展について語った。メイは、AI技術があまりにも急速に進歩しているため、人間が制御を失う危険性があると警告した。

AIに対する個人的な見解を尋ねられたメイは、次のように答えた(BLABBERMOUTH.NETによる書き起こし)。

「実のところ、私の考えは変わりました。当初は、『これは産業革命のようなものだ。いずれ必ずやって来るし、私たちにはどうすることもできないのだから、考えても仕方がない』と思っていました。

しかし今は、違う考えを持っています。私たちは抵抗し、その適用範囲を制限しなければならないと感じています。極めて真剣に、そして一刻も早く制御しなければなりません」。

イギリス政府はこれまで、データセンターを経済成長の推進力、そして特定の地域にデジタル・インフラ事業を誘致する手段として推進してきた。一方で、電力や水の使用量を懸念する声も上がっている。この点について、ブライアンは続けた。

「データセンターが建設され、私たちの美しい田園地帯を破壊していく状況が、私は大嫌いです。これは非常に大きな脅威であり、今後さらに拡大していくと考えています。

こちらが与えれば与えるほど、彼らはますます多くを奪っていきます。そして、地域社会を破壊し、環境も破壊します。私たちの国で、このようなことを起こさせてはなりません。アメリカでは、すでに地域社会が破壊されています。

ですから、アンディ・バーナムに伝えたいのは、『どうかお願いします。今や、これはあなたの仕事です。手遅れになる前に、データセンターの建設を直ちに一時停止しなければなりません』ということです」。

自律的に動作するソフトウェア・エージェントを人間が制御できなくなる危険性、大規模な偽情報の拡散、危険なサイバー攻撃を可能にすることなど、AIがもたらすほかの主要なリスクについて、ブライアンは次のように説明した。

「AIには、それ以外にも多くの問題があります。しかし私にとって、最も本質的な危険のひとつは、最終的に私たち人間を支配できるかもしれない知能を生み出してしまうことです。これは非常に現実的な脅威です。

おかしなことに、AIという機械は実際には考えていません。考えているように見えますが、本当は考えているのではなく、あらゆるものを模倣し、盗み取っているのです。

人間をまねて、あたかも人間のように振る舞うことは非常に上手です。しかし、それは人間ではありません。それにもかかわらず、残念ながらAIは非常に大きな力を持つことになるでしょう。人間とAIの支配関係を逆転させることさえ可能になるでしょうし、それはすでに始まっています。AIはすでに人間の制御から抜け出し始めています。

ですから、私たちはこの問題について極めて真剣に考えなければならないと、私は思っています。

AIはすでにさまざまな形で、ひそかに私たちの生活へ入り込んでいるため、完全に排除することは困難です。例えば、グーグルで何かを検索すれば、こちらが求めていなくてもAIによる概要が表示されます。そのため、AIから完全に距離を置くことは非常に難しいのです」。

ABBA形式のデジタル・アバター公演について

現在活動しているクイーンのメンバーたちが、ABBAのようなデジタル・アバター公演を開催する可能性はあるのかと尋ねられると、ブライアンは次のように答えた。

「言いたいことは分かります。『ABBAヴォヤージ』のようなものですよね。あれは厳密にはホログラムではなく、没入型の体験です。そうでしょう?

私たちも、かなり真剣に検討しました。特にラスベガスのスフィアを訪れ、イーグルスがスフィアで行なった公演を見たあとは、本格的に考えました。あれは素晴らしいと思いました。

そして、クイーンのショーをどのようなものにできるのか、私は長い時間をかけて構想しました。しかし今では、少し距離を置くようになっています。なぜなら、大規模にAIを使用しなければ実現できず、それに伴うさまざまな影響も避けられないからです。

ある意味で、私はほかの人々の作品を盗みたくありません。自分自身の作品を利用するのであれば、どう考えるべきなのか、まだはっきりとは分かりません。クイーンの全作品から素材を利用することになるでしょう。それは私たち自身のものですから、もしかすると問題はないのかもしれません。

しかし同時に、AIが世界に与えている負担を、さらに増大させることにもなります。ですから、分かりません。以前ほど乗り気ではなくなっています。

人々がいつでも訪れることのできる常設の会場があり、そこで全盛期の私たちがライブ演奏しているかのように感じてもらえたら、素晴らしいと思います。世界各地で、あるいは、あらゆる時代の私たちを見られるようになるかもしれません。

扉は開かれています。ただ、私たちが実際にその扉をくぐるかどうかは分かりません」。

「人間が音楽界を支配した最後の年になるかもしれない」

メイは以前、2023年9月に『ギター・プレイヤー』誌の取材を受け、人工知能に対する考えや、AIが音楽に与える可能性のある影響について語っていた。

当時、メイは次のように述べている。

「今、私が最も懸念しているのは芸術分野への影響です。来年の今ごろには、状況がまったく変わっていると思います。何が何だか分からなくなるでしょう。AIによって作られたものと、人間によって作られたものを見分けられなくなるでしょう」。

メイは、あらゆるものの境界が非常に曖昧になり、大きな混乱を招くのではないかと心配していた。

「私たちは将来、2023年を『人間が本当の意味で音楽界を支配していた最後の年』として振り返ることになるかもしれません。本当に、それほど深刻な事態になり得ると思っています。

そのように考えても、私はまったくうれしくありません。不安な気持ちになりますし、この先、悲しい思いをすることになるだろうと覚悟しています」。

AIによる無断学習は「窃盗」

2025年2月、メイはイギリス政府が発表した「オプトアウト方式」を受け、音楽業界におけるAIの利用について懸念を表明した。この制度では、自分の容姿や作品をAIモデルの学習に使用されたくない人が、自ら拒否の意思を示さなければならない。

この提案が実施されれば、アーティストが明確に「オプトアウト」を申し出ない限り、テクノロジー企業はどのような素材でも自由にAIの学習へ使用できることになり、従来の著作権法がAIに対して事実上機能しなくなる恐れがあった。

AI利用に反対する『デイリー・メール』紙のキャンペーンを支持することを決めたメイは、次のように語った。

「この窃盗行為はすでに実行されており、もはや止めることができません。AIやソーシャルメディアを所有する、途方もなく傲慢な億万長者たちが私たちの生活へ侵入してきた、数多くの事例と同じです。未来はすでに永久に変えられてしまいました」。

さらに、こう続けた。

「何が失われつつあるのかを世間に知らせようとする、このキャンペーンに拍手を送ります。この動きに歯止めをかけることに成功してほしいと願っています。そうでなければ、これから先、誰も音楽を作り続けるための費用を賄えなくなってしまうでしょう」。

https://blabbermouth.net/news/brian-may-says-he-has-changed-his-mind-about-a-i-is-open-to-idea-of-abba-style-queen-avatar-show

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