スパンコール! ダンシング・クイーン! ABBA!『マンマ・ミーア!』25周年ツアー舞台裏に潜入

スパンコール! ダンシング・クイーン! ABBA!『マンマ・ミーア!』25周年ツアーの舞台裏に潜入

*2026年6月25日、米カリフォルニア州ロサンゼルス――ロサンゼルス中心部のアーマンソン劇場で上演中のミュージカル『マンマ・ミーア!』の舞台裏で、ツアー衣装監督のエヴァ・マチェイクが、銀色の厚底ブーツを手に持つ様子。2026年6月25日(木)撮影。

写真:クリスティーナ・ハウス/ロサンゼルス・タイムズ/TNS

ロサンゼルス発――「ヒア・ウィー・ゴー・アゲイン(Here We Go Again)」。

マンマ・ミーア!』がブロードウェイで初演されてから25年。全米ツアーがロサンゼルスに戻り、アーマンソン劇場で迫力満点の舞台装置と、この作品を知り尽くしたスタッフたちによって再び幕を開けています。

花嫁に3人の父親候補がいるというギリシャの結婚式を描いた人気のジュークボックス・ミュージカル『マンマ・ミーア!』は、25周年記念ツアーの一環として7月19日までアーマンソン劇場(※)で上演されます。

観客はABBAの名曲を一緒に歌い、踊る、まさに「ABBAパーティー」を体験できるでしょう。

アソシエイト・コレオグラファー(振付補佐)のジャネット・ロザーメルは次のように話します。

「お客様はみんな思い思いの衣装で来場されます。羽根のボアを巻いた人もたくさんいますし、スパンデックス姿や厚底シューズの方も本当に多いですよ」。

ロザーメルは、2001年のブロードウェイ初演以来、この作品に携わり続けているクリエイティブチームの一人です。

アソシエイト・ディレクターのマーサ・バンタ、アソシエイト音楽監督のデビッド・ホルセンバーグも、約14年間続いたブロードウェイ公演、全米ツアー、そして世界各国での上演を見守ってきました。なお、ホルセンバーグは初演時の音楽監督でもあります。

バンタはこう振り返ります。

「リハーサルで再びみんなが集まった時、本当に特別な気持ちになりました。同じキャストではありませんでしたが、ジャネットやデビッド、そして長年この作品に携わってきた仲間たちと再会できました。ここ数年、世界ではさまざまな出来事がありましたが、この作品に戻ってこられたことは心が癒やされる経験でした」。

さらに彼女はこう続けます。

「以前にも増して多くの方々に温かく迎え入れていただいています。それは本当に素晴らしいことです」。

制作に関わる全員が口をそろえて語るのは、この作品が「究極のハッピーミュージカル」であり、つらい時代や苦しい時代だからこそ、観客が求めている作品だということです。

ツアー衣装監督兼アソシエイト・デザイナーのエヴァ・マチェイクは、率直にこう語ります。

「この作品が大好きなんです。だって誰も死なないんですから」。

ホルセンバーグによると、ブロードウェイ初演のリハーサルは2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件と重なっていました。

初日の観客の反応は今でも忘れられないといいます。

「終演後、お客様が涙を流しながらオーケストラピットまで来て、『数時間だけでも現実を忘れ、純粋な喜びを感じさせてくれてありがとう』と言ってくださったんです」。

そして彼は続けます。

「この作品そのものが喜びなんです。喜びに満ちあふれています」。

耳に残るABBAの名曲やロマンティック・コメディのストーリーだけでなく、作品の魅力は色鮮やかな衣装と地中海のリゾートを思わせる雰囲気にもあります。

舞台上のセットは、回転する2枚の「タベルナ(ギリシャ風酒場)」の壁だけというシンプルな構成ですが、その舞台裏では、舞台装置、小道具、衣装替えなど数百もの要素が絶え間なく動き、観客には何気なく見える華やかな舞台を支えています。

マチェイクが「一番かっこいい衣装」として挙げるのは、主人公ドナ・シェリダンジェシカ・クラウチ)と、ダイナモスの仲間であるターニャジャリン・スティール)、ロージーカーリー・サコローブ)が着る宝石のように輝くジャンプスーツです。

それぞれの衣装には、何百個もの銀色の星形スパンコールが縫い付けられています。

マチェイクは笑いながら言います。

「最初にあれを縫い付けた人じゃなくて本当に良かったです!」。

これらの衣装はロンドンやニューヨークで製作されましたが、2023年に現在のツアーが始まって以来、「ゴンドラ」と呼ばれる収納ケースで各都市を巡回しており、訪問先ごとに地元の衣装スタッフが修理や補修を行なっています。

マチェイクによると、衣装の色彩そのものが物語を語っています。

「島に到着したばかりの登場人物たちは、ベージュを基調に少しだけ青が入った衣装を着ています」。

そして「ヴーレ・ヴー」の場面になると青が増え、やがて宝石のような鮮やかな色合いへ変化していきます。

さらに彼女は説明します。

「結婚式の場面では、みんなピンク、淡い赤、オレンジ、黄色の衣装になります。作品全体を通して色彩のストーリーが描かれているんです」。

アシスタント・コレオグラファー、ダンスキャプテン、そして複数の役を担当する「スウィング」でもあるライアン・サンダーは、「ヴーレ・ヴー」で着る衣装に特別な思い入れがあります。

20年以上前、全米ツアーで出演していた当時と同じ衣装を再び着たところ、驚くほどぴったりだったそうです。

デニムのベストとパンツに、2000年代初頭(Y2K)らしい編み上げデザインを取り入れたその衣装は、この作品のファッション性を象徴しています。

彼はこう語ります。

「これらの衣装には時代を超えた魅力があります。時代設定はありますが、それでも決して古く感じません」。

舞台裏で欠かせないものは衣装ラックだけではありません。

もう一つ重要なのが、舞台袖に設けられたボーカルブースです。

ここでは、出演者たちが舞台に出ていない間もカーテンの裏で歌い続け、作品独特の厚みのあるサウンドを作り上げています。

ホルセンバーグは説明します。

「ABBAサウンドの特徴の一つは、幾重にも重なるコーラスです。私たちはそれをすべて生歌で再現しています」。

さらに、

「アンサンブルは本当に大変なんです。舞台に出ていない時も休みではありません。ずっと歌い続けているんですよ」。

作品は何十年も上演されていますが、クリエイティブチームは、キャストが変わるたびに作品も新しい表情を見せると語ります。

ホルセンバーグは現在のドナ役についてこう話します。

「新しいドナ役のジェス(ジェシカ)は、本当にロックガールらしいエネルギーを持っています。同じ楽譜でも、演じる人によって毎晩まったく違う作品になるんです」。

舞台監督のアンドリュー・ヴォルザーによれば、この作品の最大の特徴は、長年支え続けるスタッフと、多世代に愛されていることだそうです。

「観客だけでなく、スタッフも世代を超えてこの作品に関わっています。人は入れ替わっていきますが……」。

そして最後に、制作チームがいつも口にする言葉があります。

「一度この島に来たら、もう島を離れることはない」。

※アーマンソン劇場(Ahmanson Theatre)は、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス中心部にある、全米屈指の大規模劇場です。ロサンゼルス・ミュージック・センター(The Music Center)を構成する4つの主要施設の一つで、ブロードウェイ作品の全米ツアーや新作ミュージカルの上演で知られています。

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基本情報

  • 所在地:アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス市ダウンタウン
  • 開館:1967年
  • 客席数:約2,000席
  • 運営:Center Theatre Group(センター・シアター・グループ)

劇場の特徴

アーマンソン劇場は、ブロードウェイの人気作品をロサンゼルスで上演する代表的な劇場です。

これまでに数多くの名作ミュージカルが上演されています。

  • 『マンマ・ミーア!』
  • 『レ・ミゼラブル』
  • 『オペラ座の怪人』
  • 『ウィキッド』
  • 『ライオン・キング』
  • 『ハミルトン』
  • 『ディア・エヴァン・ハンセン』
  • 『ハデスタウン』

など、世界的人気作品のロサンゼルス公演会場として利用されています。

『マンマ・ミーア!』との関係

2026年には、『マンマ・ミーア!』25周年記念全米ツアーが7月19日までアーマンソン劇場で上演され、多くのABBAファンやミュージカルファンを集めています。

劇場の大きな舞台と最新の照明・音響設備により、ABBAの名曲と華やかなダンスナンバーが迫力満点に演出されています。

ロサンゼルスを代表する劇場

アーマンソン劇場は、ニューヨークのブロードウェイ、ロンドンのウエストエンドに次ぐ規模の公演が数多く行われる劇場として知られ、毎年世界トップクラスのミュージカルや演劇作品が上演されています。

そのため、アメリカ西海岸の演劇・ミュージカル文化の中心地の一つとして高い評価を受けています。

https://www.recorderonline.com/features/entertainment_news/sequins-dancing-queens-abba-go-backstage-for-mamma-mia-s-25th-anniversary-tour-in-la/article_0c56aef1-324c-5e9a-83e7-638cb146070b.html

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