グラント・レイノルズにとって、『マンマ・ミーア!』でスカイ役を演じることは、単なる一つの役柄以上の意味を持つものとなっている。
*『マンマ・ミーア!』北米25周年記念ツアーでスカイ役を演じるグラント・レイノルズのプロモーション写真。
(提供写真)
この愛され続けるミュージカルに約2年間出演してきたカーネギーメロン大学出身の俳優は、この作品が今や「自分のDNAの一部になった」と語る。
現在、ロサンゼルスのアーマンソン劇場で上演されている全米ツアー公演に出演中のレイノルズは、ソフィの献身的な婚約者スカイを魅力と温かさあふれる演技で演じながら、この長寿ミュージカルを多様性と包摂性の新たな時代へ導く一翼も担っている。
「2024年から『マンマ・ミーア!』に参加しています」とレイノルズは語る。
「最初のブロードウェイ・ツアー版にキャスティングされて、約1年半ツアーを回りました。その後ブロードウェイ公演を終えて、再びツアーに戻ったんです。本当に素晴らしい経験でした」。
シカゴ出身の彼は、俳優としてのキャリアの中で、ビリー・ポーター監督の高評価作品『エニシングズ・ポッシブル』に出演。その後、自身のキャリアを決定づけることになる役と出会った。
「この作品には本当に感謝しています。今では自分のDNAの大きな一部です」。
「作品にも共演者にもとても親しみを感じています。一つの作品に戻ってきて、さらに深く取り組める自由があるのは本当に素晴らしいことです。俳優にとっては、そんな機会はそう多くありません」。
『マンマ・ミーア!』が伝える普遍的なテーマ
1999年にロンドンのウエストエンドで初演された『マンマ・ミーア!』は、ABBAの音楽と家族、アイデンティティ、自己発見をテーマにした物語によって、演劇史上最も成功したミュージカルの一つとなった。
レイノルズは、そのテーマが今なお色褪せていないと考えている。
「『マンマ・ミーア!』は本質的には、自分のアイデンティティの欠けたピースを探している若い女性の物語なんです」。
「その過程で彼女は、自分が外に求めていたものが実はずっと自分の内側にあったことに気付いていきます」。
レイノルズによると、スカイはソフィの旅路を支える存在だという。
「彼は鏡のような存在なんです。ソフィに対して、『あなたを完全な存在にするために探していたものは、最初からあなたの中にあったんだ』と教えてくれる」。
「これは自己発見の物語であり、自分自身を受け入れること、選んだ家族、生まれ育った家族、そして家族とは何かを考える物語なんです」。
ブロードウェイ初の常勤黒人スカイ役
レイノルズにとって、このプロダクションで最も意義深いことの一つは、舞台上に反映される多様性だ。
彼は、ブロードウェイでスカイ役を演じる初の常勤黒人俳優となった。
そのことに誇りと責任の両方を感じているという。
*アーマンソン劇場で上演されている『マンマ・ミーア!』北米25周年記念ツアーで、スカイ役のグラント・レイノルズとソフィ役のクリスティーン・シェリルが、月明かりに照らされたギリシャの夜空の下で心を通わせる場面。
(写真:ジョーン・マーカス)
『マンマ・ミーア!』北米25周年記念ツアーでスカイ役を演じるグラント・レイノルズのプロモーション写真。(提供写真)
レイノルズは語る。
「私の叔父、マイケル・ベンジャミン・ワシントンも以前ブロードウェイ版に出演していました」。
「彼は、舞台作品が時代に合わせて進化し、変化していくことを教えてくれた最初の一人でした」。
彼は当初、この役が観客に与える影響を十分には理解していなかったという。
しかし、公演後にその意味を実感するようになった。
「ステージドアで、黒人の少年たちやアフロラティーノの少年たち、ラティーノの少年たちが待っていて、自分たちと同じような人が主役として舞台に立っている姿を見て感動しているのを見るんです」。
「それこそが私たちの特別なところなんです」。
多様性は人種だけではない
レイノルズは、キャスト全体が多様性に富んでいることも強調する。
「私たちのキャストは本当に多様です」。
「そして多様性は人種だけではありません」。
「障がいの有無もありますし、体格の多様性もあります。異なる背景を持つ人々もいます」。
「そうしたすべてが大切なんです」。
2026年版『マンマ・ミーア!』
20年以上の歴史を持つ作品でありながら、現在のプロダクションは非常に現代的だとレイノルズは語る。
「私たちの作品が新鮮に感じられるのは、『2026年のマンマ・ミーア!』を映し出しているからだと思います」。
本場ギリシャへの特別な旅
近々、レイノルズは親友の結婚式に出席するため、短期間だけ公演を離れる予定だ。
しかもその場所はギリシャのクレタ島。
『マンマ・ミーア!』の舞台として知られるギリシャの島々を思わせる、まさにふさわしい場所である。
「今年の夏で最も楽しみにしている出来事の一つです」。
「1年以上前から決まっていました。キャストの何人かも一緒に行く予定です」。
「ロサンゼルスに戻る頃には、きっと新しいインスピレーションを持ち帰れると思います」。
100公演以上を経て
100回以上連続で公演を続けてきたレイノルズにとって、この休暇は心身をリフレッシュする貴重な機会となる。
「毎晩舞台に立てることは本当に恵まれたことです」。
「でも週8公演は、体力的にも、歌唱面でも、精神面でも非常に大変です」。
「だからこそ一度作品を離れると、自分がどれほどこの仕事に感謝しているかを改めて実感するんです」。
『マンマ・ミーア!』は“喜びの培養器”
ロサンゼルス公演を観ようか迷っている観客に向けて、レイノルズはシンプルなメッセージを送る。
「私たちのショーの一番素晴らしいところは、『喜びを育てる場所』だということです」。
「その喜びを皆さんに届けたいと思っています」。
「ぜひ劇場に来て、一緒に楽しんでください」。
ABBAの時代を超えた名曲、観客を巻き込むエネルギー、そして前向きなメッセージで人々を魅了し続ける『マンマ・ミーア!』。
レイノルズは今、子どもの頃に夢見た以上の人生を歩んでいる。
「僕はただのシカゴ出身の少年でした」。
「ブロードウェイの夢がかない、大好きなことをしながら全米を旅できるなんて、決して当たり前だとは思っていません」。
『マンマ・ミーア!』ロサンゼルス公演
- 会場:アーマンソン劇場(※)
- 住所:135 N. Grand Avenue, Downtown Los Angeles
- 公演期間:2026年6月23日~7月19日
チケットおよび公演スケジュールの詳細は、センター・シアター・グループ公式サイトで確認できる。
※アーマンソン劇場(Ahmanson Theatre) は、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス中心部にある南カリフォルニア最大級のミュージカル・演劇専用劇場です。ロサンゼルス・ミュージック・センターの中核施設として知られ、ブロードウェイの大規模ツアー公演や新作ミュージカルの上演会場として高い評価を受けています。
基本情報
- 名称:Ahmanson Theatre
- 所在地:135 North Grand Avenue, Los Angeles, California
- 開館:1967年
- 客席数:約2,000席
- 運営:Center Theatre Group
ロサンゼルス演劇界の中心
アーマンソン劇場は、ニューヨーク・ブロードウェイで成功した作品の全米ツアー公演が数多く上演されることで有名です。
これまでに
- The Lion King
- The Phantom of the Opera
- Les Misérables
- Wicked
- Hamilton
などの大ヒット作品が上演されてきました。
『マンマ・ミーア!』との関係
今回の『マンマ・ミーア!』北米25周年記念ツアーは、このアーマンソン劇場で2026年6月23日から7月19日まで上演されます。
劇中でスカイ役を演じるグラント・レイノルズがインタビューを受けたのも、この公演に合わせてのものです。
劇場の特徴
アーマンソン劇場は舞台の間口が広く、大規模なセットや華やかな照明演出に対応できるため、『マンマ・ミーア!』のようなダンスと音楽が中心のミュージカルに最適な劇場として知られています。
日本で例えるなら、東京の帝国劇場や東京国際フォーラム・ホールAのような存在で、ロサンゼルスを代表するミュージカル劇場の一つです。
https://lasentinel.net/grant-reynolds-makes-history-while-spreading-joy-in-mamma-mia.html


